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株価が下がったのに、国債が売られた!? これまでと少し違う不自然な現象。

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 ちょっと時間がないので、今回はさらっといきます。

 今朝、起きたら、「ん? なんかおかしいぞ?」という現象を発見しました。

 アメリカの10年物国債利回りが上昇していたからです。

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※世界の株価と日経平均先物

 

 通常、今のような株式市場が大きく下落する局面では国債が買われやすくなるため、その利回りは低下するものです。

 にもかかわらず、米10年物国債利回りは前日比3.18%も上昇、1.777%をつけました。

 これ、ものすごく重要な現象なので頭に留めておいてください。

 端的にいうと、この現象は、マーケットがインフレを強く警戒している証拠なんですが、「これから物価がどんどん上がっていくわけだから、比較的安全な資産といえども、国債なんぞ、もう買わんでもよいわ!」と市場が考えたという意味です。

 モノの価値(物価)が上がるとお金の価値が下がるため、現金の代替手段ともいえる国債すら嫌われたということなんですね。

 今までは、例えば、FRBが利上げを実施するということで、10年物国債の利回りが連れ高するのが普通でした。

 この場合も国債価格は下落するんですが、昨夜の現象は経路が違うんですね。

 昨夜の利回り上昇は、原油価格が高騰するというインフレリスクに非常に強く反応したものだったので、どちらかというと、金融ショックというか、デフォルトリスクというか、要は、一国の財政悪化にまで視点が移った瞬間だったともいえます。

 それだけマーケットはリセッション(景気後退)を強く警戒しだしたということです。

 この現象は、今後、何回か来るので注意して見ていくようにしましょう。

 

 ついでにアメリカの長短金利差のチャートも上げておきますね。

 

〇米長短金利差(週足)

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※TradingView提供

 

 いわゆる長期金利と呼ばれるものが10年物国債の利回りです。一方、短期金利と呼ばれるものが2年物国債の利回りです。

 その差を記したのがこのチャートなんですが、先日アップした時点と比べても、さらに長短金利差が縮まっていることがわかります。

 長短金利差が0.00%を下回ってくるとリセッション(景気後退)入りといわれます。

 長短金利差が0.00%を下回っている状態というのは、短期金利の方が長期金利よりも高くなる逆イールドを表していて、要は目先の資金繰りに目が行っていることを意味します。

 つまり、今、お金が欲しいと思っている人が多くなり、実体経済がそれだけ悪化しているということを示しています。

 まだリセッション(景気後退)には入っていないため、そこまで大変だ~という感じは出ていませんが、いずれそうなる可能性が高いだろうということは念頭に置いておきましょう。

 

 今回はここまで。

 

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