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日経平均株価指数が大幅反転。どこまで上がる、日経平均株価指数!

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 今週の日経平均株価指数は力強い動きを示しましたね。25,000円の攻防を制し、一転上昇、現在、27,000円の攻防戦に突入しています。

 さぁ、この上昇は本物なのか。今回は、テクニカル面を中心に相場の上値を探る作業をしていきたいと思います。

 

日経平均株価指数(日足)

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※TradingView提供

 

 さて、私が実際にどのようにテクニカル分析を行っているかについて種明かしをします。誰でもできるので関心のある方は真似してみてくださいね。

 テクニカル分析を行う場合、実をいうと、ラインチャートではなくローソク足で見ることが良くあります。んじゃあ、いつものラインチャートは何なの?というと、主に波動のリズムを感じ取る時に使っています。

 なので、細かく見る時はローソク足、大雑把に見る時はラインチャートという具合いで切り替えているんです。

 

 で、今回は細かめに見ていくのでローソク足というわけなんですが、まず、パッと見、どこに目が行くのかというと、今のような日経平均株価指数では50SMA(50日単純移動平均線)です。紫色の少し太めの曲線です。

 見えます?

 先週、日経平均株価指数は20SMAをローソク足でしっかりと越え、50SMAの手前で止まっています。

 これはどういうことかというと、投資家が普段使っているSMAが50SMAだからということなんです。ちなみに50SMAというのは50日の単純移動平均線なので、過去50日の終値の平均的な推移を意味しています。

 50SMAはいわゆる中期波動に当たるため、50SMAを株価が上回ったり、下回ったりすると、中期的なトレンドが転換する可能性が高まりやすくなります。

 そんなわけで、今、日経平均株価指数は50SMAに注目が集まっているんですね。

 なので、私もまずこれを見ているわけです。

 上回るのかなぁ、どうなのかなぁ、と思いながら、他のインデックス(指数)を見てみると、日経平均先物やCFDでは昨晩、50SMAを超えつつあったので、おそらく日経平均株価指数の現物も来週超えてくるだろうと踏みます。

 下のチャートは日経平均株価指数のCFD(日足)ですが、50SMAを超えて来てますよね。CFDが超えてきたので、連休明けの東京株式市場は、アメリカで波乱がなければおそらく上がっていくでしょう。

 

日経平均株価指数CFD(日足) 

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※TradingView提供

 

 ちなみに、今は短期の見方をしてますからね。中・長期の話ではありません。

 個人的には、ちょっと前に日経のインバースと原油ETFを売り、日経のレバレッジとSPXLというS&P500のETFに乗り換えたので、投資スタンスを短期に切り替えています。

 だから、今は短期的な分析を行っているわけです。

 

 さて、話を戻します。もう一度、日経平均株価指数の現物を見てみましょう。

 

日経平均株価指数(日足)

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※TradingView提供

 

 次に見るのはどこまで上がるかです。上値の目処ってやつですね。

 日経のCFDで50SMAを上回ってきているので、次に見るべきものは200SMAです。200SMAは50SMAと同じく、投資家が普段よく気にしている単純移動平均線です。紺色の曲線ですね。

 なので、この水準を確認します。

 金曜日、3/18時点では

28293.86円

となっています。

 なるほど、28,000円は超えてくるのね。28,000円の攻防戦をクリアしてから一服感が出るかどうかってところかな?と推測します。

 でも、その前に100SMAがあります。50SMAと200SMAの間にある紫色の曲線です。

 この水準が、

27954.00円

なので、やはり28,000円の攻防戦は見ておく必要があるとわかります。

 つまり、移動平均線では、日経平均株価指数は、50SMAを越えると28,000円を意識し、攻防戦が始まり、この水準を突破すると200SMAを巡る激戦が待ち受けているということです。

 そして、そこでも勝利を収めると次は28,500円、29,000円が意識されるようになり、話題として「30,000円が視野に!」なんて記事が出てくるのかもしれません。

 今の水準からいくと、まぁ、27,500円とか、28,000円水準で早めに利食っておいた方がいいように思いますが、そこで迷う場合は、アメリカの株式市場の動きも確認する必要があるでしょう。

 今回の記事ではそれらは確認しませんけど。

 

 で、移動平均線のチェックは終わりました。

 次に何を見るかというと、出来高です。これは日経の先物で確認します。

 

日経平均株価指数先物(日足)

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※TradingView提供

 

 TradingViewでは日経平均株価指数の出来高を見たい場合、有料版にしないとダメっぽいんので、先物で確認します。似たような出来高になっているので問題はありません。

