一応、今からつみたてNISAを始めようと思っている人向けに、日経平均株価指数について分析しておきます。正直言うと、いきなり大損して心折れると思いますけど。
日経平均株価指数、爆上げ中ですが、もうそろそろ、いったん下げそうですね。
プチ調整局面に入ると思います。
といっても、ちょっと下がるぐらいですが、これがないと年内の上昇トレンドが成立しなくなるので必要条件といえます。
チャート、ちゃんと見てますか?
今、自分がどこにいるか、それを確認しながら運用を行っていくことはとても大切です。
iDeCoとか、つみたてNISAとか、それらを活用し、投資信託で運用してみようと思う人が増えているようですが、実をいうと、今はかなりの高値圏に位置しています。
リーマンショック後の底値から上昇相場が続いていますが、その間、2018年の初めにアベノミクス相場が終わり、しばらく調整局面に入っていました。
そこに新型コロナウィルス感染症に伴う景気の悪化が加わり、実体経済はすこぶる悪い状況にもかかわらず、日経平均株価指数は戻り相場を演出しています。
リーマンショックの後に投資信託を購入し運用を始めた人たちが一番儲かっていますが、逆に2018年初頭に投資信託を買い始めた人たちはしばらく評価額がマイナスだったと思います。
そして、アメリカ大統領選挙の結果が判明するかどうかという今の時期につみたてNISAを始める人は、これからどうなるのでしょうか。
長期的に日経平均株価指数が上昇トレンドを描くのか、それとも、結果的にほとんど横ばいで推移して終わるのか、また、下降トレンドを描くことで評価額が徐々に下がり、20年を迎えてしまうのか・・・。
金融機関を始めとして、国もそうですが、初心者向けに「長期」・「積立」・「分散」投資を推奨しています。
資産運用の目的が老後資金の準備なので、そのような運用スタンスが推奨されているわけですが、日経平均株価指数が右肩上がりならいいですけど、横ばいや右肩下がりになる場合、資産運用してもあんまり意味がなかった、もしくは、やらなければよかったということにもなりかねないので、今から始める人はその辺は注意しておく必要があります。
推奨されている長期積立投資は、つみたてNISAを活用する場合、非課税制度に目がいってしまうため機動的な運用をすることが難しくなる可能性があります。
本来、資産運用は相場の状況に合わせて臨機応変に判断し、対応していく必要があるため、つみたてNISAで投資信託を運用する場合、最低でも年に1回、運用方法をチェック・見直ししていくことが必要と言えるでしょう。
そこら辺のことがわかっている経験値の高い投資家の人たちはわざわざ面倒で手のかかるつみたてNISAをやろうとはあまり思わないでしょうけど、初心者の人たちに向けてそれが推奨されてしまっているため、これからも日経平均株価指数が右肩上がりで推移してくれることを願っています。
さて、日経平均株価指数ですが、今後の動きがどうなるかについて、次のシナリオのように考えています。
○日経平均株価指数(ポジティブシナリオ:メインシナリオ)
一応、つみたてNISAをこれから始めようという人向けに、気休めかもしれませんが、チャート分析を行うと、年内、12月の上旬、もしくは、中旬手前ぐらいで大きめのトレンド転換が入ると思います。
いわゆる大規模調整です。
それが終わると、再び、力強い上昇トレンドを描き出すと考えていますが、それが何年続くかは未知数です。
10年ぐらい続くかなぁとは思っていますが、国際情勢が大きく揺れていく可能性が高いため、予測は困難といえます。
つみたてNISAは、基本的にドルコスト平均法で積立投資を行っていくため、どうしても右肩上がりで相場が上昇し続けてくれなければ成立しない買付方法です。
このため、本当に気休めで申し訳ありませんが、右肩上がりで相場が上昇していく場合、その最たる原因は、
①リーマンショック後を大幅に凌ぐ「超大規模金融緩和政策」の継続
②次期アメリカ大統領がバイデンになる
③SDGs(持続可能な開発目標)投資に巨額のマネーが向かう
の3つを当て込んでおきましょう。
日経平均株価指数で見ているのに、直接的に日本の実体経済のことは出てないんですね。
それでも、日経平均株価指数が右肩上がりになる条件は、そんな感じだろうと考えられます。
あくまでも気休めですよ?
本当にそうなるかどうかはわからないので。
相場の転換点にあるときにつみたてNISAで自分の手足を縛ってはいけないんですけど、周りの人たちがそう言うから、銀行や証券会社など金融機関の人に勧められたからという理由で始めるという場合、細かい理屈はわからなくても、先ほどの3つの理由だけでいいので頭の中に入れておいてください。
何もわからないまま逆に行ったら、失敗した理由すらわからず仕舞いで終わってしまいますから。
資産運用で大切なことのひとつに、
なぜ、損をしたかを考えること
というのがあります。
利益が出ることは投資家にとって良いことであるため、ぶっちゃけ考える必要はありません。
でも、損失が出たときに、なぜ、損失が出たかを自分なりに考えておかないと、特に長期投資では、その後の大きな失敗の原因にもなります。
○日経平均株価指数(ポジティブシナリオ:メインシナリオ)
日経平均株価指数に話を戻しますが、目先、もうそろそろプチ調整局面に入るでしょう。
上値抵抗線(ピンク色・紫色の線)での攻防戦が行われていますが、直近で突破できなければ、ちょびっとだけ下げると思います。
来週中に下げ止まり、その後は再び上昇トレンドに戻っていくと考えられますが、最終的に12月上旬か、中旬手前ぐらいで利益確定の売りが入り、相場はトレンド転換入りしていくでしょう。
なので、つみたてNISAを今始めた場合、このシナリオでは来年の7月ぐらいにかけていきなり大損状態が予測されるため、その後の長期上昇トレンドを期待するなら今からスタートしても良し、逆に、来年の夏ぐらいの下げ止まりを待って始めるのも良しといったところでしょうか。
残念ですけど、つみたてNISAでの運用はどうしても機動性が乏しくなるので、いくらチャート分析を行い、シナリオを描いてみても、臨機応変にポジション変更ができないため、アドバイスの意味があんまりないんですよね。
ということで、直近のリスク要因は、アメリカ大統領選挙の結果の判明がもつれにもつれてマーケットが嫌気を起こす、また、上院が共和党勝利となるとねじれ国会が解消されないため、予算成立が遅れるといったところでしょう。
その間、国際情勢は不安定になりやすいため、またコロナの第3波もあるため、目先、この影響が日経平均株価指数にどう作用するかについては注視していきましょう。