FP OFFICE 海援隊|1970年以降生まれの「ライフ&マネー塾」

これからの時代、変わりゆく常識を少しだけ早くキャッチし、人生に活かしてみる。

日本の国債利回り(金利)を見れば、この国が国民の暮らしを本気で良くしようと思っているかどうかがわかる。

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 麻生さんが、1回目の緊急事態宣言のような特別定額給付金(1人当たり10万円)は支給するつもりはないって言ってるようですが、みんな目いっぱい声を上げた方がいいと思うんですけどね。

 現金給付について、いろいろと意見はあると思いますが、お金の使い方が弱いことだけはよくわかります。

 

 冒頭のチャートはアメリカと日本の10年物国債利回りの推移です。

 黒がアメリカ、緑が日本。

 これこそがお金を使っているかどうかを示す証拠なんですけど、去年の夏ぐらいから日米で動きに差が出てきているようです。

アメリカの10年物国債利回りは上がっている。

日本の10年物国債利回りは横ばい。

 日本、頼むからお金もっと使ってくれよ~。

 10年物国債の利回りは金利と同じ意味と考えてください。

 国債が売られると、金利は上がります。

 国債が売られるっていうのは、国債が発行されるという意味で、国債を発行するというのは、財政支出を行うという意味です。

 要は、金利が上がっているというのは、財政支出をしているからで、つまり、ちゃんとお金を使って景気を良くしようとしているってことです。

 日本、横ばいっ!

 一応、コロナショック当初の金利からすれば財政支出はしているといえますが、ほぼゼロ%の水準で上昇が止まっちゃってますよね。

 これは、緊急事態宣言解除後、十分にお金を使ってないってことなんです。

 もっとちゃんと財政出動をしてお金を使ってたら、金利、上がってますもん。

 企業の経済活動を支え、国民の生活を支えることを本気で思ってるんなら、景気が回復するわけですから、金利、上がりますやん。

 それ、ホント、しないもんなぁ。

 

 菅さん、支持率下がってますでしょ。

 これからも下がるかどうかはわからないですけど、次の衆院選を見越して、自民党の内部からも、「お金を使って支持率を回復させないと選挙に勝てない」って声が上がってますやん。

 で、本当にお金使ったら支持率が上がるどころか、国民や企業が救われて、景気の下支えにつながりますやん。

 これをちゃんとやったら支持率上がると思うんですけど、なぜ、やらない。

 

 国債を発行したら金利が急上昇して、インフレになる~。

 なってませんやん。

 足りてないですけど、一応、国債は発行してますやん。

 高齢化社会だから国にお金がない~。

 そもそもアベノミクスで経済の回復なしに財政再建なしとか言ってましたやん。

 

 ふざけた感じの物言いはここまでにして、金利が上昇するのは、国がみんなからお金を集め、集めたお金で国民の暮らしが良くなるという期待が込められているからです。

 民が飢饉で苦しい時にお上が備蓄米を放出しないなら、民は生きていけなくなります。

 この単純明快な理屈をアメリカは知っていて、実行できていますし、これからも実行しようとしています。

 にもかかわらず、日本は、ここまでしか出さない、もしくは出せないと、財政支出を渋っています。

 私たちはつい、今起こっていることに目を向けがちですが、このような金利の動きは将来を先取りする動きです。

 つまり、日本の10年物国債の利回りが今のように横ばいで動き、上昇しないということは、例えば、来年、再来年に向けた景気の回復が遅くなることを意味しています。

 おそらくアメリカは財政支出を積極的に行うため、コロナが収束するにつれ、実体経済が目に見える形で回復していくことでしょう。

 これに対し、日本はそうはならず、失われた40年というデフレの長期化がさらに進む可能性があります。

 いつ、この国は、本腰で経済を立て直そうとするのか。

 いつ、この国は、本腰で国民の暮らしを良くしようと動くのか。

 お金はみんな必要です。

 でも、お金をくれという声は一部の政治家にしか届いていないような気がします。

 金利の話をしてください。

 金利が上がらないのは景気を良くする気がないからだと。

 

 ちなみに、先ほどのチャートでは、アメリカの10年物国債の利回りはいったん上げ止まって、その後、下落するというシナリオです。

 まだ経済が厳しい局面でこれ以上金利が上がってしまうと、今度は逆に景気を冷え込ませてしまう可能性があるためです。

 バイデン政権の追加経済対策はすでに織り込まれているようですし、ここら辺で一服、思ったよりも効果が足りないということで再び下がり、その後、追加の経済対策期待で底を打ち、上がっていくという見立てです。

 とはいっても、可能性は薄いかもですね。

 

 一方、日本では、今開かれている国会で、年度内の第4次補正で追加の経済対策が打たれるかどうかが注目ですが、難しいようなら次年度の第1次補正予算でなにがしかの動きがあるかもしれません。

 しかし、そこまで菅政権の支持率が持つのか・・・。

 支持率が下がると何かをやろうとするのがこの国の戦略なき政治の特徴です。

 このような政治状況に期待するのは必ずしも良いことではないと思いますが、これを良い方に取ると、なんらかの財政出動が行われ、少しは国民の暮らしが良くなるとは思います。

 このレベルの低い二者択一が今の日本の政治の姿であるとするならば、1970年以降生まれの私たちは、日本の未来に何を描いていけばいいのか。

 そして、子どもたちに何を残していけばいいのか。

 親としてできること、何ですかね。

 

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