日経平均株価指数は美しい波形に! このまま下落するのか、それともまだ上昇するのか。
今日の日経平均株価指数は前日比▲437.79円の28197.42円と、久々に大きめに下落しました。
ここに来て、プチ調整って感じです。
昨年の12月22日からの上昇5波がきれいな波形でしたが、今年の1月25日につけた28822.22円の上値からの戻り(今のプチ調整)もきれいな波形となっています。
波形にはきれい、汚いがあって、きれいな波形には市場参加者の自由な意思が反映され、汚い波形にはある種のノイズが含まれています。
このノイズの発生で目立つのが昨年の6月から10月にかけてと、昨年の12月に入った後、21日までの波形です。
原因はいくつかあるんですが、日銀のETF買いへの期待から下げ渋るという傾向です。
コロナショック以降は特に、「日銀が買い支えてくれているから、下げない」といった認識が広がってはいます。
実際、高値圏での利益確定売りが入っても、それほど下げずに、買い材料が出てきたら一気に上がっていくといった流れが出ました。
こういうのが出ちゃうと、個人的にはつまらないトレーディングだと思ってしまいます。
相場はマーケットに委ねよ
と昔から言われ続けていますが、コロナショック以降の相場には恣意性が散在しているため、美しくない波形になっているということができます。
この恣意性というのが「日銀が買い支えてくれるから大丈夫」といった期待です。
この期待で買いに行ってしまう「投資家心理の弱さ」なんですが、コロナショック後の相場をつまらなく感じるのは、相場に人間性が欠けているからといったところです。
上げる時はちゃんと上げて、下げるときはちゃんと下げる。
これがないと、相場ってつまらなくなっちゃうんですよね。
なんせ博打なんで、賭場のルールが意図的に変更された下で博打を打ってるわけですから、半か丁かのスリルを味わいに来てる投資家にとっては、たぶん、つまんなく感じているんじゃないでしょうか。
まぁ、それはともかく、年初早々、アメリカの金融緩和を巡る議論が報道に乗っかってきていますが、金融緩和解除については、もうちょっと道のりは長いような気がします。
雇用の戻りが弱いので、ある程度正常に戻ってきたら、実体経済の動向を見ながら金利をコントロールするだろう程度に受け止めています。
これについては、どこかのタイミングでまとめていきますね。
さて、いつも通り、チャート分析といきます。
○日経平均株価指数
相変わらず、シナリオはポジティブシナリオです。
今のところ、日経平均株価指数は30,000円近辺を目指して動いているようです。
チャートの★印が意識されているポイントです。
ここまで到達して、中規模調整が入るというのはメインシナリオの内容です。
一応、日経平均株価指数30,000円の水準は0.764というフィボナッチ数に近い位置で、誤差にすると500円ぐらいで、この近辺に上値抵抗線と下値支持線が集まっています。
なので、とりあえず、ここが修羅場になるのかなぁと考えてはいます。
ただ、今後の波形によっては、さらに上抜けする可能性もありますし、逆に今のプチ調整が中規模調整に拡大する可能性もあります。
でも、冒頭でお伝えしたように、今の波形はきれいになっているため、このシナリオでいいんじゃねって思ってはいます。
ちなみに、仮に、今のプチ調整が中規模調整に拡大する場合は、コロナショック後の戻り相場はいったん終了と判断します。
その場合は、目算で日経平均23,000円突入、この水準が半値戻しに当たりますが、ここまで行ってもおかしくないので、いずれにせよ、トレンド転換の可能性は意識しておきましょう。
そういえば、今日、日経平均株価指数が下げてる理由は、日経新聞には利益確定の売りって書いてましたけど、まぁ、確かにこれはあるんですが、前日のNYダウが大きく下げたためというのが直接的な要因です。
んじゃ、なんで大きく下げたの?っていうと、売りで入っていた勢力が、株価がどんどん上がっていくもんだから損失が出てしまい、慌てて買戻した結果、さらに株価が上昇し、これが異様なほどの高値を形成し、比較的大きめの売りにつながったということです。
きっかけはアメリカのゲームストップ株って言われてますが、この影響が前述の売り勢力の動向を背景に高値圏を押し上げ、その結果、他の株式まで波及し、一斉に利益確定の売りが入ったということのようです。
こんなのさ、毎日、マーケット見てないとわかんないですよね。
これがきっかけではありましたが、ここに決算シーズンの手仕舞い売りも重なって、利益確定の売りが膨らんだという構図です。
でもね、今日、日経平均、比較的大きめに下げたじゃん?
