FP OFFICE 海援隊|1970年以降生まれの「ライフ&マネー塾」

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長期投資マニュアル)第1回「65歳になるまでの35年間で、あなたの投資信託はプラスになっていますか? それとも、マイナスになっていますか?」

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 今日の面談で、投資初心者向けに「長期投資」のマニュアルを作ってみようと思い立ち、短期投資ではない長期の運用をする場合のマーケット攻略法を組み立てていくことにしました。

 当ブログ「1970年以降生まれのライフ&マネー塾」では、その叩き台として長期投資マニュアルを作成するためのネタの整理にも使っていきます。

 初心者向けですので、あまり難しくない表現を試みますが、ルールというか、前提として、

簡単、考えなくていい、わからなくてもできる

といった安易な方法論は全否定していきます。

 つまり、

資産運用は難しいものであるから、わかるようになる

にはどうしたらいいかにこだわっていきます。

 勉強の目標は、

投資初心者が中級者になる

ことです。

 初級者⇒中級者⇒上級者とレベルを3段階に分けるとするならば、

初心者は「基礎編」

中級者は「応用編」

上級者は「発展編」

と括ることができるかもしれません。

 誰でも資産運用を始めるときは初心者です。

 初心者は基礎を身に付ける必要がありますが、基礎だけ身に付けたところでマーケットという大海原を1人で泳ぎ切ることはできません。

 なので、自走できるように応用も身に付け、中級者へとレベルを引き上げることを同時に行っていきます。

 

 ここでいう学びの対象者は「確定拠出年金制度(企業型DC・iDeCo)」や「つみたてNISA」で投資信託を運用する人です。

 このため、資産運用の手足を縛る「長期」・「積立」・「分散」投資という玄人でも困難を極める運用方法を攻略していくことにします。

 世間で言われていることと実践は違うので、この難問を初心者にわかるようにひも解いていきたいと思います。

 

 それでは、長期投資について考えていきましょう。

 まずはこれです。

今、あなたが30歳であるとします。

iDeCo投資信託を運用するとして、65歳になる35年後、運用成績はプラスですか、それとも、マイナスですか。

 iDeCoは老後の年金を自助努力で準備するための所得税軽減制度です。

 現行では60歳まで続けられますが、5年間延長され、65歳まで続けることができるようになります。

 このため、65歳をゴールとして考えていきます。

 

 もう一度想像してください。

65歳になるまでの35年間で、投資信託の評価額はプラスですか? それとも、マイナスですか?

 長期投資はここから始まります。

 「わからない」はナシです。

 世間で言われることは「よくわからなくてもできます」です。「放ったらかしでも大丈夫」です。

 普通に考えてください。そんなわけありません。

 わからないから考えるんです。

 

 なぜ、考えなければならないかというと、65歳になったときに損失を被る可能性もあるからです。

○長期投資とドルコスト平均法

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 ドルコスト平均法については、後日、言及しますが、iDeCoやつみたてNISAでは「積立投資」が前提になるため、投資信託は「ドルコスト平均法」を用い、買い付けしていきます。

 あなたは長期投資をするわけです。

 今から始めて、35年後にどのような結果を得たいかを想像するでしょう。

 おそらくプラスになっているものと信じてやまないかもしれませんが、そこは資産運用です。35年後に損失を被っている可能性もあります。

 上の図はそのイメージを表していますが、赤枠が「35年後、自分が投資しているファンドがプラスになっているだろう」と考えている人の頭の中です。

 一方、青枠が「資産運用なんだから、損することもあるかもしれない」と考えることができている人の頭の中です。

 ここ近年、確定拠出型年金制度やつみたてNISAを活用し投資を始める人が増えています。

 ほとんどの人たちは、自分の頭の中が赤色の枠だと思います。

 国もそんなこと言ってるし、金融機関もそんな振れ込みをしてくるし、インターネットで記事を読んでも同じようなことが語られています。

 こんなにあらゆる方向で、35年後、自分の運用しているファンドがプラスになっているだろうと思わせられているわけですから、それを信じてしまっている人は、いわば「思考停止」というか、「洗脳」状態にあるように見えます。

 でも、ふつ~~~に、考えてください。

 目を覚ましましょう。

 そうでないことは想定できますよね。

 この、

損するケースを想像できる力

こそが、資産運用では重要なんです。

 損するのは怖い、損するのは嫌だってことじゃないですよ?

