1970年以降生まれの「ライフ&マネー塾」をリニューアルします。その骨子を発表します!
さて、2022年もそろそろ4月が近づいてきました。
FP OFFICE 海援隊は、開業以来、15年目を迎え、来年度より新たな企画を立ち上げることとしました。
その名も
単純に家庭教師を文字って「家計」教師ってしただけなんですけど、家計について学習してもらうための企画です。
なんでそう考えたのかというと、これねぇ、相当、まずいと思うんですよね。いろいろと問題というか、課題というか、この国にはそういったものが山積しているわけですが、一言でいうと、私たちの知識や能力が時代の流れに追いつけなくなっているというか、たぶんですけど、どこかの時代で時が止まってしまっているような気がして、変わりゆく常識というか、教養というか、そういったものの水準を上げていかないと、とにかくやばいような気がするんです。
具体的にいうとですね、これまでの15年間のFP人生の中ではっきりとわかったことなんですが、人々の考え方というか、価値観が、完全に負の方向に動き出しているので、ここに切り込まないと、おそらく、これからの数十年は安心・安全・安定の椅子をひたすら奪い合うだけの人生というか、時代というか、そういう潮流にただ巻き込まれて終わっていくような気がするんです。
例えばです。
我々FP事務所に相談する方の場合、おおよそ、将来に対して何らかの不安を抱えているという共通点があります。
これって、昔と比べたら尋常じゃないんですよ。
「そこ、そんなに気にする必要ある?」
「なんで、そこまで神経質になるほど心配なの?」
「考えるポイント、違くない?」
こんなふうにいうと大変失礼だと思いますが、やっぱり不自然なんですよね。
人間力が落ちているというか、神経症になっているというか、まるでまだ見ぬ何かにひたすら怯えているかのような、身構えて、閉じこもって、固くなって、何かの幻想に取りつかれているような印象すら覚えることがあるんです。
普通に考えてです、本来、お金のことなんて、そんなに気にする必要はなかったりするわけなんですが、そういう人たちはどうしても心理的にそうはいかない。
遠い将来に不安を感じているはずのに、今、何かが足りなくて、何かが満たされていなくて、だから、一切合切、今も、未来も全部、不安に感じてしまって、何をすべきかとか、どうすべきかとか、そういった考えが及ばず、ましてや行動にも自信が持てず、たかがお金のことと言ってしまうとあれなんですが、不安な気持ちを埋めてくれるのがお金になっているように見えて、程度の差はあれ、相当、この国の価値観はやばい状況になりつつあるように感じています。
例え話でよくいうことなんですが、相談の場面で実際にあったことでいうと、「iDeCoとつみたてNISA、どっちがお得なんですか?」、これね、「資産運用とか、投資とか、一度もやったことがなくて、右も左もわかりません、でも、みんながやっているのでやってみたいです」みたいな話の流れで出てくる会話なんですけど、これね、投資初心者がまず気にすべきポイントじゃないんです。
iDeCoとか、つみたてNISAとか、少し調べて見て、自分なりに考えて、どっちが得なんだろうってことなんですけど、この質問を聞いて、パッと瞬時に頭を過ったのは「どっちでもいいじゃん、目的が違うんだから」ってことなんです。
つまり、質問の趣旨は、「税金が得なのはどっち?」って聞いているわけなんですけど、まず、そこを気にするんじゃなくて、何のためのiDeCoなのか、何のためのつみたてNISAなのかをはっきりとさせない限り、どっちが得とか言えないってことなんです。
なぜ、このようなちぐはぐな状況に陥るかというと、おそらく原因は2つあると思います。
ひとつは「読解力」が不足している、もうひとつは「損得勘定が強すぎる」という点です。
損得勘定の点から考えると、これはしょうがないと言えばしょうがないんですが、それだけ将来に不安を感じているとか、家族など周りに相談できる人がいないとか、自分に自信がないとか、そういった心理的側面から来る問題です。要は、そういう気持ちの面で満たされていないいろいろなものが重なって、お金に価値を置く人生を歩み過ぎた結果なんですよね。
だって、いろいろと信頼できる人に囲まれて、自分に自信があって、心が満たされていると、少しぐらいなら損したっていいかって気持ちになりますもん。
でも、損したくないから疑うわけです。自分を。
そして、自分に自信が置けないから、金銭的に得する方を選んで満たされたいとなるわけです。
もうひとつの読解力については、これは単純です。
単に、調べてみて、その内容を読み込めていないという意味です。
これね、もう少し深く考えると、子どものころからどれぐらい人と会話してきたとか、どれぐらい本を読んできたとか、どれぐらい体を動かしてきたとか、そういうのに関連してると思うんですよね。
読解力の本質は、まったく知らないところから因果関係を見つけ出すことにあります。要は、理屈を組み立てる力というか、仮説を立てる力というか、根本は想像力なんですよね。