先ほどの「日銀がETFを買ってくれるから大丈夫」ってみんな思ってたと思うんだけど、実際、今日、買ってないんだよね、日銀。
ここが今日の大きなポイントで、つい先日、日銀は、市場から買い付ける金額を市場の動向に合わせて臨機応変な対応にしていきますってことで、見直しました。
波形が汚かった時、ちょっとの下げでも、日銀はETFを買ってたんですが、今日の比較的大きな下げ幅でも買ってない・・・。
どういうこと?
今のような恣意的な相場が緩和されればいいんですが、日銀は様子を見てるんでしょうね。
ということは、日銀もやはり今の株式市場の過熱感は異常と見ているわけで、将来的に金融緩和の出口戦略を実行しなければならなくなった場合に備えて、過熱感を事前に調整しておきたいという思惑を働かせたいのかもしれません。
マーケットの関係者や投資の玄人は、そんなの前からわかっていることで、みんな行き過ぎだよって思ってました。
でも、バブルじゃないとか、過熱感はないとかいう向きもあって、ようやく意識しながらマーケットが動くと思うと、また少し面白くなってくるかなと期待はしています。
面白いですよね。
みんな高値警戒感は持ってるはずなのに、バブルじゃない、過熱感はないって意見もあるんですもん。
波形を見てれば一目瞭然なのに、なんだかなぁという気持ちです。
日経平均株価指数のチャートを見たので、ついでといってはなんですが、NYダウとS&P、ナスダックについてもアップしておきます。
○NYダウ
NYダウは歪な波形なんですよね。
今のところ、ピンク色の上値抵抗線が立ちはだかって、NYダウの上値を抑えてますけど、このタイミングでこの波形って、結構、ありえないんですよね。
ここが波形取りを難しくしている所以ですが、おそらく、コロナ相場だからそうさせているか、さらなる大きな上昇相場になるかのどちらかでしょう。
今のところ、目指しているポイントは★印です。
これについても、仮にそこまで上がらずに、今のプチ調整から中規模調整に拡大するなら、トレンド転換となります。
ん~、今のところ、材料としてはそこまでの理由が見当たらないので、★印に向かっていくだろうとは受け止めています。
○S&P
S&Pも、★印に向かおうとしているというのがメインシナリオです。
今のプチ調整が早晩止まり、再び、上昇基調に乗っていくという内容です。
これについても、今のプチ調整が中規模調整に拡大するとトレンド転換です。
フィボナッチ数の1.414ラインに上値抵抗線が重なっているので、この可能性は、一応、見てはいます。
S&PはNYダウと比べるときれいな波形です。
○ナスダック
最後にナスダックですが、S&Pと似てますよね。
こちらも、今のところ、マーケットは★印を目指しながら動いているようです。
ただ、フィボナッチ数の2.272のラインに直近の高値が到達しているため、今のプチ調整が中規模調整に拡大する可能性はあります。
S&Pもそうですが、もっときれいな波形になるためにはもう少し調整してもらう必要があります。
その上で、再び、上昇していくと完璧ですよね。
こんなふうに、日経平均、NYダウ、S&P、ナスダックを見ていくと、偶然ではないんですが、目指す目標がある程度一致しているので、マーケットが高値をかなり意識していることがわかります。
今までの変化でいうと、最近、アメリカの10年物国債の利回りが下がってることが気になります。
裏を返すと、米国債が買われているってことなんですが、バイデン政権になって多額の財政出動を実施するためにFRBが動いているのかもしれませんが、こうなると、安心感が広がり、株高なんでしょうね。
んじゃ、日経平均、NYダウ、S&P、ナスダック、それぞれの★印が満たされたら中規模調整が来る可能性があるってことはどういうこと?
米中の対立なのか、コロナ変異株なのか、ワクチンへの期待の剥落か、どれも中心になる理由じゃない気がするんですよね。
利益確定の売りが重なる。
これは大前提になるのはわかるんですが、きっかけは何か。
メインシナリオでは、★印の後、どうなるかがポイントになります。
財務長官のイエレンさんは、増税や金融規制はまだ先の話って言ってますし、FRB議長のパウエルさんは金融緩和は継続って言ってますし、金融政策は基本、変わらないでしょうしね。
チャート上は、★印のタイミングはだいたい3月になってますが、この場合、第1四半期の決算やGDPが予想以上に悪いだろうって見方が広がるってことなんですかね。
ってことは、アメリカの雇用統計なんかは注目かもしれません。
資産運用って、こういう想像をするのが面白くて、だから、波形がきれいかどうかが、結構、重要だったりするんです。
エリオット波動理論がそういう建てつけなんで、そういう見方になっちゃうっていうのもあるんですけどね。
昨日のNYダウの下げ、今日の日経平均の下げ、重要な局面ではありますので、今後も見逃さずに資産運用を行っていきましょう。