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世界的な株価急落の今だからこそ、分散投資の基本に立ち返る。

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 ここ近年、将来に向けて、例えば、老後の生活資金を準備するためにiDeCoやつみたてNISAなどを始めてみたという方が増えています。

 実際のご相談では分散投資の考え方を聞かれることが多いですが、やはり投資初心者にとっては難しいのか、分散投資が図られていない方が多いように見受けられます。

 そこで今回は、分散投資の考え方と方法についてお伝えしていきたいと思います。

 

 分散投資は、「同じ籠の中に複数の卵を入れるな」と言われるように、リスクを考慮し資産を配分しながら投資を行いましょうという考え方です。

 資産運用の基本中の基本といえますが、どうも同じ性質の資産に資金を偏らせてしまっている方が多いような気がします。

 例えば、○○証券でiDeCoやら、つみたてNISAをしていますという方でありがちなのが、ポートフォリオを確認すると、国内株式と外国株式の2種類で資金を配分しているといったケースです。

 言い分としては、「日本とアメリカ、その他全世界に分散しています!」ということなんですが、「それって、日本だろうが、アメリカだろうが、全世界だろうが、投資対象としては株式だよね。資産を分散させてないじゃん」ってことになってしまいます。

 こういった方のために、分散投資について基本的な考え方をおさらいしてみます。

分散投資の基本的な考え方)

①国・地域の分散:複数の国や地域に資産を分ける

②投資対象の分散:複数の投資対象に資産を分ける

③時間の分散:買い付けのタイミングを分ける

 これら3つはよく案内される内容だと思いますが、①は、例えば、先ほどの例にあるように、日本だけでなく、アメリカなどの先進国や新興国発展途上国など、複数の国や地域に資産を分けて投資するという方法です。

 ②は、先ほどの例の場合は投資対象が株式のみでしたが、そうではなく、公社債などの債券や不動産、金や穀物などのコモディティといったものにも資産を分けていきましょうという考え方です。

 ③は、投資対象を購入するタイミングを同じ時期ではなく、異なるタイミングで買い付けていきましょうという売買方法について言っています。代表的なものは「ドルコスト平均法」が挙げられますが、投資初心者にはよく勧められる内容ですよね。

 ドルコスト平均法による買い付けは、マーケットが下降局面にある場合、購入価格が下がることで平均購入価格も下がるため、その後、上昇局面に移行すると、結果的に安い買い物ができたということになることから推奨されています。

 しかし、マーケットの下降局面が長引いてしまうと、なかなか上昇局面に戻ることが難しかったり、上昇局面に戻ることがそもそもない場合もあるため、そのような場合はひたすら損失が膨らんでいくことになります。

 このようなことから、投資にある程度慣れている方なら、どちらかというと積立投資よりも、下降局面においては、下値の目処を探りながら難平買いをしていくといった時間の分散を図ったりします。

 

 以上、3つがよく語られる「分散投資」の基本的な考え方ですが、投資に慣れてくると、次のような分散を図ることができるようになります。

④期間の分散:投資期間を短期・中期・長期に分けて資産配分を行う

 ①・②・③の分散投資は、投資を行う上では当たり前のことです。

 「期間の分散」は、「国・地域」、「投資対象」、「時間」の3つの分散を、短期投資、中期投資、長期投資といった投資スパンごとで組み合わせていくという考え方です。

 この方法については応用力が必要になってくるため今回はお話しませんが、どこかの機会でお伝えしようと思います。

 

 さて、基本的な考え方がわかったところで、次は分散投資に至るまでの基本的な流れを整理していきたいと思います。

 

分散投資に至るまでの基本的な流れ

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※筆者作成

 

