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ナスダック急反発! 上昇理由と今後の上値目処は?

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 昨晩の米株式市場は軒並み上昇、NYダウも、S&P500も、ナスダックも全て急反発を遂げました。

 個人的には株式市場に悲観の声がそれほど生まれていないように感じるため、この戻りは一時的なものと考えていますが、今回は、なぜ上がったのか、そして、今後上げるなら上値の目処についてナスダックを中心に見ていきたいと思います。

 

〇ナスダック総合(日足)

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※TradingView提供

 

 チャートはナスダック総合の日足です。

 2021年11月をピークに下降トレンドを描いているのがわかります。

 終値ベースではピークから最下値までの下落率が約21.0%となっており、ローソク足ベースでのフィボナッチ・リトレースメントでは下値の水準が0.382に到達しているため、いったん戻りがあってもおかしくない水準とはいえます。

 

 さて、昨晩、ナスダック総合指数は前日比367.40高の12948.62で取引を終えました。前日比2.92%の上昇です。

 それなりに大きな上昇といえますが、この理由は、起点としてはアメリカで発表された2月のPPI(Producer Price Index:卸売物価指数)のように思います。

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※世界の株価と日経平均先物

 

 前年同月比で10.0%に上昇、前回が9.7%だったので0.3%の上昇です。予想値も10.0%だったので予想と同じ結果になりました。

 ポイントは前月比です。

 2月のPPIは前月比0.8%上昇となりましたが、前回は1.0%の上昇と伸びが鈍化しています。

 これはどういう意味かというと、インフレのペースが少し鈍くなってきていることを表しています。

 コアPPIを見ても、前年同月比、前月比ともに予想値よりも低い値になっているため、原油価格や穀物価格を除いたとしてもインフレ圧力が和らいでいることから、マーケットはインフレ懸念が少し後退したと判断しました。

 実際、WTI原油は1バレル=95ドルと100ドルを下回っており、これも株式市場にとっては追い風になりました。

 

 さぁ、インフレ懸念が若干和らいだとすれば、いよいよFRB(The Federal Reserve Board:連邦準備理事会)の利上げがどうなるかです。

 ほぼ高い確率でFRBは0.25%への利上げを実施するとマーケットは判断していますが、この利上げがインフレが緩和されていく中でゆっくりとしたペースで起こるだろうとの思惑から株式市場にとってはプラスに働き、株価の上昇につながりました。

 裏を返すと、FRBタカ派的な利上げ、つまり、急激な利上げはしないだろうとの予想が固まり、株式市場に安心感が広がったということです。

 

 「それじゃあ、ここから上がるの?」と思うかもしれませんが、正直「ん~」といったところです。

 なぜならば、ウクライナ情勢が終わっていないこと、ロシアに対する金融・経済制裁がこれからも続くだろうこと、インフレがこれで終息するとは思えないこと、そして新たに中国の深センでコロナが広がりロックダウンしたことで中国の株式市場が軒並み急落していることなどをあげると、一筋縄ではいかないと見ています。

 それでは、とりあえず、上値の目処がどこにあるかを探る必要がありますが、大雑把にいうと、チャートにある50日単純移動平均線と200日単純移動平均線が意識されると思います。

 現時点での値としては、

50日単純移動平均線:13984.50

200日単純移動平均線:14720.66

といったところは注目されるでしょう。

 他にも上値水準は存在しますが、13300付近、13500付近は目先意識されやすい水準といえるかもしれません。

 

 今回は、朝一でパパっと文章を書いているので、多少雑かもしれませんが、この辺で。

 

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