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コロナで会社が休業、自分も休み。そんな人は「休業支援金・給付金」制度は必ず活用するようにしましょう。

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 新型コロナウィルス感染症により、お勤めの会社が休業したことで社員・従業員の方も仕事を休まざるを得なくなった場合、雇用調整助成金と違い、労働者が自分で申請手続きをすることができる「休業支援金・給付金」という制度の利用が増えているようです。

 

 正式名称は、

新型コロナウィルス感染症対応「休業支援金・給付金」

です。

 参考までにこの制度の利用者の推移を掲載しておきます。

 

○新型コロナウィルス感染症対応「休業支援金・給付金」利用者の推移

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厚生労働省より

 

 1月14日時点での支給申請件数の累計は959,106件、支給決定件数の累計は766,346件となっています。

 休業支援金・給付金は、要件に該当すれば複数回申請することができるため、何人でカウントするのではなく、何件で見ていく必要があります。

 この数字が多いか、少ないかは別にして、毎月の家計収入を支えるための制度なので、なるべく申請するようにしていきましょう。

 

 それでは、休業支援金・給付金の内容について見ていきたいと思います。

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厚生労働省より

 

 まず概要をチェックですが、

新型コロナウィルス感染症及びそのまん延防止の措置の影響により休業させられた中小企業労働者のうち休業中に賃金(休業手当)を受けることができなかった方に対して、当該労働者の申請により、新型コロナウィルス感染症対応休業支援金・給付金を支給する。

となっています。

 ポイントは4つです。

①中小企業

 対象となる企業が中小企業であるということです。

 大企業の場合は、比較的余裕があるはずだから雇用調整助成金を使ってねってことなんでしょう。

②労働者のうち

 休業支援金・給付金の支給対象者は労働者となっています。

 これは直接給付という意味ですね。

休業中に賃金(休業手当)を受けることができなかった方

 通常、お勤めの会社が休業、つまり、一時的に会社をお休みにするという場合、休業手当を支給するのが一般的ですが、休業手当は企業にとって給与の支払いになるので、キャッシュがなければそもそも支払うことが難しくなります。

 このため、労働者に休業手当が支払われないというケースが発生し、こういう人たちに対しては、直接、国が面倒を見ることになりました。

 初めはこれ、なかったんですよね。

 なので、中小企業にとっては雇用調整助成金が前提となり、申請が煩雑、時間がかかるなどといった理由で、中小企業の事業者にとっては従業員の雇用を守ることが難しいというケースが増えたんだと思います。

 雇用調整助成金は、そもそも事業者が労働者に支払った休業手当をあとで国が補てんするという仕組みなので、目の前で起こっている現実とかけ離れていました。

 そこで、休業支援金・給付金により、休業手当の支払いがなくても、国が労働者の生活を補償するという方向に舵を切りました。

 この意味で、休業支援金・給付金は良い制度だと思います。

 最後に④番目ですが、

④労働者の申請により 

 です。

 雇用調整助成金は事業者が申請する必要がありますが、休業支援金・給付金は労働者が申請することが前提になっています。

 この意味でこの制度は直接給付なんです。

 つまり、雇用調整助成金よりも時間がかからなくなったため、実効性は高いといえます。

 

 次に具体的な内容ですが、

対象者)

 令和2年4月1日から令和3年2月28日までの間に事業主が休業させ、休業手当を受けていない抽象企業の労働者

 休業支援金・給付金は、当初、昨年の9月30日が対象期間だったんですが、延長、延長で、とりあえず、今年の2月28日までになっています。

 状況次第かと思いますが、3月以降も延長されるのでしょうか。

支援金額の算定方法)

 休業前の1日当たり平均賃金×80%×(各月の日数:30日又は31日-就労した又は労働者の事情で休んだ日数)

★1日当たりの支給額は11,000円が上限

 この計算式の意味は、要するにお勤めの会社が支払うはずの休業手当を事業者に代わって国が支払いますということです。

 80%がミソですが、休業手当の支払い割合の範囲が60%~100%なので、その間である80%を基準にしています。

 これに平均賃金を掛けています。

 注意点としては、働いた日や労働者の事情で会社を休んだ日については除外されるという点です。

 これは当たり前のことですよね。

 働いている日についてはお給料が支払われますし、自分の都合で休んだ場合は、単に会社を休んでいるため補償の対象にはなりえません。

 とはいえ、働いたところでお給料が減額されてるなら家計にとっては厳しさが残ります。

 でも、ないよりはマシということで、家計収入としては助けになる制度ではあります。

 だから、該当する人は申請しましょうってことなんですね。

手続内容)

①申請方法:郵送 or オンライン

②必要書類

 ◦申請書

 ◦支給要件確認書

 ◦本人確認書類

 ◦口座確認書類

 ◦休業開始前賃金及び休業期間中の給与を証明できるもの

 ちょっと動画貼っておきますね。

 具体的な手続き方法がわかる動画です。

 動画は最新のものではないので、要件の一部は古いものとなっているようです。


(労働者用)新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金 申請書の記入方法

厚生労働省より

 

 オンラインで手続きをする方が楽だと思いますが、郵送でも対応してくれます。

 問題は、事業者が協力してくれるかどうかです。

 支給要件確認書に労働者だけでなく事業者の記入欄もあるんですが、ここに必要事項を書いてもらい、その内容をもとに、これに加え、労働者は申請書に記入し、申請することになります。

 このため、事業者が煩わしいとか、時間がないとか、乗り気じゃないとか、そういう感じだと、トラブルのもとになる可能性もあるため、事業者の理解が必要になってきます。

 ちなみに国としては事業者向けに協力するようお願いしています。

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厚生労働省より

 

 気になる方のために、念のためにこのチラシも載せておきますね。

新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金の
支給に当たり、事業主の皆さまのご協力をお願いします 

 この資料をもとに事業者に頼めば、事業者も協力する気になりやすいのではないでしょうか。

 ほとんどの事業者は協力してくれるとは思いますけど。

 

 最後に、オンライン申請のURLを貼っておきます。

knwguest.kyuugyoushienkin.mhlw.go.jp

 

 会社が休業しているのに、休業手当が支払われず、家計収入が途絶えている方にとって非常に助かるのが休業支援金・給付金制度です。

 つまり、本当に困っている人のための支援といえますが、そこまで困っていなくても、収入が減っているという方はもっとたくさんいます。

 こういった方たちへの直接的な支援はないため、FP事務所としては、再度、特別定額給付金などのような直接給付を行った方が、結果として、後々の景気回復を想定するなら良い状況が生まれるだろうと考えています。

 本当に困っている人、そこまでではないが、困ってはいる人。

 線引きが必要という意見はわかりますが、財政支出の出し惜しみをしていると、景気の回復が十分に行われず、あとでまた困る人が増えていく可能性があります。

 難しい問題だとは思いますが、10年先の脱炭素社会よりも、今、そして、来年、再来年に向けた戦略行動を期待します。

 

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