FP OFFICE 海援隊|1970年以降生まれの「ライフ&マネー塾」

これからの時代、変わりゆく常識を少しだけ早くキャッチし、人生に活かしてみる。

S&P500 シナリオ1(ジグザグ波)|シナリオ2(フラット波)

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 試行錯誤を重ねながらVlogと同時配信をしているこのブログ、ようやく動画のデザインや他のテンプレートがまとまってきました。

 今後も、微修正をかけていきますが、とりあえず今回はこんな感じで。

 それでは、チャート分析、行ってみましょう。今回はS&P500です。

 


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 私の場合、投資理論は昔から「エリオット波動理論」を愛用しています。これに他のインジケーターを重ね合わせ、もちろんファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)や国際情勢も含め、投資を行っていくスタイルです。

 人それぞれ、投資手法は異なるため、これがいいとか、これじゃなきゃだめとか、そういうものはないので、自分に合った投資スタイルを確立していってくださいね。

 

 ちなみにエリオット波動理論の書籍は動画にも画像で紹介していますが、『株式・債券・為替分析のためのエリオット波動原理』(東洋経済新聞社)を原点に学びました。

 1990年の出版なのでかなり古いんですが、この本は原本を翻訳したものです。20数年前に買おうとした時は絶版になっていたため、神田の神保町にある古本屋を探し歩き、ようやく見つけて手に入れたことを覚えています。

 それがアマゾンで売られているので、正直、驚きました。

 他にもエリオット波動理論に関連する書籍は多く売られているので、興味のある方は1冊手元に置いておくと、いわゆる「波動」についてマスターできるため参考になるのではないでしょうか。

 

 さて、S&P500のチャート分析に話を移します。

 今回はシナリオを(1)・(2)と2つ用意しています。

 エリオット波動理論における波動用語を使っていたり、インジケーターの名称を使用しているので、投資初心者にとっては難解に思うと思います。

 そんな方はチャート面で方向感だけイメージしてもらって、投資に興味を持てるようになったら自分なりに知識や技術を磨いていっていただければと思います。

 

 それでは、まずシナリオ(1)を見ていきましょう。

 

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 パッとこの画面を見せられても、すぐになるほどと思える方はおそらくほとんどいないと思います。

 なので、わからない場合は飛ばしてもらって次のチャート面で確認してみてください。

 

〇S&P500(日足)

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※TradingView提供

 

 シナリオ(1)のポイントは次のとおりです。

波動)

◦2022年1月高値が長く続いた上昇相場の終着点である。

◦その後の波は「ジグザグ波」と呼ばれる修正(調整)波であると想定。

◦現在の波はB波後のC波であろう。

 このように、チャートを見る時は波の動き=波動を捉えることから始めます。

 波動の捉え方にはいくつかルールや法則、パターンなどがあり、それらをまとめたものが先ほどの「エリオット波動理論」です。

 波の動きを捉えると、要するにシナリオ(1)では、今後、深い下降局面に突入していくことが示唆されています。

 最終的な下げのメドはどこら辺なのかというと、チャート面にあるグレーの帯辺りであろうと考えることができます。

3941.02付近(ジグザグ波終点)

3815.20付近(長期フィボナッチ・リトレースメント0.382水準)

 2022年2/24につけた直近の安値水準である4114.65がその前に大きく立ちはだかりますが、シナリオ(1)では「ジグザグ波」を想定しているため、この水準は割り込んでくるかもしれません。

 

 次にシナリオ(2)を見ていきましょう。

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 これもわからなければ飛ばしてくださいね。

 

〇S&P500(日足)

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※TradingView提供

 

 シナリオ(1)は「ジグザグ波」という修正波動を前提に考えていますが、シナリオ(2)では同じ修正波動の1つである「フラット波」を想定しています。

 特徴は次のとおりです。

波動)

◦2022年1月高値が長く続いた上昇相場の終着点である。

◦その後の波は「フラット波」と呼ばれる修正(調整)波であると想定。

◦現在の波はB波であろう。

◦B波後はC波に移行していくであろう。

 シナリオ(2)では「フラット波」で考えているため、「ジグザグ波」と違い、①直近ではもう少し上昇する、②上昇後、天井を着けると下落するが、その程度はシナリオ(1)よりも浅いことがポイントです。

 最終的な下値のメドは、「ジグザグ波」を前提にしているシナリオ(1)よりも浅くなることを想定しています。

4114.65(2022年2/24安値)付近

 シナリオ(2)における相場の流れは、おおよそ、直近では少し下げた後、上昇し、それ以降、大きく値を下げていくといったイメージです。

 

 シナリオ(1)、(2)の共通点は、つまるところ、中・長期的には下降局面の中にあることです。

 3月のFOMC後にS&P500は力強い上昇を見せましたが、これはいわゆる「騙し」で、次に来る下降局面のお膳立てといったイメージで捉えています。

 他のテクニカル面については、今回は言及しませんが、相場の背景にある大枠としては「サプライチェーンの逼迫」による「インフレ高進」が最大の問題であるため、ここに改善の兆しが見えるまではやはりマーケットの受け止め方は弱いものになるように思います。

 アメリカ経済において「リセッション(景気後退)」が来るかどうかが話題になっていますが、個人的にはおそらく来るだろうと考えています。

 アメリカの場合、「リセッション(景気後退)」の定義は次のようになっています。

GDPが2四半期連続でマイナス成長に陥った場合

 GDP国内総生産ですが、四半期ごとの成長率が2回連続してマイナスになると、いわゆる「リセッション(景気後退)入り」と判定されます。

 

〇米GDP成長率

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※Trading Economics

 過去を振り返るとGDPの成長率が0.00%を下回ることは間々あるので、特にインフレ高進の長期化がアメリカ経済に与える影響を考えると、「リセッション(景気後退)」入りを頭の片隅に置きながらマーケットと対峙していく方が賢明のように思われます。

 もう1つは、やはりウクライナ情勢ですよね。

 ロシアに対する金融政策が強化され、また長期化する可能性が高いため、この影響が長期的に続く可能性は見ておく必要はあるでしょう。

 インフレ退治がFRBの直面する目下の課題であるため、FRBは今後、さらに金利を引き上げていくことになります。

 この水準が高く、そして、利上げのスピードが速まる可能性が高いことから、シナリオ(1)・(2)では、S&P500の下降局面を先ほどのチャート面として描きました。

インフレ退治➡利上げ

 S&P500は、グロース株も多く組み込まれているため、利上げ局面ではどうしても下げる可能性は高まってしまいます。

 この一連の流れが終息することを願いますが、裏を返すと、このことは次に向けての好機と捉えることもできます。

 

 相場の先は誰にもわかりません。

 でも、これを考えることが投資スキルの上達には不可欠でもあります。

 本当に上達したいと思うなら、良く学び、良く実践するしか道はないため、少しでもお役立ちになればと思います。

 

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