 資産運用をしよう、投資をしようと思い、「そうか、分散投資をすればいいのか」とピンと来ても、どれぐらいの資金を投資に回せばいいかという問題に直面します。

 これもよくある質問ですが、要は「今持っている現金や預金の何%を投資に回せばいいでしょうか」ということですよね。

 世間では10%!、20%!、30%!という声が聞こえ漏れてきますが、そのようなものは、投資をしようと考えている人の「属性」や「ライフステージ」、「資産状況」、「性格」など、いわゆるリスク許容度によって異なります。

 このため、当たり前のことですが、はっきりと何%という基準はありません。

 ただ、投資初心者の場合、一般的にリスク許容度は低いと思いますので、先ほどの図では、現金・預金の10%を1年間当たりの投資金額として設定しています。

 例えば、「うちの場合、現預金が300万円ある」というご家庭では、年間の投資額は30万円になるという意味ですね。

 

 さて、ここでまた疑問が浮かびます。

 「とはいえ、毎年30万円ものお金を投資に回すことができるのかしら・・・」

 年30万円は月に換算すると2万5,000円ですよね。毎月2万5,000円を”継続”して積立投資しても大丈夫な家計状況であるなら問題ないかもしれません。

 FP相談では毎年のキャッシュフロー(お金の流れ)を試算した上で妥当な金額を導き出していきますが、気になる方は専門家に相談するのも良いでしょう。

 

 ということで、毎年、投資に回すお金の予算取りができました。

 ここからが資産配分です。

 図にもあるように、資産配分は4つに分けて行うのが良いと一般的には言われています。

 「国内債券」、「外国債券」、「国内株式」、「外国株式」の4つです。

 資産運用をしっかりとしていこうという場合はこの限りではなく、例えば、不動産関連、コモディティー関連も含め、より多くの投資対象を採用していったりします。

 投資初心者の場合、この4つが比較的わかりやすいと思いますので、教科書通りの考え方ですが、改めて意識してみてください。

 図の円グラフがそれら4つの資産配分を示していますが、それぞれの投資対象の配分比率が25.0%ずつになっています。

 これはGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)、つまり、私たちの年金を運用している機関が実際に採用している配分比率です。

 国内債券:25.0%、外国債券:25.0%、国内株式:25.0%、外国株式:25.0%と設定されていますが、運用を重ねていくと、相場の状況に応じて各資産の評価額が増減していきます。

 そこでGPIFは、初期設定の25.0%を維持するために、定期的に資産の購入や売却を行っています。このような資産状況の見直しを「リバランス」といいますが、投資初心者であっても、投資を行う際は、このようなリバランスを行う必要があります。

 当たり前ですよね、資産の配分比率をわざわざ決めているということは、自分なりに投資を行う際のルールを設けていることになるため、このルールが歪んでしまうとそもそもポートフォリオを組む意味が薄れます。

 つまり、結果として、目標としている運用利回りを得られず、分散投資自体が崩れる原因にもなってしまうのです。

 

 それでは、次に、なぜ、国内と外国、債券と株式に投資対象を分けているのでしょうか。

 理由は簡単ですよね。国・地域の分散と投資対象の分散が分散投資として重要だからです。

 例えば、日本で地震が起こり、東京に拠点を構える日本企業の多くが莫大な損失を被ってしまったとします。このような場合、国内の株式だけに資産を限定してしまうと損失が膨らみやすくなります。

 逆に、投資先を日本だけでなくアメリカにも広げておくと、東京で地震が起こったとしても、ニューヨークにある企業群の株式は被害を受けていないため、ポートフォリオの毀損を防ぎやすくなります。

 ただ、多くの投資初心者は、国・地域の分散をこのような有事のリスク(地政学リスク)で捉えがちなんですが、有事は稀なことで、それよりも、一国の経済政策が他の国・地域にも影響を及ぼすという視点を持つべきでしょう。

 例えば、今のマーケットの注目は、アメリカの中央銀行であるFRB(連邦準備理事会)が金融政策を「金融緩和」から「金融引き締め」に変更しにかかっているという点です。このような局面ではアメリカの政策金利であるFFレートが徐々に引き上げられていきます。

