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「超」大規模金融緩和による「超」カネ余り相場。日経平均株価指数の今後はどうなる?

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 コロナショック後の日経平均株式指数はいったいどうなるのか。

 現在、ちょうど微妙な段階に来ていますが、ここから上抜けるか、戻るのか、今のところ判断しかねています。

 どうなるんでしょうね。

 リーマンショック後のマーケットは大規模金融緩和による「カネ余り相場」のもと上昇波動を描いてきましたが、2018年、米中貿易摩擦により上昇トレンドに終止符が打たれました。

 その後はそれまでの上昇に対する「調整局面」が続き現在に至っています。

 この間、コロナショックによる大暴落が起こり、直近ではその戻り相場がしばらく続いています。

 問題は「これからどうなるか」ですが、かなり微妙な時期で、おそらくここが今後の分岐点になるだろうと考えています。

 だから迷っているわけですが、個人的には今後のマーケットの前提条件を次のように捉えています。

「超」大規模金融緩和による「超」カネ余り相場

 金融緩和政策は、各国の中央銀行が景気が悪くなるときにお金をジャブジャブ市中に流すことで景気を下支え、もしくは、回復に導いていくための策です。

 リーマンショックが起こったときも実施されましたが、このときは、結果的に株式市場は活況を呈しました。

 コロナショック後の金融緩和政策は、各国、リーマンショックを凌ぐ規模に膨らんでいるため、余ったマネーが高い利回りを求めて株式市場やら、金市場やらに向かっています。

 今のところ、マネーが国債や金などの安全資産と株式などのリスク資産に同時に向かう現象が続いていますが、それが「国債高」・「金高」・「株高」を引き起こしている理由です。

 為替においては、ユーロや日本円に対して米ドルが安くなっていることがこの背景にあるようですが、この現象はまさに「ドル余り」であるため、いよいよ「超大規模金融緩和による超カネ余り相場」が出現してくるかといったところなのかもしれません。

日経平均株価指数チャート

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 日経平均株価指数の超長期チャートにおいては、強力な上値抵抗線(赤のライン)を突破できるかどうかが注目されています。

A.突破できれば上昇波動は続く

B.突破できなければ調整局面が続く

 簡単にいうと、このような見立てになりますが、A.となった場合、さらに一気に上昇していくわけではないので、一定の水準に達した後は調整が入るでしょう。

 B.の場合は、中程度の急落が予測されますが、それでもある程度下げた後は戻すため、B.については、その後、突き抜けるかどうかが焦点になると考えられます。

 上のチャートでは、これから日経平均株価指数が、長期的に上昇していくのか、下落していくのかを想像してみましょうという意味合いで載せています。

 B.において調整からの回復がままならない場合は下降トレンドが続くと見られますが、大前提として「超大規模金融緩和による超カネ余り相場」を前提に考えているためこの線は薄いと思います。

 ファンダメンタルズ的には、上昇の場合、次のような理由なんでしょうね。

〇コロナワクチンができる

〇来年の景気回復が想定以上

 逆に調整が入る場合は、

〇景気回復への期待が想定以下

〇米中の対立の激化

といったところでしょうか。

 アメリカの大統領選については、まだどうなるかわかりませんよね。

 つい先日、民主党の正式な候補者としてバイデン氏が認められてましたけど、おおよそ、バイデン氏が大統領になった場合、増税社会保険料の増加などが景気を冷え込ませるということで株式市場としては売り材料視されているようです。

 ただ、民主党政権自体、対中国投資に力を入れる性格を帯びているため、コロナ禍において序盤は株価は下げるものの、中国への投資を中心にリスクマネーが再び活況を呈することも考えられます。

 一方、トランプ大統領が再選する場合は、コロナ対策を行っている現政権であるため、アメリカ経済を回復させるための現実的な政策をさらに打ってくるような気がします。

 ただ、中国との関係性については不透明になるため、この点がやはりリスク要因といえます。

 今のところ、ファンダメンタルズ面で好ましくないリスク要因は、

〇米中の対立の激化

〇金融ショック

の2つです。

 米中の対立激化単体ならまだマシですが、これに金融ショックが加わるとちょっとシャレにならないですよね。

 各国金融ショックを引き起こさないためにも金融緩和政策を行っているわけですが、ミクロ面で考えると、金融機関の貸し倒れリスクに対するマーケットの反応が、今後、どんなふうに出てくるかは一応注視しています。

 日本でいうと、コロナ融資がいっぱいされていますが、地銀もこれを実施しています。

 地銀にしてみれば、3年間の国からの利子補給期間はいいんですが、その後、貸し倒れリスクが高まることにどのように備えるかがたぶん大きな問題になってくるんだと思います。

 とはいいつつも、世界規模での金融ショックが株式市場の下落には必要になってくるため、日本だけならそこまで気にする必要もないかもしれません。

 なので、金融市場、特に為替市場や国債市場の動きには注意しておくことが必要でしょう。

 

 ということで、これから日本はどうなるんでしょうね。

 マーケットと実体経済の状況は、今後、さらに乖離していくことが考えられます。

 このため、実体経済を軸に資産運用をしてしまうと、おおよそ間違いのもとになるためお勧めしませんが、この国の未来を考えるとなんだかなぁという気持ちになります。

 グローバル化に抗えないこの国の実態がこれなので致し方ないのかもしれませんが、時代の転換点はすでに訪れています。

 アベノミクスの再評価を行い、今後、日本がどのように進むべきかを根底から考え直す時期に来ているのではないでしょうか。

 

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