これが育まれるのは、子どもの頃に出会った不確実な環境で、何がどうなるかわからないという、いわば自然の中にあるよくわからないもの、よくわからない相手に対して、自分がどう触れてきたかによってくるように思います。
簡単にいうとですね、わからないものを自分なりに組み立てる力を育めてきたかなんですけど、そういう訓練というか、経験を積みながら大人になってきていないという意味でもあるんです。
例えば、教育面でいうと、よく言われることですが、詰め込み教育はダメだ、考える力を育む教育が大事って言われますよね。
足し算の方法は知ってるけど、なんで1+1が2になるかがわからないって考えるとわかりやすいかもしれません。
子どもに足し算を教えるときに、親としてどう教えるか。
方法論として1+1=2という式で教えると思いますが、リンゴを1個あげる、もう1個あげる、2個あげましたと因果関係で説明するのって手間がかかります。
この手間を大人になるにつれてやらなくなる。
これが、人の考える力を削いでいる、つまり、因果関係を紐解き、読解力を養う機会を奪ってしまう原因なんです。
なので、これ、結構、致命的なんですよ。
例に挙げたのは、「iDeCoとつみたてNISA、どっちがお得なんですか?」という質問でした。
そこから、原因は読解力の不足と過剰な損得勘定の2つにあるかもしれないという仮説を立てました。
それらの奥に眠っているものは、おそらく、子どもの頃からの教育の習慣と精神面で満たされていないことの2つであろうとさらなる仮説を立てました。
こうやって原因を探っていくと、その質問の回答は「どっちでもいい、なぜならば、目的が違うから」と言ってしまってもOKということになってしまうんです。
実際はそうは言いませんけどね。
今、お話したのはあくまでも一例ですが、他にも「ん~」と心の中で唸るような相談内容に巡り合う機会を今まで幾度となく経験しました。
そして、思ったことが「もう、こういうの、やめよ」です。
つまり、相談の前に他にやることあるということです。
それが、
なんです。
まずは、教養を再構築します。経済的な部分の。
じゃないと「家計」教師にはなりえませんからね。
で、その過程で心理的な紐解きも可能ならば行っていきます。
気持ちの面で満たされないものがあるからお金に固執するわけです。
本来、ここは自分で解決してもらう必要があるんですが、この部分についてFPに相談したところで改善されるわけありません。なんせ、畑が違うわけですから。
でも、心理的な紐解きも少しずつ緩やかに行うことで、自分に自信を持ってもらったり、安心感を抱いてもらったりすることぐらいはできるように思います。
で、教養の再構築については、基礎教育、特に、間違って理解しないとか、趣旨を読み込みながら理解するとか、そういった国語や算数に似たアプローチをしていこうと考えています。
これがないと、自分で調べたり、考えたりすることができないんです。
つまり、いつまでたっても応用力が身に付かず、いつも振出しから始まって間違えるといった人生になってしまうんです。そんなことをしていると時間がいくらあっても足りません。要領が悪すぎます。
だから、家計教師で、個別指導で、基礎の習得を目指します。
方法としては、日本FP協会が実際に高校生、大学生向けに使っている指導要綱をもとに、FP OFFICE 海援隊作成の補足教材を活用し、ポイントを外さない理解を身に付けてもらいます。
おそらく、経済的な、人生における家計的な軸はこれで習得できるはずです。
そうなったら、旅立ってもらえればいいと考えています。
家計教師は、自分で考え、行動できる人生を送ってもらうための「大人の個別指導講座」です。
その水準に達せずに誰かに相談したところで、例えば、銀行の窓口に相談しに行ったら訳のわからない金融商品を勧められ買ってしまったとか、ハウスメーカーの住宅展示場に行ったら○○生命の保険の人に遭って保険を勧められ入ってしまったとか、そういう不本意な目に遭うのは、もうしょうがないよねとなってしまいます。
そうなってほしくないんです。
そのための一助が家計教師です。
ある程度自分の中に教養ができてきたら、基本的なことは相談しなくても済むでしょ。
ということは、難しいことが出てきたら相談すればいいだけの話です。
ここに専門家としての価値があるんですよね。
そして、1970年以降生まれの「ライフ&マネー塾」も、このような趣旨のもと、家計教師という概念や目的を携えてリニューアルしていきます。
本質的な話やポイントを丁寧に伝わるように工夫して解説していくので、暇なときにでも目を落としてもらえれば幸いです。
ちなみに、まだ、家計教師についてはホームページでは掲載していませんが、急がず、ゆっくりと作り替えていきますので、こちらも興味があればご覧くださいね~。
ということで、今みたいな、お金、お金、お金と、金融業界も、その顧客になる人も、こぞってそっちの方に進んでいこうとしている世の中を己の力で軌道修正していきますので、今後とも、よろしくお願い申し上げます。