日経平均株価指数。直近のシナリオと相場転換後の次の仕込み。
昨晩から欧州の株式市場、米国の株式市場ともに株価が反転下落しました。日経平均株価指数もこの動きに連動し現時点で反落しています。
直接的な原因は原油価格がまた高値を目指しているからといえますが、それよりもむしろ、ウクライナ情勢の進展がなかなか見込めないことに加え、昨晩発表されたアメリカにおける2月の新築住宅販売件数が予想以上の大幅な落ち込みを見せたからのように思います。
今回は直近のシナリオとして、日経平均株価指数が今後、どのように動いていくかについて考察していきたいと思います。
〇日経平均株価指数(日足)
※TradingView提供
日経平均株価指数は3/8(火)の下値からおおよそ14%程度上昇してきました。テクニカル的には今日ここに及んで反落しているのはこれが原因です。
ちょっと覚えておいて欲しいんですが、相場が急上昇、または急降下をする場合、概ね10.0%程度変動すると、投資家心理としては「もうそろそろいったん手仕舞おう」という気持ちになりやすくなります。
今回の日経平均株価指数の場合、10.0%を超えて上昇してきていたため、利益確定の売りが入りやすくなっている状況です。
さらに、日経平均株価指数の今の水準は、昨年の9月から今年の3月までの下落に対する半値戻し(フィボナッチ・リトレースメントでは0.5)水準に近いため、投資家の売りが入りやすいタイミングになっているといえます。
また、上のチャートには描いていませんが、ボリンジャーバンドが昨日、2σラインにタッチしたので、いったん利食っておこうという心理も働きます。ただ、一目均衡表を見ると雲抜けしそうな勢いではあるので、投資家は気持ちとしては疑いを持ちながらもまだ上を向いています。
細かいことはさておき、日経平均株価指数が50日移動平均線を大きく抜けた安心感と100日移動平均線を抜け、200日移動平均線が視野に入ったタイミングで反落しているため、いったん持ち高調整が入りやすくなっているという解釈でテクニカル的には十分でしょう。
個人的には年度末のドレッシング買い(お化粧買い)がもう少し続くと考えているので、このタイミングで大きな反落にはなりにくいように思います。
しかし、この見せかけの、奇麗に見せるためだけのお化粧買いはもう間もなく終わるため、日経平均株価指数はもう少し上げたら「そろそろこの辺で」と一気に売りが入れられる可能性が高いと見ています。
3/8(火)以降の上昇相場は、機関投資家が後追いで参戦してきているため、これらが抜けてしまうと一気に急反落していくことが考えられます。
そのきっかけがお化粧買いの終わりであるならば、時期的にしょうがないよねということになります。
それが先ほどあげたチャートシナリオです。
一方、別のシナリオも用意しています。今回は掲載していませんが、日経平均株価指数が直近で小幅上昇し、その後、反落した場合のその後の姿です。
先ほどのチャートシナリオでは、その反落が急激、かつ、大きいと想定していますが、別シナリオでは、反落はせいぜい27,000円から26000円程度で収まり、その後、さらに上値を追いに行くというシナリオです。
強気シナリオというわけではありませんが、アメリカの政策金利であるFFレートが依然としてゼロ金利に近いことから、それを背景として短期的に日経平均株価指数が上がっていくという見立てです。
この場合、巷では「日経平均株価指数、30,000円も視野に!」といった期待が膨らむかもしれませんが、もちろんそこまでは行かず、せいぜい行ったとしても29,000円水準で急降下を描いていく可能性を追うことになります。
ただし、このシナリオが成立する条件として、例えば、ウクライナ情勢に進展が見込める、良い数字の経済指標がそれなりに出てくるなどが必要になってきますが、まぁ、非常に高い水準にある物価が、たとえリセッション(景気後退)を引き起こさないとしても、景気の減速を高い確率で引き起こす可能性があるため、このシナリオでは日経平均株価指数がどこまで駆け上がれるかが注目になります。
さぁ、今の日米における株式市場の注目点は、テクニカル面では50日移動平均線と200日移動平均線を巡り投資家心理がどう傾くかです。
今のところ「やべ~」という雰囲気にはなっていないところを見ると、直近では反落はすぐに止み、その後、小幅上昇していくように思います。
ただ、そこからが本番です。決して小さくはない規模で反落する可能性があるため、この程度を決定づけるものが何か、おそらく原油価格が1バレル=120ドルを目指すことのように思いますが、こうなった時に再びリセッション(景気後退)懸念が株式市場では話題の中心となり、株価の下落劇が起こるような気がします。
すでに昨日、「1458:楽天ETF 日経レバレッジ指数連動型」という日経平均先物に連動するETFを売りました。また、米国株式市場で買っていた「SPXL:Direxion Daily S&P 500 Bull 3X Shares」というETFも売却しました。
平均で10.0%程度の利回りが取れたため深追いせずに手仕舞ったわけですが、さて、次はどうするか。
原油や穀物、金などのコモディティー系はCup With Handleを描いていそうなので中期投資としてこれもありかなと考えています。
ただ、本当にそうか?という疑問もあるので、今後、精査しながら、なにがしかのインバース系ETFの仕込みも検討しています。
この場合は、短期のリセッション狙いが目的になりますが、ん~、どうでしょう、4月の第2週辺りが仕込み時期のような気がします。