持続化給付金。申請はまだという事業者のための手続きのポイント解説。
持続化給付金の申請状況ってどうなんでしょうかね。
ようやく顧問先企業の申請手続きを終え、少しほっとした気持ちです。
FP事務所としては、税理士と協力し、必要な書類を準備し、手続きの段取りを組み立て、申請をサポートするといった方法で対応しました。
オンライン申請自体は簡単なんですけど、パソコンを普段から使っていない事業者にとっては、添付資料の送信でつまづくかもしれません。
なので、パソコンが苦手な方の場合、使いこなせている人に協力してもらい申請することをお勧めします。
さて、さんざんテレビや新聞などで持続化給付金の報道がされ、また、会員になっている経済団体などからも案内があったとは思いますが、多くの事業者にとっては制度の周知が図られているかと思います。
このため、今回は、その概要をさらっと復習し、申請手続きについての具体的な方法を確認していきたいと思います。
持続化給付金の目的)
新型コロナウィルス感染症拡大により、営業自粛等により特に大きな影響を受ける事業者に対して、事業の継続を支え、再起の糧としていただく。
持続化給付金の目的はポイントとして2つあります。
ひとつは「特に大きな影響を受ける事業者」、もうひとつは「事業の継続を支え、再起の糧にする」です。
ご存知の事業者の方が多いと思いますが、原則、当該月の売上高が前年同月比で50%以上減少していることが要件のひとつになっているため、このような意味で「大きな影響」という表現をしているんだと思います。
また、「事業の継続を支え、再起の糧にする」については、ありがとうございますと素直に喜ぶ事業者もいれば、これだけじゃ足りないよと思う方もいるでしょう。
今回の一連の緊急経済対策で共通するのは、スローガンや言っていることの割には中身が伴っていなかったりするので、この点についてはなんだかなぁという感想です。
それでは、具体的な給付額について確認しましょう。
給付金額)
◦中小企業 上限200万円
◦個人事業主 上限100万円
これも有名といえば有名ですよね。
この金額でありがたいと思う事業者もいれば、足りないと思う事業者もいるでしょう。
問題点としては、持続化給付金は1回こっきりの制度であるためないよりはマシですが、日が経つにつれ、より多くの事業者が足りないと感じるようになると思います。
給付金に加えて、いわゆるコロナ融資も同時に活用し、雇用調整助成金も含め、トータルで活用してくださいという方向性で実施しているのが緊急経済対策なので、国としてはあげた感があるようです。
ただ、家賃補償や雇用保険のみなし休業も検討されているため、これらも活用することをお勧めします。
それでは、どんな事業者が対象になるかを確認していきます。
給付対象者)
◦資本金の額又は出資の総額が10億円未満であること
◦資本金の額又は出資の総額が定められていない場合は、常時使用する従業員の数が2000人以下であること
◦2019年以前から事業により事業収入(売上)を得ており、今後も事業を継続する意思があること
◦2020年1月以降、新型コロナウィルス感染症拡大の影響等により、前年同月比で事業収入が50%以上減少した月が存在すること
言葉がまどろっこしいため簡単にいうと、中小企業や個人事業主で、今年の1月以降の月の売上が50%以上減っている事業者が対象ということです。
これも、さんざんアナウンスされているのでなんとなくわかりますよね。
次は、給付額の計算式を見ていきましょう。
計算式)
給付額=
対象月の属する事業年度の直前の事業年度の年間事業収入-対象月の月間事業収入×12
これはちょっとわかりにくいかもしれません。
要するに、前年の売上から、今年の1月以降で売上が50%以上減少した月の収入に12を掛けた値を差し引いた金額が給付額で、上限額までは給付されます。
ここでのポイントは年間の売上で計算されるという点です。
単純に前期比ベースで売上が50%以上減っていたらで計算すればいいのに、わざわざ年間に引き延ばしてから計算されるようになっています。
この意味は「1回こっきりの制度」だよということです。
じゃなければ、前期比ベースで計算すればいいだけです。
ここが持続化給付金の残念なところですね。
ということで、内容のおさらいとしては、これぐらいで十分かと思います。
