パウエル議長慌てる!FOMC議事要旨と日経平均株価指数
アメリカ時間4/6に3月に開催されたFOMCの議事要旨が公開されました。
マーケット関係者の間ではかなり注目されていましたが、その内容が明るみに出た後、株式市場は暴落してしまいました。
いつも通り、日経平均株価指数のチャート分析も動画内で行っていますので、ご参考いただければ幸いです。
ここからはブログとして書いていきますが、まぁ、3月のFOMC議事要旨については、マーケットとしてはある程度織り込んでいたんですが、あれほど株式市場が暴落したことを見ると、織り込んでいた風のマーケットに衝撃が走ったことが伺えます。
ハト派といわれるFRB理事のブレ―ナードさんが積極的な利上げについて言及し、これにも株式市場は反応したので、マーケットは余程利上げを恐れていることがわかります。
アメリカの10年物国債利回りが一時的に2.6%台をマークしたのが暴落を誘いましたが、FFレートの中立金利が2.4%と目されているため、10年物国債の利回りが0.2%も上回ってしまうと、怖がってしまうのも無理はないように思います。
個人的には以前から3.0%は超えてくると予測しているため驚いてはいませんが、これが今回の金融引き締めの本当の恐ろしさのように思っています。
それだけインフレ率が高いということですが、コロナ禍からの回復とロシアによるウクライナ侵攻でサプライチェーンがさらに逼迫し、物価の上昇が顕著に表れています。
おそらくですが、問題の解決に金融政策では限界があり、本質的にはこの問題は実体経済における環境の変化にあるため、空中戦としての金融引き締めをしたところで抜本的な問題解決に向かうのは難しいのではないでしょうか。
例えば、FRBがバランスシートの圧縮をして、市中からマネーを引き上げたところで、トラックのドライバー不足が解消されるの?なんて思ってしまいます。また、パウエルさんが本気になって金利をいっぱい上げたところで、プーチン大統領はウクライナを諦めるのかというとそうとも思えません。
この問題の本質は金融の世界にあるのではなく、目の前で起こっている日常にあるわけですから。
〇日経平均株価指数(日足)
※TradingView提供
日経平均株価指数についてチャート分析画像を上げておきます。
一応、これを従来からの予測としてメインシナリオと位置づけていますが、FRBの利上げに対する反応を受けて、今後、いよいよ下落相場が深みを帯びてくると思います。
株式市場の底入れは、おそらく、アメリカの10年物国債利回りがある程度上昇し、反転した辺りで起こると思います。
この意味は、将来の物価下落をマーケットが織り込みだすということです。
株式市場は、実体経済が不況に陥る前に底入れするため、年内の底入れをとりあえず見ています。
今後のポイントは、株式市場が、利上げ後の世界経済を「巡航軌道に戻る過程」と前向きに受け止めれば下落の程度は弱く、逆に「景気後退」と後ろ向きに受け止めれば下落の程度は強まります。
このせめぎ合いの中で株式市場のボラティリティーは高まっていく可能性があるため、ここら辺を注視しながら株式相場の下降局面を乗り切っていくようにしましょう。