 注目したいのは、いわゆる「Follow Through Day(フォロー・スルー・デー)」が出ていることです。

 フォロー・スルー・デーとは、次の日の出来高が前の日の出来高を上回った日のことです。これは様子見していた機関投資家が上昇相場に参戦してきたことを意味します。

 3/15(火)、日経平均株価指数先物は寄り引け同時線(十字線)に近いローソク足の形状になりました。この日の出来高はそれほど大きくなかったんですが、投資家はまだ上昇に対して疑心暗鬼だったことがローソク足の形状に現れています。

 そして次の日、3/16(水)、出来高が3/15(火)を大きく凌ぎ膨らみました。この日のローソク足は下ヒゲの少し長い大陽線です。

 これがフォロー・スルー・デーです。

 投資家はこれを確認した後、次々と参戦し、日経平均株価指数先物は連日値を上げていきました。

 その過程で出来高が細ってきてますよね。

 これは後追い勢が少なくなってきていることを意味しています。つまり、初めの方で上昇相場を形作ってきた投資家勢力が今後、利益を確定してくることを意味しています。

 なので、27,000円の水準で攻防戦が始まっているわけですよね。

 でも、50SMAを突破する気満々なので、次の例えば27,500円とか、28,000円とか、その辺りで「一抜けたっ!」という投資家がおそらく出てくると思います。

 その後、200SMAをもし突破するならば、後追い勢が上昇相場からどんどん抜け出していくと思うので、反転下落し再び相場は急降下していくと思います。

 なので、個人的にはいつ降りようかという算段をつけている最中です。

 

 今の相場は、これまで見てきたように移動平均線出来高だけで上値の目処を推定することができるんですが、一応、念のために他のテクニカルツールでも確認します。

 念には念をってことです。

 それでは、日経平均株価指数(日足)にチャートを戻して、MACD(Moving Average Convergence Divergence:マックディー)を見ていきましょう。

 

日経平均株価指数(日足)

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※TradingView提供

 

 MACDはトレンド分析のツールです。割高・割安を判断するためのものではないので注意してくださいね。あくまでも相場が上昇トレンドを描いているのか、下降トレンドを描いているのかを探るためのものです。

 MACDはチャートの下段にある2本の曲線です。使い方は、水色の線であるMACDがオレンジ色の線のMACDシグナルをゴールデンクロスし上回ると相場は上昇トレンド、逆にデッドクロスし下回ると下降トレンドと判断します。

 ということで、日経平均株価指数(日足)のMACDはすでにゴールデンクロスし、MACDMACDシグナルを上回っているため、日足レベルでは上昇トレンドを描いているということができます。

 なるほど、今のところ、日経平均株価指数はまだ上昇トレンドね。

 これでMACDの確認は終わりです。

 

 次はRSI(Relative Strength Index:アール・エス・アイ)です。日本語では相対力指数といいます。

 これは相場の割高感、割安感を判断するためのものです。英語ではRelative Strengthなので、相対的な強さを比較するためのテクニカルツールです。

 先ほどのMACDはトレンド分析、RSIは割高・割安を測るためのもの、そんなふうに覚えてみてください。

 

日経平均株価指数(日足)

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※TradingView提供

 

 チャート下段にRSIがあります。

 現在の値が57.54なので、これまでと比べて少し割高感が出てきました。

 RSIは通常、30.0を下回ると買い、70.0を上回ると売りシグナル点灯なんですが、それはあくまでも傾向で、相場の状況に合わせて割高感・割安感を探る必要があります。

 今の日経平均株価指数(日足)の場合、下降トレンドに入って以降のRSIを見ると60.0手前の水準で割高感があると判定されているため、今よりもさらに上昇するのは少し腰が重いように映ります。

 

 ということで、MACDは上昇トレンドを描いているが、RSIには割高感が出てきていると見ておく必要があるでしょう。

 つまり、先ほどの移動平均線出来高で見たように、27,500円レベル、もしくは28,000円レベルが上値目処としては妥当なラインだろうと判断することができます。

 ん~、27,500円で売り逃げって感じですかね。

 

 たぶん、ここまではいい線いってると思います。

 んじゃ、次なんですけど、一目均衡表を見てみましょうか。

 

日経平均株価指数(日足)

f:id:fp-office-kaientai:20220319091939p:plain※TradingView提供

 

 一目均衡表は使い方が少し複雑なので詳しい説明は省きますが、今の日経平均株価指数(日足)ではポイントは「雲」です。

 雲というのはチャートのオレンジ色の帯のことなんですが、雲の下限がおおよそ27,300円ぐらいなので、一目均衡表ではまずここが意識されやすくなります。

 一目均衡表には、三役好転といって強気相場かどうかのシグナルがあるんですが、まだそれが出ていないため、雲入りするかどうかが当面の判断基準になります。

 雲入り後、雲抜けする場合は27,700円が節目になるため、ここが次の上値の目処として意識されるでしょう。

 

 ということで、移動平均出来高MACD、RSI、一目均衡表まででまとめると、27,500円が強く意識される水準になろうかと思います。

 