 金利が引き上げられると企業業績にはマイナスの影響を及ぼすため、アメリカの株式市場では、それまでの上昇相場が終わりを迎え、調整局面といって株価が下落しやすくなります。今の状況がまさにそれですね。

 アメリカは世界経済を牽引している代表的な国のひとつなので、その影響はアメリカだけに留まらず世界中に波及します。

 このようなことから、たとえ国・地域を分けていたとしても、同じような動きをする投資対象ばかりを選んでしまうと、分散投資の効果は薄れてしまうわけです。

 

 一方、債券と株式といった比較的逆の値動きをしやすい投資対象を組み合わせておくと、どちらか一方が値崩れを起こした場合、もう片方が買われやすくなるため、分散投資の効果が現れやすくなります。

 ここ数日のウクライナ情勢を巡るマーケットの動きとしては、紛争可能性という有事を想定し、株式が売られ、債券が買われるといった典型的なリスクオフの流れが見て取れます。

 ただ、マーケットの全体的な流れとしては、金融引き締めによる利上げ局面が前提になっているため、米国債が売られ(国債利回り上昇⇒金利上昇)、株式も売られやすくなっています(金利上昇による企業業績への悪影響を懸念)。

 最近の相場は、このような意味で非常に難しい相場展開といえますが、投資対象を分散したとしてもリスクヘッジできないこともあるので注意が必要です。

 

 それでは、もう少し分散投資を具体的にイメージしてみましょう。

 

〇具体的な分散投資のイメージ

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※筆者作成

 

 上の図は、国内債券、外国債券、国内株式、外国株式について、それぞれ実際に取り扱われている投資信託ETF(上場投資信託)をプロットしたものです。

 例えば、国内債券としては「NEXT FUNDS 国内債券 NOMURA-BPI 総合連動型上場投信」というETFが有名かもしれませんが、これは日本国債を中心にしたETFです。

 一方、分散投資ということで外国債券も検討する場合、図にあるようなETFも人気があるようです。「NEXT FUNDS 外国債券 FTSE 世界国債インデックス(除く日本・為替ヘッジあり)連動型上場投信」と呼ばれるものです。

 特徴は、日本以外の外国債券が投資対象となっている点です。また、為替ヘッジといって為替変動の影響を受けないのも投資初心者にとっては余計なことを考えなくて済むかもしれません。

 ちなみに、これらETFと呼ばれるものは、投資信託ではあるものの、株式市場に上場されているため、株式と同じように売買することができ、1日に1回の値付けしかされない一般的な投資信託と比べると使い勝手は良いといえるでしょう。

 次に株式に目を移すと、国内株式としては、「上場インデックスファンド225」というETFや「NEXT FUNDS TOPIX 連動型上場投資信託」というETFが人気としては比較的目立つかもしれません。

 前者は日経平均株価指数をベンチマークにしたETF、後者はTOPIXベンチマークにしたETFで、両者ともそれぞれのベンチマークに連動した動きをするのが特徴です。このため、投資初心者には好まれやすいように思います。

 これらに対し、外国株式としては、「Vanguard Total Stock Market Index Fund ETF(VTI)」や「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」という投資信託、「iShares MSCI Kokusai ETF(TOK)」がよく名前が上がってくるように思います。

 VTIは、CRSPと呼ばれる、米国市場に上場している株式のほぼすべてを網羅した株式を指数化したもので、この指数をベンチマークに採用しています、また、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は、米国の株式市場を代表する指数のひとつであるS&Pと似たような動きを示します。そして、iShares MSCI Kokusai ETF(TOK)は、MSCIコクサイ指数に連動し、日本を除く世界の中でも厳選された株式が組み入れらたETFとなっています。

 ここ近年、株式市場が上昇し続けてきたことで、国内の株式型投資信託ETF、米国の株式型投信・ETF、全世界を対象とした株式型投信・ETFに人気が向かっていたようですが、これらは、現在のような株式市場の調整局面においては、相対的にパフォーマンスが大きく落ち込んでいます。