損する可能性を想定することで、初めてリスクコントロールの意識が生まれる

 という意味です。

 要するに、

損をしたくないから、損をしないようにするにはどうするかを考えるようになる

ということです。

 なんか、世間では「よくわからないから放ったらかし投資」がまことしやかに喧伝されていますよね。

 思考停止状態です。

 運が良ければプラスですが、運が悪ければマイナスです。

 つまり、放ったらかし投資をしている人は、「自分が損をしてもいいと思っている」わけで、ということは、「損をしたとしても何も感じない人」ということになります。

 嫌ですよね、そんなの。

 だって、損するんですもん。

だから、考える

 この超当たり前のことが投資初心者の場合、「よくわからないから」のひと言で「だから、考えない」となっています。

じゃあ、投資なんかするなよ 

って話なんですが、老後が不安なわけですよね、でも、考えたり、勉強する暇なんかないわけですよね。

 残された選択肢は「神頼みの放ったらかし投資」です。

 ある意味、理に適っています。

 まず、初心者はここから脱却しましょう。

でなければ、初心者は中級者には絶対になれない!

 神頼みで投資をして、運頼みで資産運用をするわけです。

 でも、投資も、資産運用も、ギャンブルではありませんと教科書には書いてあります。

 そうであるならば、

「わからない」を「わかる」にする以外に道はありません

よね。

 普通に、素直に、洗脳を解いて学ぶようにしてください。

 そして、損失を被る可能性があることにしっかりと目を向けてください。

 でなければ、リスクコントロール、つまり、分散投資について理解すらできません。

 

 ということで、長期投資はどうなればプラスになり、マイナスになるかを絵で認識しておきましょう。

○長期投資とドルコスト平均法

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 これが答えです。

スタート時の基準価額よりも終了時の基準価額が高かったらプラス

スタート時の基準価額よりも終了時の基準価額が安かったらマイナス

 長期投資には、この2つの事実が存在します。

 初心者の多くは赤枠の平和な世界に何も知らずに住んでいます。

 でも、中級者や上級者は、青枠を認識しながら赤枠になるように努力している人たちです。

初級者を卒業するには青枠の認識が必要不可欠

です。

 といっても、ドルコスト平均法では投資信託の買値が結果的に平均買付価格に均されていくため、現実的には極端な想定にはあまり意味がありません。

 ただし、相場は生き物であるため、万一、大損を被る可能性も見ておく必要はあります。

 この考え方についてはリスクという言葉の意味を理解する必要があるので、後日に話を回します。

 

 ということで、最初の質問に戻ります。

今、あなたが30歳であるとします。

iDeCo投資信託を運用するとして、65歳になる35年後、運用成績はプラスですか、それとも、マイナスですか。

 答えは、

プラスになることもあれば、マイナスになることもある

です。

 世間の印象は、「老後のお金を補填する必要があるからプラスになるだろう」ということを前提に語られています。

 もう一度、同じ質問です。

65歳になるまでの35年間で、投資信託の評価額はプラスですか? それとも、マイナスですか?

 「よくわからない」はナシです。

 目いっぱい考えましょう。

 資産運用を始める前であれ、始めたばかりであれ、今の自分が持ち合わせている知識を最大限に活用し考えましょう。

 でも、わからないと思います。

 当たり前です。そんなの誰にもわかりません。

わからないなら、どうする? 

 次回はその組み立て方、つまり、ストーリーの考え方についてお伝えしていきます。

 

 という具合に、初回は導入を目的に

資産運用や投資は損するときもある。

でも、よくわからないから、考えずにいたいというのではなく、よくわからないから、わかるようになりましょう

ということをお伝えしました。

 この超当たり前のことを面倒くさいからということですっ飛ばすなら、資産運用はやらない方がいいですし、でも、老後のお金が心配というのなら、やるなりの階段を上っていく必要があります。

 初回はこれだけの話を随分と長く引っ張ってお伝えしました。

 すいません。

 

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