 では、ボリンジャーバンド(Bollinger Band)も確認しておきます。

日経平均株価指数(日足)

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※TradingView提供

 

 ボリンジャーバンドの特徴は「収束」と「拡散」です。なんのこっちゃって感じですが、考え方としては、相場はある中心となる軌道から離れれば戻り、戻れば再び離れるといった、いわゆる標準偏差をもとにして考案されたテクニカルツールです。

 要は、中心から離れたら戻り、また中心に戻ってきたら離れるというのが相場の習性なので、これをテクニカルツールとして用いましたってことですね。

 チャートで見てみると、ボリンジャーバンドは水色の天の川みたいな帯です。

 その中心に20SMAがあるんですが、薄紫色の移動平均線です。これをセンターラインとして、日経平均株価指数がここから離れると戻り、戻ると離れることを繰り返して動いていることに着目します。

 ボリンジャーバンドの川幅にあたる部分がバンド上限・バンド下限といわれる部分です。チャートでは、ボリンジャーバンドの外側にある水色の曲線です。上の曲線と下の曲線があるのがわかると思いますが、これは前者が+2σ、後者が-2σとなっています。

 これがいわゆる標準偏差に当たる部分なんですが、要は±2σの範囲内で相場が動く確率の幅を表しています。

 理論的な話をゴニョゴニョ述べてもわかりにくいと思うので、使い方のポイントをお伝えすると、日経平均株価指数がバンド上限・バンド下限をタッチすると、相場が反転する可能性が高いため、バンド上限にタッチしたら売り、バンド下限にタッチしたら買いと判断していきます。これを「逆張り型」といいます。

 基本的な考え方はこれなんですが、必ずしも正確なわけではないので、「順張り型」や「バンドウォーク」という現象を見つける必要があるんですけど、今のような上昇相場ではまだそれは現れていないため、逆張り型でボリンジャーバンドにおける日経平均株価指数の上値目処を探ります。

 バンド上限の現在の値が27489.58円となっています。

 つまり、ボリンジャーバンドでは、今のところ、仮に日経平均株価指数が上がったとしても24789.58円が目処になることを示しています。

 ボリンジャーバンドでも約27,500円近辺というのが今のところの見立てであることがわかりました。

 

 移動平均線出来高MACD、RSI、一目均衡表ボリンジャーバンド、全部で6つのテクニカルツールを見てきましたが、結論としては、日経平均株価指数では、目先の攻防戦が27,500円水準で起こる可能性が高いと推察できます。

 そこを抜けると、27,700円ライン、そして28,000円ラインを突破すると、200SMAの壁が立ちはだかり、そこを抜けられるかどうかという戦が始まるかもしれないという見立てで考えておくようにします。

 個人的には、アメリカの株式相場次第と考えていますが、27,500円を突破した後、28,000円ぐらいで一服感が出て売られやすくなるだろうと考えています。

 その前に手仕舞うかもしれませんけどね。

 

 最後に波動を確認しておきましょう。

 

日経平均株価指数(日足)

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※TradingView提供

 

 こんな感じですかね。今まで見てきたテクニカルツールに基づく見立てを波動に落とし込んでいくとこのような波形になるのではないでしょうか。

 ウクライナ情勢が収まっていないこと、原油をはじめとするコモディティー価格が高止まりしていること、ロシアに対する経済政策が長引く恐れがあること、他にもいくつかありますが、マイナス要因の方がプラス要因に比べて多いため、上昇しても一時的であると考えています。

 ちなみにプラス要因、ポジティブ要因としては、日本においてはまん防が解除されたり、Go to キャンペーンが再開されたり、来年度予算が執行されたりということで、今まで抑えられていた経済活動が少し活発化するように思われます。ただ、昨日、日銀の黒田総裁が言っていたように、物価の上昇圧力が今後も高まるだろう、消費に下振れ圧力が掛かってくるだろうというアナウンスはご最もという感じなので、株式市場に対してはあまり欲張りに考えず、いつでも逃げられるようにした方がいいように思います。

 

 アメリカが利上げを始めました。本当に業績相場入りするのかどうかには依然として疑問が残りますが、どの道、業績相場が終盤に差し掛かる時点では金利の上昇がきつくなっている段階なので、業績相場後、相場は史上稀に見る暴落局面を経験することになると思います。

 で、景気後退局面が訪れ、いわゆるリセッションですよね、再び、アメリカは金融緩和に政策転換を迫られる。

 通常パターンではこんなシナリオになるかもしれませんね。

 でも、やはりウクライナ情勢とコモディティー価格の状況次第でしょう。

 なので、今後も、アメリカ10年物国債利回り原油価格の2指標からは目が離せない状況が続くかと思います。

 

 ということで、今日はこの編で。

 

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