 

 そこで、ポートフォリオを見直すことになるわけですが、つまり、保有資産をリバランスさせ、例えば、資産の配分比率を見直したり、投資ルールとして決めた配分比率になっていない投資対象を売却・再購入することでポートフォリオを再構築していきます。

 今のような調整局面においては、投資の最重要テーマは「保有資産の防衛」です。

 一般的には、株式投資の比率を下げ、債券投資の比率を上げるといった方法を想像するかもしれません。

 これは、仮にウクライナ情勢が悪化し、紛争が起こった場合に有効かもしれませんが、マーケットの潮流はあくまでも金融引き締め局面に移行していくため、株価が下がり、国債価格も下がるといった流れがしばらく続く可能性を見ておく必要がります。

 仮にそうであるとするならば、「株式もダメ、債券もダメ、どうすればいいんですか」と思われるかもしれません。このような時だからこそ、その他の国・地域や投資対象を物色することが求められます。

 国・地域としては、

中南米

 鉱物資源が多く産出されるため

◦中近東

 特にサウジアラビアですが、原油の生産国である

◦東南アジア

 特にインドネシア原油の生産国であり、また、シンガポールは世界屈指の金融セクターである

といった方面に分散を図ることも考えられるでしょう。

 また、投資対象としては、

◦有事の金(ゴールド)

 ゴールドを始めとする鉱物に関連するETF

◦有事のエネルギー、インフレ時のエネルギー

 原油をはじめとするエネルギー資源に関連するETF

金利上昇

 銀行などの金融セクターに関連するETF

などは目先の有事だけでなく、インフレや金利の上昇に強い分野であると考えられます。

 

 ただ、ウクライナ情勢が想定よりも悪くない、もしくは、改善されてくることも考慮する必要があるため、それまで投資してきた、例えばアメリカや日本の株式をすべて売却するというのは、リスクヘッジとしての分散投資の観点からいうと好ましいとはいえないでしょう。

 また、FAAMGなどのこれまで上昇を牽引してきたような銘柄もすべて売却してしまうというのは、仮に業績相場で再び株式市場が活況を呈してきた場合、上昇相場に乗り遅れてしまうため好ましいとは言えず、一部は残すという判断をした方がいいかもしれません。

 それでは、それまでの上昇相場で恩恵を被っていた銘柄の一部をリバランスする場合、どの銘柄にシフトしたら良いかというと、相場の下落局面の被害が比較的少ないだろうと見込まれるバリュエーションの低い銘柄に振り分けるのも一計といえます。

 例えば、生活必需品セクターには、生きる上で欠かせないサービスを提供している企業が多く存在します。確かに金利上昇局面では、他の業種と同様、企業業績としては影響を受けますが、そもそも、それまでの上昇相場の中で出遅れていた経緯もあり、物色の矛先が向かいやすくなると考えられます。

 株式投資では基本的に、その企業の将来における業績予測に大きく左右されるため、決算において企業利益がしっかりと乗ってくるような株式を物色することが求められます。

 投資初心者にとっては企業分析自体難しく思われるかもしれませんが、難しいようであれば、先ほどお伝えしたように国・地域別やセクター別にETFなどを物色していくと良いでしょう。

 

〇国・地域別株式ヒートマップ(2022年2月22日時点)

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※Finvizより提供

 

 これはアメリカの株式市場に上場されているアメリカ以外の国・地域の個別株式のヒートマップです。

 鮮やかな赤色になればなるほど下落率は大きい、逆に鮮やかな緑色であればあるほど上昇率は大きいと表示されています。

 アメリカ以外でどの国・地域に世界のマネーが向かっているかのひとつの尺度といえますが、2022年2月22時点では、概ね、中南米が買われているのが目立つようです。

 例えば、ブラジルのティッカーシンボル:VALEという企業は非エネルギー鉱物セクターですが、鉄鉱石やニッケルの他、マンガン、合金鉄、ボーキサイトカオリン、アルミニウム、胴、石炭、炭酸カリウム、コバルト、貴金属の採掘を手掛けており、この企業が買われているのはウクライナ情勢に反応しているからと想像することができそうです。

