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日経平均株価指数、超長期的に終わりが来ているのか、それとも終わりは近いのか。

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 最近の株式市場は、世界的に、ウクライナ情勢とFRB(米連邦準備理事会)の金融政策の変更が、行ったり来たり、まるでシーソーのような展開が続いています。

 短期的な視点で相場を見るのも面白いんですが、基本に返って大局観をもとにシナリオを見つめ直してみるのも大切なことです。

 そこで今回は、長い目で見たシナリオをこのタイミングで整理しておきたいと思います。

 チャートはTradingViewの提供のもと掲載しております。

 

【シナリオ①】ネガティブ

日経平均株価指数(週足)

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特徴)
 日経平均株価指数の天井を1989年末のバブル最高値とし、歴史的には今後、日経平均株価指数はその天井を上回らないだろうというシナリオです。

 相場のステージとしては「金融相場」と「業績相場」がすでに同時に終了しているという相場観です。

波動)

◦1989年12月の天井(バブル相場の最高値):第Ⅴ波終点

◦2009年2月の底(リーマンショック後の最安値):修正A波終点

◦2021年9月の天井(コロナ相場の最高値):修正B波終点

以降、修正C波進行中(現在の波は修正a波)

ストーリー)

◦世界情勢

 時代背景としては、アメリカの持つ世界に対する軍事的プレゼンスが低下(民主主義VS権威主義)し、新たな大国の興亡(新冷戦)が進展していく。

 ウクライナ情勢を巡る緊張が高まり、紛争が勃発するか、緊張状態がある程度継続することにより、基礎資源(エネルギーや穀物など)を中心に需給がひっ迫する。

◦世界経済・日本経済

 行き過ぎた大規模金融緩和政策の是正(金融引き締め政策への転換)が景気の長期リセッション(長期の景気後退)を引き起こす。

フィボナッチ級数)修正C波候補

◦0.236:25148.80

◦0.382:21679.10

◦0.500:18874.83

◦0.618:16070.55

 

【シナリオ②】ポジティブ

日経平均株価指数(週足)

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特徴)
 日経平均株価指数の天井を1989年末のバブル最高値とし、歴史的には今後、日経平均株価指数はその天井を上回らないだろうというのはシナリオ①と同じだが、コロナショックからの戻り相場が今後もしばらく続き天井を着けた以降、大規模な調整局面に入っていくというシナリオです。

 相場のステージとしては「金融相場」が2021年9月で終わり、現在の調整局面終了後は「業績相場」に移行するという相場観です。

波動)

◦1989年12月の天井(バブル相場の最高値):第Ⅴ波終点

◦2009年2月の底(リーマンショック後の最安値):修正A波終点

2021年9月の天井(コロナ相場の最高値):修正B波途中

◦現在の波:修正B波内

修正B波終了後、修正C波へ移行

ストーリー)

◦世界情勢

 時代背景としては、アメリカの持つ世界に対する軍事的プレゼンスが低下(民主主義VS権威主義)し、新たな大国の興亡(新冷戦)が進展していく。

 ウクライナ情勢が何らかの方向で解決し、欧米とロシアとの間の緊張状態が緩和される。

 新型コロナウィルス感染症が終息を迎える方向で進み、世界的に日常が徐々に戻るにつれ、サプライチェーンの逼迫がもう少し続いた後、回復していく

◦世界経済・日本経済

 ウクライナ情勢の落ち着きにより、極度に高まると予想されたサプライチェーンの逼迫が緩和され、景気後退リスクが一時的に低下する。

 FRBによる政策金利の引き上げが実施されるが、しばらく低い水準で推移するため、米10年物国債利回りの上下動を好調な企業業績が吸収していく。

 しかし、米国の政策金利が実際に2.0%を超える水準に近づくにつれ、リセッション(景気後退)が意識されるようになる。

 結果的に、行き過ぎた大規模金融緩和政策の是正(金融引き締め政策への転換)が景気の長期リセッション(長期の景気後退)を引き起こす。

フィボナッチ級数)修正B波候補

◦1.000:32798.58

 その後は修正C波へ

 

 一応、しばらくは、この2本のシナリオを軸にマーケットを眺めていこうと考えています。

 ポイントは「金融相場」と「業績相場」の関係性です。

 従来なら、金融相場が終了した後は、それまでの上昇を調整する動きとして下降局面、もしくは、揉み合い局面が発生しますが、今回のコロナ相場は特殊であるため、このようなセオリーに歪みが生じている可能性があります。

 つまり、金融相場と業績相場がある程度同時に進んできた結果、終了も同時に訪れているかもしれないという点です。

 セオリー通りの考え方をシナリオ②、イレギュラーな考え方をシナリオ①と両極に捉え、その間、どの程度、シナリオ②寄りか、シナリオ①寄りかを見極めながら投資を行っていくと良いかもしれません。

 

 今回は相場を俯瞰的な視点で見ることを目的に、超長期的なシナリオで大枠をイメージしてみました。

 シナリオ①・②に共通する部分は、コロナ相場が終わった後の衝撃は大きいだろうという点です。

 相場では常ですが、急激に大きく上がったら大きく下がる傾向があります。

 それだけ異常な金融緩和政策を実施しているということですが、天井を着けた後の調整がある程度の期間持続する可能性は想定しておくようにしましょう。

 

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