FP OFFICE 海援隊|1970年以降生まれの「ライフ&マネー塾」

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SDGs。持続可能な資産運用のこれからと矛盾。

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 SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)、エス・ディー・ジーズ。

 なんか聞いたことのある言葉としていつの間にか定着してきていますが、2015年から始まって、とりあえず2030年までをメドに、今、積極的に推進されるようになっています。

 中でも2020年から2030年までの10年間は行動に移す期間として、その成果が求められているようです。

 SDGsって聞いたことはあるけどなに?って思う人は結構多いと思います。

 日本語では「持続可能な開発目標」と訳されていますが、英語をそのまま読むと「続けることができる発展の目標」ってなりますよね。

 つまり、地球規模で社会全体を維持しながら幅広く無理のない形で発展させていきましょうって感じの意味です。

 んじゃ、具体的にどんなの?っていうと、こんな感じです。

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 目標が1から17までありますが、この17の目標について地球に住む1人ひとりが行動していきましょうと謳われています。

 例えば、目標1は「貧困問題の解決」ですが、「あらゆる場所あらゆる形態の貧困を終わらせる」ことを目標としています。素晴らしいですよね。

 目標7は「エネルギー問題の解決」です。「すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的なエネルギーへのアクセスを確保する」ことが目標だそうです。素晴らしいことです。

 そして、目標8は「経済成長と雇用についての問題解決」ですが、「包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用を促進する」ことが目標とされています。これまた素晴らしいことと思います。

 こういう目標がわぁ~って17個もあって、私たちが住む地球についてもっと考え行動しましょう、私たち一人ひとりがもっと自由と平等、人間らしい生き方ができるように世界規模で考え行動するようにしましょう、世界中の人々が経済的に豊かで幸せになれるよう働き方なども含め考え行動しましょう、とおおまかに3つに分けられるかもしれません。

 素晴らしいですよね。

 外務省の動画を見るとよりイメージしやすいので、気になる方は参考までにご覧ください。


【外務省×SDGs】「行動の10年」できることから始めよう!


【外務省×SDGs】どれから始める?未来のために

 

 国連が主導していろんな国が賛同して参加するようになっているSDGs

 長い目でいろいろな問題が解決されたらいいとは思うんですけど、まぁ、国連が音頭を取っていることなんで、たぶん、まとまり悪くて中途半端に終わるんだろうなぁと思っています。

 世界各国がそれぞれできる範囲で実行するのはいいと思うんです。

 一人ひとりがSDGsについて関心を示し、自分にできることは何かを考え、行動に移そうっていうのも必要だと思うんです。

 でもね、今、コロナなんです。

 この動画でもありましたが、例えば、LIXIL発展途上国にトイレを支援し、その地域の衛生環境に貢献しているということで素晴らしいことだと思うんですけど、一方で、先日の報道では大量に従業員をリストラしてました。

 それとか、フードロスの解決ですが、例えばコンビニとかで節分の時期に恵方巻を山ほど作って売ってますけど、その結果、恵方巻が廃棄処分になって、だからこれをなくそうってなってますけど、無駄をなくすって発想に偏ってしまうと、それはそれで需要不足に拍車をかけるので経済的には良くなかったりします。

 いいんですよ、別に、取組としては。

 でも、SDGsって空気に包まれると、やれレジ袋有料化だの、やれ二酸化炭素の排出量を削減しますだの、働き方改革で残業しちゃだめだの、人は自由で平等なんだから秩序とか、しきたりとか、慣習とか、そんなのいらないだの、しまいには規制緩和だの、構造改革だの、なんかホントにそれでいいのかなと思わざるを得ない副作用に目を覆うようになってしまうので、ちょっとどうなん?SDGsって思ってしまう自分もいます。

 いいんですよね。本当にそういう社会が実現できるなら。

 人に優しい社会になってくれればそれでいいと思っています。

 でもね、菅さんは、コロナ禍にあって「自助・共助・公助」って言っちゃってますし、コロナ禍にあって失業率が3%に達し、働きたいのに働けないとか、派遣切りとか、リストラとか、配置転換とか、そういうのは自助ってわけですから、それでSDGsってって思ってしまいます。