 欧米によるロシアへの経済制裁で鉱物資源の取引が逼迫する可能性があるといったところでしょうか。

 

 このように、どの国・地域に資金を振り分けていこうかの見当をつけながら、次はアメリカのセクター(業界)をETF別に見ていきます。

 

〇米国セクター別ETFヒートマップ

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※Finvizより提供

 ETFはExchange Traded Fundsの略ですが、簡単にいうと、株式市場に上場されている投資信託です。このヒートマップでは、アメリカの株式市場に上場されている投資信託の騰勢が描かれています。

 こちらも2022年2月22日時点のものですが、鮮やかな緑色のエリアと深い緑色のエリアがプラス圏にあるETFであるとわかります。

 例えば、鮮やかな緑色のETFとして目立つのがティッカーシンボル:SQQQです。これはインバースETFですが、SQQQの場合、ナスダック指数が下落すると買われるというものです。

 また、深い緑色として目立つのがティッカーシンボル:GLDとティッカーシンボル:TIPです。前者はコモディティー銘柄ですが、金地金と概ね連動するように組成されています。後者はいわゆる物価連動国債ですが、アメリカの物価連動国債が組み入れられているETFです。

 これらを見ただけでもわかるように、マーケットは今、ウクライナ情勢に対し警戒感を持って臨んでいます。

 

 これまでお伝えしたようなことを踏まえ、ポートフォリオをリバランスさせる場合、①金などの鉱物関連ETF、②物価連動国債ETF、③中南米の企業株式といったところは新規で購入した方が良いかもしれません。

 また、従来の右肩上がりの上昇局面で上がってきた株式やセクターについては、仮に保有していた場合、保有数量を減らすといったリバランスが必要になってくるかもしれません。

 そして、原油などのエネルギー資源セクターについては、2022年2月22日時点ではマイナスになっているため、原因を探った後、必要に応じてリバランスするかどうかを判断していくことになるでしょう。

 最後に、それでもなお、投資資金の安全は確保しておきたいという場合は、資金を引き上げ、キャッシュポジションを増やすことも検討の余地はあるように思われます。

 

 このようにして、これまで組んでいたポートフォリオをリバランスし、新たなポートフォリオを組み立てることで資産防衛を図っていきます。

 ここでいうところの資産防衛の意味は、ポートフォリオの利回り低下を抑制することです。つまり、調整局面で被る被害をなるべく抑えることにあります。

 

 投資初心者にありがちな分散投資の勘違い。

 iDeCoの場合、つみたてNISAよりもリバランスしやすいためポートフォリオを上手に組み替えることで長期積立投資を継続しやすくなります。

 一方、つみたてNISAでは、そもそも年間の非課税額が40万円(月額3万3,333円)と低く抑えられており、節税に目が行き過ぎてしまうことから、現実的にはリバランスはほぼ不可能といっても過言ではありません。

 繰り返しになりますが、資産運用や投資で重要なのは分散投資でです。仮に投資初心者が開始当初より安定的に運用したいという目的がある場合、リバランスは必須条件になります。

 にもかかわらず、iDeCoよりもつみたてNISAの方がいいといった風潮が出来上がってしまっているのは何とも不思議で残念な限りです。それだけ分散投資の本質が伝わっていないということなのでしょう。

 iDeCoやつみたてNISAは運用手段ではなく、あくまでも優遇税制です。

 マーケットという大海原で数多の投資家と対峙するのが資産運用の世界です。

 小手先の運用方法で通じないことは自明の理ですが、折角、学びの機会を与えてくれている今のような調整局面だからこそ基本に返り、分散投資とは何かをしっかりと理解し、研究することが大切ではないでしょうか。

 

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