FP OFFICE 海援隊|1970年以降生まれの「ライフ&マネー塾」

これからの時代、変わりゆく常識を少しだけ早くキャッチし、人生に活かしてみる。

資産運用は、まず損より始めよ。

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 今回は「資産運用は、まず損より始めよ」です。

 こんなふうに言っちゃうと、「何を言ってるんだこの人は!」とお叱りを受けるかもしれませんが、意味としては、資産運用の初心者にとって、初めに損した経験を持っておいた方が、その後の成長につながりやすくなるということです。

 ここ近年、特に、いわゆるコロナ相場で、資産運用やら、株式投資やらが異様に脚光を浴びています。

 なんだかなぁ、この風潮と、個人的には感じていましたが、一方で、異常なまでに多くの人が関心を持つようになっていることを考えると、そろそろ終わりかとも思っていました。

 そんな中、「FIREしたいです!」、「テンバガーになりたいです!」、「だから、資産運用について教えてください!」という依頼がありました。

 ずっと断り続けてたんですが、その理由は、今頃になって流行りに乗って始める人って、つまるところ、戦略眼とか、深い洞察力とか、そういうのがおそらく欠けているはずと思い、のらりくらりとかわしていました。

 でも、しつこかったというか、何も知らずに向かってくるのが健気な姿に見えてしまい、「真剣に学ぶ姿勢があるなら」という条件付きで個別指導に応じることにしました。

 

 第1回目の講義内容は「幸せとは何か」です。

 第2回目は「人生における戦略論」、その後、福沢諭吉の「学問ノススメ」を読んでくださいとし、第3回目で「資産運用に必要な学問領域の概要」についてお伝えしました。

 第4回目の講義では、実践に必要な知識として「世界情勢」、第5回目は「世界経済・日本経済」、第6回目は「ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)」、第7回目は「テクニカル分析」、第8回目は「分散投資」、第9回目は「銘柄選び」、第10回目は「売買手法」・・・と、もうかれこれ半年以上やってます。

 この間、本人なりに株式などを購入しており、実践しながら講義を受けているというのが現状です。

 

 そこで思ったのが、資産運用や株式投資について知らなさすぎとうことです。

 むしろ、メディアやSNSなどに煽られて流行に乗ろうとするのには長けているが、自分で考えて、どのように答えを導き出せば良いか、どのように行動すべきかについての思考法が身に付いていない人がおそらく多いんだろうと感じるに至りました。

 要は、講義でもやったんですが、「本質的思考」が苦手な人が多いような気がして、そういう人たちが資産運用をやるとなると、導き出される答えとしては、国の税制としてのiDeCoとか、つみたてNISAになってしまうのは致し方ないと納得しました。

 これって、実をいうと、投資初心者にとってはすごく馬鹿にされてるってことなんです。

 何も知らないのを逆手に取って、「老後の年金、不安でしょ? 税金を優遇してあげるから、何も考えずにiDeCoとつみたてNISAでもやっとけ」と言われているのに等しいので。

 別の表現をすると、「考える力がないんだから、言われるとおりにしておけ、庶民ども」みたいな感じです。

 

 良くない、良くない。

 金融業界もこぞって、国の政策に同意し、是非我が社で口座を開設してくださいと激しい顧客獲得競争を繰り広げ、また、我こそはとインターネットの世界では投資系YouTuberで溢れかえっている始末です。

 もちろん、良心的な金融機関もあれば、善意で投資家を育成しようと頑張っている投資系YouTuberもいるので何とも言えませんが・・・。

 

 資産運用や株式投資の初めの入り口は、とりあえずやってみること。

 何もわからず、それでもいいから飛び込んでみることが大事とよく言われますが、それはとても大切なことで、なぜならば、資産運用の本質が実践にあるからです。

 その中で、座学で理屈を理解し、実践でいろいろと試しながら経験値を上げていく。

 この方法がおそらく、上達への一番の早道になるように思いますが、もうひとつ重要なこととして、個人的には、最初の一戦で負けることを経験することを挙げています。

 これは、わざと負けるという意味ではなく、例えば、今のような調整局面で損失を被っておくことで、「なぜ、損したか」を考えるようになり、そこから深く考える思考力が身に付くようになるからです。

 コロナ相場でぽっと出で、儲かった、ラッキー程度にしか思っていない人は多いはずで、そういう人たちは、一言でいえば、無学、無成長のまま、今の調整局面を迎えている可能性が高いわけですが、そういう人たちに限って、「長期・分散・積立投資」の本質的な意味というか、長所・短所を理解せず、言われるがままに投資をしてドツボに嵌っていくような気がします。

 損をしたという苦い経験は、その後の成長の大きな糧になりますが、損失を出した経験がなく投資を継続していると、結局のところ、その人は初心者のままで、投資家としてはほぼ成長していないという、実に中身のない結果に終わっていく可能性が高いわけです。

 

 金融相場が終わり、業績相場に移行するまでの間の調整局面が今であるとするならば、調整局面でどう振舞うべきかは、よく学んでいれば自ずと答えが出てきます。

 一方で、金融相場と業績相場が同時進行していると仮定するならば、今の調整局面は大きくなる可能性が高いかもしれないと判断し、よく学んでいれば、それなりの対応策を考えることもできるでしょう。

 しかし、闇雲に「長期・分散・積立投資」を、まるで一神教の信者の如く信じてしまっている人が多い現状を見るにつけ、この人たちの投資目的が老後の資金準備だとするならば、10年後、20年後、30年後に退職を迎える場合、どんなふうに出口戦略を考えているんだろうということがとても気になる今日この頃です。

 

 失敗を経験するからこそ、学び、そして強くなれる。

 資産運用は人生と同じで、将来に向かって、今、何をすべきかを自らに問い聞かせてくれる良い機会といえます。

 1970年以降生まれの「ライフ&マネー塾」では、今後は、以前と違い、少し厳しめというか、より本質的な内容に迫っていきたく考えていますが、その目的は「自分で考え、行動する」ことにあります。

 誰かの言いなりになる人生ではなく、自分でできるところまでは自分の人生を切り開いていける本質的な思考力を研ぎ澄ますために、今後もブログを継続していきたいと思っています。

 

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