それでは、手続き方法を確認していきましょう。
オンライン申請なので、まず「持続化給付金サイト」にアクセスしてみましょう。
そのうえで、メールアドレスを登録し、仮登録を行います。
メールが届くので、IDとパスワードを設定し本登録を行います。
マイページが作成されるので、この中でフォーマットに従い、必要事項の入力と添付資料の送信を行うという流れです。
〇申請の流れ
今回は法人企業の場合で確認します。
〇宣誓・同意をチェック
マイページに入ると宣誓・同意をする必要があるため、項目ごとにチェックを入れ進んでいきます。
〇基本情報の入力
- ① 法人番号
- ② 法人名
- ③ 住所
- ④ 書類送付先(※③と同じ場合は記載不要)
- ⑤ 業種(日本産業分類)
- ⑥ 設立年月日
- ⑦ 資本金の額又は出資の総額
- ⑧ 常時使用する従業員数
- ⑨ 代表者役職
- ⑩ 代表者氏名
- ⑪ 代表者電話番号
- ⑫ 担当者氏名
- ⑬ 担当者電話番号
- ⑭ 担当者メールアドレス
- ⑮ 前の事業年度の事業収入
- ⑯ 決算月
- ⑰ 対象月
- ⑱ 対象月の月間事業収入
ここでのポイントは、①「法人番号」、⑥「設立年月日」、⑦「資本金の額又は出資の総額」です。
法人番号がわからない場合は、確定申告書に書いてあるため、それで確認してください。
設立年月日がわからない場合は、登記簿謄本を確認してみましょう。
そして、資本金や出資金についても確定申告書に記載されているため、そちらを参考にしましょう。
中小企業の事業者にとっては、普段、あまり意識しないことでもあるため、どこに何が書いてあるかなど、不明な点が多いかもしれません。
そのような場合は、税理士に相談したり、経理などの担当者に任せたり、工夫してみましょう。
〇口座情報の入力
この目的は給付金の振込先を指定するためです。
- ① 金融機関名
- ② 金融機関コード
- ③ 支店名
- ④ 支店コード
- ⑤ 種別
- ⑥ 口座番号
- ⑦ 口座名義
- 口座名義人は申請される法人名と一致している必要がありますが、法人の代表者名義でも可とします。
そして、一連の入力が済むと、入力した内容を証明するために添付資料を送信します。
添付資料は3種類です。
①確定申告書類
②対象月の売上台帳など
③通帳の写し
確定申告書類は「前年の確定申告書別表一の控え」と「法人事業概況報告書」です。
〇確定申告書別表一の控え
〇法人事業概況報告書
わからない場合は税理士に確認するようにしましょう。
次に売上台帳などです。
売上台帳などについては、売上が前年同月比50%以上減少していることを証明するため、2020年1月以降で該当する月の売上がわかるものを用意します。
例えば、「経理ソフトから抽出した売上データ」、「エクセルで作成した売上データ」、「手書きの売上帳のコピー」などです。
そして、最後に通帳の写しです。
通帳の表面と見開き1ページ目・2ページ目の画像を添付・送信します。
イメージとしては次のような感じです。
インターネットバンキングをしている場合は、画面のコピーを添付します。
添付資料の送信で問題になるのが「PDF・JPG・PNG」でファイルを送信することです。
パソコンに不慣れな事業者の場合、この意味がわからない方がいるかもしれません。
そのような場合は、パソコンに慣れている人にやり方を聞いてみるのがいいと思います。
一応、申請サポート会場で操作のアドバイスが受けられるようになってはいますが、パソコンやスマホで来訪予約をしてから行くことになるため、あまり意味はないかもしれません。
誰も聞く人がいないなどの場合は、感染リスクには気を付けてサポートを受けてみましょう。
ちなみに受付期間は令和2年5月1日から令和3年1月15日までとなっています。
この間で持続化給付金の対象になる場合、忘れる人はほとんどいないと思いますが、極力忘れずに申請をするようにしてください。
ということで、持続化給付金の個人的な感想は、パソコンがある程度使える人なら手続きは簡単ということです。
そうでなければ、知っていそうな人にお願いして助けてもらうようにしましょう。
最後に動画貼っておきますね。
見てからやってみると、よりわかりやすいと思います。
持続化給付金に関するお知らせ -事務局ホームページ操作・入力編(中小法人等向け)-