 中小企業向けの支援策を取っても、結局、安倍政権からの政策踏襲で、家賃支援の予算が余ったからそれを持続化給付金の適用期間延長に充てるって、もっと財政出動しないとこれからも倒産や廃業する会社増えちゃいますけどって思ってしまいます。

 それでSDGsって・・・。

 何が言いたいかっていうと、確かにSDGsは素晴らしい取り組みだと思います。

 特にリーマンショック後の行き過ぎた資本主義に対する是正という意味もあるため必要なことです。

 でもね、余裕がある時じゃないとできないんです。

 心も、体も、懐も、ある程度潤っていないと、実行に移すのが難しいのが現実でしょう。

 だから、スローガンを掲げて空気を作り上げたところで、今、コロナなんです。

 矛盾点がいっぱいあります。

 

 そういう声ってなんか聞こえてこないなぁと思いながら、アメリカの大統領選挙についての情報を探っています。

 SDGsについて言えば、この流れはすでに日本にも及んでいるため、この国の経済とか、企業活動とか、家計、そして私たちの暮らしにどのような影響を及ぼすかを見ておく必要があります。

 いろいろな取り組みがあって、それらが良くも悪しくも影響を及ぼし合ってSDGsは進んでいくんでしょうけど、少なくともひとつ言えることは、マネーはすでにそこに向かっているということです。

日経平均株価指数

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 SDGsはおそらく、日経平均株価指数を今後10年間でさらに押し上げる可能性が高いと考えています。
 例えば、スマートシティーに向けた企業の取り組み。

 トヨタがなんかやろうとしているっていうのはテレビなどを通じて見えてきていますが、国もそれを後押しし、スマートシティー構想が実現されるようになっています。

 コロナ禍もあってその必要性が訴えられ実行に移されているオンライン教育もそうですし、ここ近年わんわん言われている地方創生も、SDGsの枠組みの中で実施されるようになっています。

 なんか、振り替えるといろいろなものがSDGsに結び付けられて語られているようですが、その裏では、巨額なマネーが株式市場を席巻しています。

 そして、SDGs自体、IT産業や情報技術、イノベーション(技術革新)といった新しい分野との親和性が高いため、今後も、そこにマネーが集まっていくのは必定と言えるでしょう。

 というか、2020年を行動開始の年とし、2030年までの10年間をとりあえずの行動期間としているため、当たり前ですけど、この分野に投資資金がガーっと集まっていきます。

 コロナなのにね、苦しんでいる人が多いのにね。

 

 もし、資産運用をするなら、iDeCoでもいいでしょうし、つみたてNISAでもいいでしょうけど、とりあえず、このSDGsの波に乗っておけばいいんじゃないでしょうか。

 世界には資産運用なんてできない人が山ほどいますけど・・・。

 

 結局、そういうことなんです、SDGSって。

 バイデンがトランプ大統領に代わり大統領の座に就いたら、つまるところ、グローバリズムへの揺り戻しが起こり、さらにそれが加速するわけです。

 キラキラした、世の中のためになるような印象を与えながらSDGsは広がっていくと思いますが、内実、資本家たちはマネーをそこに振り向けていきます。

 ホントはさ、その資産で地球規模の問題解決に当たればいいんじゃないの?って思いますけど、日本の場合、資産運用がiDeCoとか、つみたてNISAといった長期投資で縛られてしまうため、途中で降りることができず、その結果、資産効果(獲得した利益で消費が活発になること)を期待できないため、ひたすらお金を貯めて増やすだけの行動にしか結びつかないと思うと、SDGsっていいよねっていう空気はどうなんだろうって思ってしまいます。

 だから矛盾してるんです。国連の言い出すことっていうのは。

 

 この大きな矛盾に対して、自分はどう考え、何をするか。

 これからの10年は、新たに敷かれたグローバリズムに対して自分が何を考えるかという10年になるように思います。

 

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