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月足のS&P500は、MACDにデッドクロスが発生しているので、長期的には下降トレンド?

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 今回は、みんな大好きS&P500なんですけど、S&P500をベンチマークにしているETF(Exchange Traded Funds:上場投資信託)としては「VOO」、「SPY」、「RSP」、「IVV」なんかが有名かもしれません。

 iDeCoやつみたてNISAなどを利用し、S&P500に連動している一般的な投資信託を選んでいる方も多いような気がしますので、今回はS&P500の考察回として長期的な視点から展望してみたいと思います。

 

〇S&P500(月足)

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※TradingView提供

 

 チャート面はS&P500の月足です。長期的に眺めるため月足チャートを見ていきます。

 ポイントは次のとおりです。

◦コロナ相場の天井がS&P500の歴史的なピークであると仮定している

◦この仮定のもと波動を捉えると、チャート面のようになる

◦特に衝撃Ⅴ波により、歴史的な上昇相場は終わったと仮定している

◦現在の調整局面はその戻り相場に位置している

MACDではMACDMACDシグナルが高い水準でデッドクロスした

◦このデッドクロスにより、長期下降トレンドに入っていると捉えることができる

 まぁ、テクニカル的にはこんなところです。

 やはりMACDデッドクロスの位置が気になりますよね。

 歴史的に高い水準でデッドクロスしてしまっているため、その下のサポートを意識するとS&P500はコロナ前の水準にまで戻るように見えてしまいます。

 一応、これについては念頭に入れておくようにします。

 

 さて、今度は週足チャートで中期的なトレンドを眺めてみましょう。

 

〇S&P500(週足)

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※TradingView提供

 

 波形取りは先ほどの月足チャートと同じです。

 ここで確認してほしいのはMACDですが、トレンドは下方向ですね。つまり、下降トレンドを描いていることです。

 MACDの位置は0.00を少し下回ったところにありますが、その下の水準となると、前回の利上げ局面やチャイナショックの頃、そしてコロナショックの3時点が意識されます。

 仮にコロナショックのときのMACD水準にまで戻るかもしれないとすると、やはりS&P500はコロナ前の水準に戻ってもおかしくないと言えてしまいます。

 フィボナッチ・リトレースメントでいうと0.5、つまり、ここではコロナ相場の上昇幅からの半値戻し水準が妥当な線と見ることもできます。

 

 それでは最後に日足チャートで短期的なトレンドを見てみましょう。

 

〇S&P500(日足)

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※TradingView提供

 

 日足はローソク足にすると見にくくなるのでラインチャートに切り替えました。

 波形取りは月足、週足ともに同じです。

 日足レベルでは、S&P500は目先もう少し下げてから一瞬反発しそうですね。

 でも、紫色の50SMA(Simple Moving Average:単純移動平均線)と紺色の200SMAがちょうどデッドクロスしちゃっているため、中・長期的な下降トレンドの中で短期的な波が移り変わっていくと見ていく必要があるでしょう。

 このため、短期的にいったん反発したとしても、せいぜい4,500ポイントまでの戻りであろうと推察することができます。

 実際はどうなるかわからないですけどね。あくまでもテクニカル的にはそう見えるという意味です。

 で、一定の水準で頭打ちになってまた下落って感じではないでしょうか。

 MACDも、もう少し下がってまた上がってもおかしくないと思います。ただ、下振れする余地は十分あります。

 特に長期的にMACDを見ると逆ダイバージェンスが発生してきた中での今の調整局面であるため、この状態を解消するのに深さと時間がかかるような気がしています。

 これは技術的な話なのでよくわからないと思われるかもしれませんが、そんなふうに見えるということです。

 フィボナッチ・リトレースメントを見ると、赤色の1000SMAが0.5(半値戻し)の水準と近いため、コロナ前の水準に戻ってもなんらおかしさは感じ得ません。

 

 ということで、総括すると、

◦長期的には下降トレンド

◦中期的にも下降トレンド

◦短期的にはもう少し下がってからいったん値を戻すものの、再度下落

のようにまとめることができます。

 結局、コロナからの回復過程で起こった高インフレをFRBが上手く退治できずに放置してきた結果、そこにロシアのウクライナ侵攻が加わってきたことで、さらにインフレがひどくなってくるわけなので、行く行くはリセッション(景気後退)が訪れるといったところなのかもしれません。

 現状のチャート面で見ると、たぶんですけど、今年よりも来年なんでしょうね、ひどいのは。

 金融・経済制裁の影響が世界経済にかなり広がってくるってことなんでしょうね。

 

 ということで、今回はこの辺で。

 

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