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家計教師:教養の定着過程(わからないがわかって、自分で考えられるようにするには)

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 家計教師、講義を始めるにあたって、まず最初にこんなお話をしていきたいと思います。

 教養の定着過程についてです。要は「わからないがわかって、自分で考えられるようにするにはどのような道をたどればよいか」ってことです。

 

 では、始めます。

 その道程はこんな感じですかね。

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 物事を理解し、考え、自分なりの結論を見出すとき、おそらく、この4つの段階を踏んでいるように思われます。「読解」、「探求」、「思考」、「検証」です。

 要は、何を言っているかを理解しようとして、わからないことは調べ、それについてあれこれと考え、実際どうなのかを試す。

 だいたいこんな感じですよね。

 

 読解段階で重要なのは、しっかりと人の話を聞いたり、その本に何が書いてあるかを理解しようとすることです。

 初期段階でしくじる人って、いきなりここでつまずいてるんだと思います。

 「何言ってるか、わかんね」って思うときってありますよね。

 話し手が早口だったり、支離滅裂な会話をしていたり、論理展開が複雑怪奇過ぎて何を言いたいかつかめないとか、聞き手が他のこと考えてたり、気が散漫してたりとか、そういった場合は除くとして、まぁ、聞けばわかるよね、読めばわかるよね、ぐらいの内容でも「何言ってるか、わかんね」って思う人は、そもそも言葉の意味を間違って覚えてしまっていたり、ボキャブラリーが足りていなかったり、そういった基礎的な教養が欠けている可能性があります。

 なので、まずは、「しっかりと人の話を聞く」、「しっかりと文章を読む」ことを心掛け、意味を理解しようと努めることに慣れるところから始める必要があります。

 お金の話や経済に関する事柄って、ほぼほぼ、この初期段階でつまづいているケースが多いように思いますが、しっかりと話を聞こうとしたところで、しっかりと文章を読もうとしたところで、そもそも言葉の意味がわからなかったりするのでしょうがないと言えばしょうがないような気もします。

 ただ、しっかりと話を聞く、文章を読むことすら諦めてしまうとなると、先に進むことができないので、やはり読解段階は最も重要なプロセスであろうと思います。

 

 んじゃ、読解段階をクリアしました、次の探求段階に進みますとします。

 探求段階は、まさに、言葉の意味を調べたり、人の話を聞いて疑問に思ったことを調べたりと、読解段階で不足している部分を補う作業といえます。

 人間、言葉を持たないと考えることすらできませんよね。この段階はボキャブラリーを身につける過程ともいえます。

 さらに言葉がわかると、聞いた話、読んだ文章を振り返り、「あのとき言ってたことってどういうことなんだろう」とか、「なんでこういう理屈になるんだろう」とか、だんだんといろんな疑問がわいてきます。

 言葉を知ったから疑問を抱ける。つまり、疑問がわかない人っていうのは、言葉が満たされていないってことになるんですよね。

 ここまで来て、ようやく、自分で考えだそうとしていることになります。

 でも、まだこの段階では考えているとはいえません。

 なぜならば、理解を組み立てる段階にまでは達していないからです。

 

 そこで、次のステージである思考段階に入っていきます。

 ここからが考えるということです。

 「ちゃんと考えろよ!」って言われて「考えてるよ!」って言っちゃうときってありますよね。

 そういうときって、往々にして、読解段階でつまづいているか、探求段階が満たされていないか、もしくは、その両方か、そんなところです。

 それじゃ、考えるとは何かというと、もう1回理解しようとすることです。人の話や書いてあった文章をもう一度振り返って、再度、理解しようとすることです。

 この段階では、探求段階をクリアしているため、必要なボキャブラリーは満たされています。

 なので、もう1回理解してみようという努力はそれほど苦には感じないはずです。

 で、仮説を立てられるようになります。

 もう一度理解しようとする過程で、疑問に対する答えを導き出そうとするため、「おそらくこういうことだろう」、「この理屈で考えて、ある程度問題はないだろう」、そういった仮説や推論を組み立て始めます。

 思考段階で重要なポイントは想像力です。言葉としては妄想力でもいいんですが、あれこれ頭の中で組み立てる力ですよね。

 イメージを膨らませて、多面的、多角的に物事を推論していこうとするのが思考段階の特徴です。

 

 FPに相談しに来る人たちは、ほぼほぼここまでたどり着くことができていません。

 そりゃそうですよね、お金のこととか、経済のこととか、なんだかんだ言って難しかったりするので。

 読解段階、探求段階、思考段階のどこかでつまづくから相談しに来るわけです。

 でもね、いわゆるマネーリテラシーを身につける目的はここにあるんですが、ここにたどり着くまでのハードルが高いため挫折する人が続出するというのはわからなくもないです。

 まぁ、ハードルが低ければ専門家の類はこの世に必要ありませんからね。

 

 さぁ、最後の段階ですが、検証段階です。

 検証ってことなので、それまで組み立ててきた仮説や推論を実際に試していくステージがここです。

 要は、「ここまで考えたんだからやってみよ」って段階ですよね。躊躇なくやればいいだけの話です。

 それでも、躊躇しちゃう人がいるんです、こんなに考えたのに。

 ここで注意したいのは自分を信じてあげられないことなんですが、ここまで来たわけですから、余計なことを考えずに、深く悩まずに、いらぬ心配をせずに、やればいだけです。

 で、やってみたら、それ相応の結果が出ます。

 上手くいったなら良し、いかなかったら問題点を探り、克服すればいいわけです。

 この作業が面倒だって思うかもしれませんが、人生、この繰り返しじゃないですか。なんらおかしなことではないので、当たり前のこととして受け止めてあげれば少しは気が楽になるんじゃないかと思います。

 

 ということで、家計教師の導入部分として、今回は「教養の定着過程」というお話をしました。

 教養が身に付いていく過程をひも解くとこんな感じになろうかと思います。

 要は、何を言っているかを理解しようとして、わからないことは調べ、それについてあれこれと考え、実際どうなのかを試す。

 大なり小なり、人は、生きる上でこんなふうに物事と向き合っているんだと思います。

 こういう構造理解というか、仕組みをわかっていると、考えるのって難しいって思いませんよね。

 なぜならば、つまづくポイントが初めからわかってるんですもん。

 だから、考えることに気を病む必要はないってことなんです。

 この癖、ちゃんと身につけましょ。

 この4つの段階、「読解」、「探求」、「思考」、「検証」っていうのがマネーリテラシーを身につける順路になります。

 

 家計教師では、この4つの段階を意識して講義を行っていきます。

 教養が定着する癖をつけるために。

 

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