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なんか変だよ、日経平均株価指数。中規模調整局面の終わる先は?

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 先週末から週明けにかけて、今日も含めてですが、日経平均株価指数は重い値動きをしています。

 今日、日経平均株価指数は終値で28405.52円をつけ、前日比で▲590.40円と節目である28822.22円を完全に下回りました。

 これをもってようやく正式に中規模調整が確認できましたが、これが今後、どのような波形を作っていくのかについて少し考えていきたいと思います。

 

 改めて日経平均株価指数のチャートを見ていきましょう。

日経平均株価指数(日足)

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 今日の動きで日経平均株価指数は、一目均衡表においては終値で下方向にほんの少しだけ雲抜けし、あわや下降トレンドに入ったかというところにまで到達しました。

 50日移動平均線(薄紫)をしっかりと抜け、下値では100日移動平均線(紫)が27587.22円に位置しています。

 

 さて、これが下値の目標値かどうかはトレンドをつかむ必要があるため、これについて確認してみましょう。

日経平均株価指数(日足)

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 まずMACDですが、今日の下落でデッドクロスとなり下降トレンドを描き出している可能性があるようです。

 また、RSIにおいては40.0を下回り、もう少しで下値をつける可能性が見て取れます。

 そして、ボリンジャーバンドでは、変動幅の下限に達しました。

 これらを総合的に見ると、おそらく、今週は比較的下がりやすく、そろそろ目先の下値をつけることが予想されます。

 上のチャートは日足レベルでの話ですが、時間足でも下降トレンドとなっており、明日、明後日はまだ弱い動きかもしれません。

 週足ではやはり下降トレンドを描き出しており、1か月程度は売りが優勢になるだろうと考えられます。

 イメージ的にはいったん売り圧力がかかるが、その後再び買い戻されるという形です。

 月足においてはもう少し上昇トレンドが続く余地が残されているため、週足との絡みで考えると、1か月程度、日経平均株価指数は弱い動きを示しやすいが、その後は再び上がる可能性があると見て取れます。

 しかし、その後は天井をつける可能性があるため、日経平均株価指数の動き自体はあからさまな右肩上がりになることは少し考えにくい動きとなっています。

 

 日経平均株価指数がこのような動きを示している理由は、例えば、ナスダックやNYダウなど米国の株式市場が弱いことが考えられますが、厳密にいうと、アメリカの10年物国債利回り長期金利)が下げているにもかかわらず、特にナスダックの戻りが弱いことには違和感を感じます。

 また、先日の日銀の3月点検の結果を受けて、日経平均株価指数からTOPIX東証株価指数)にマネーがシフトしていると考えたとしても、そこまで強い影響が出ているとはいえない下げ方ではあります。
 さらに、ヨーロッパで新型コロナウィルスの感染者数が増え、ドイツやフランスで再びロックダウンが実施されるという報道が今日ありましたが、これまでの新型コロナウィルス関連の影響と比べると、そこまで強いものかと疑わしいくも思います。

 

 個人的には、ここ数日、中国の株式市場が大幅に下落していることに着目していますが、例えば、上海コンポジットを見てみると、1カ月間で約10%程度下落していることがわかります。

 これはナスダックと比べると少し遅れた動きに見えますが、チャートで現状を確認してみましょう。

〇上海コンポジット(日足)

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 チャートを見ると、MACDゴールデンクロスせず跳ね返されていること、RSIが40.0近辺に位置していますが、まだ下方向を目指していること、ボリンジャーバンドが変動幅の下限に達していないことを重ね合わせると、もうしばらく下降トレンドが続く気配です。

 中国の株式市場はすでにトレンド転換しているわけですが、その背景に不動産市場の悪化が語られています。

 また、米中の外交問題もあるかもしれませんが、見方としてはそこまで経済に深く影響を及ぼすところまでは行かないだろうという指摘があり、この材料についてはまだ不透明といえるでしょう。

 

 アメリカの株式市場では、長期金利が下がっているにもかかわらず、ナスダックの戻りが鈍い点、NYダウがトレンド転換し、TOPIX東証株価指数)もトレンド転換していることを考えると、金利相場ではなく、実勢相場に移行し、コロナ禍による実体経済の状況に注目がいっているとも考えられます。

 また、年度末ということもあり、利益確定の売りが入りやすく、テクニカル的にはこれまで上昇していた株価に割高感が出ているため、その調整が一気に起こっている最中と見ておく必要があるでしょう。

 

 問題は、これからこの調整がどのような波形を描くのかと下げ止まりの目処です。

 これらについて改めて日経平均株価指数を見てみましょう。

日経平均株価指数(日足)

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 エリオット波動理論での波形取りをしてみると、おおむね、上のチャートのようになるかもしれません。

 日経平均株価指数は2月26日をもって中規模調整局面に入っており、この調整がひとまず終わると再び上昇トレンドに移行するというシナリオです。

 振り返ってみれば、30,000円をめぐる攻防戦は今のところ敗北、初めは突き抜けましたがすぐに下落した後、再度試すも跳ね返され、この結果、このような調整になっています。

 今のところ、日経平均株価指数は、月足レベル以外で下降トレンドを描いており、この調整が終わるまではなかなか上昇基調に乗れないだろうと判断しています。

 下げの目処はおおむね28,000を切る水準。

 この水準は大きな節目にもなっており、またフィボナッチ級数では0.382の値であるため、途中、軽く反発することはあると思いますが、上値が重い展開が4月の中旬ぐらいまで長引くかもしれません。

 

 ん~、それにしても、なんだか変な動きをしてるんですよね。

 直近では国債が買われ、金も買われている動きを見ると、リスクオフの流れになってはいます。

 原油先物も一時と比べると下降トレンド気味ではあるので、これも含めると、実体経済に関する何らかのマイナス要素に反応している気がします。

 中国経済か、トルコリラか、コロナ禍か。

 バイデン政権が新たに330兆円の公共投資をする公算が出てきたというニュースにはまだ反応していません。

 単純に持ち高調整のような気もしますが、VIX指数(恐怖指数)が急騰せず、低い水準で維持されていることを考えると、やはり整合性が取りにくい感じです。

 ということで、おそらく、NYダウとTOPIXの戻り待ち、ここが次の反発のポイントになろうかと思います。

 

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