FP OFFICE 海援隊|1970年以降生まれの「ライフ&マネー塾」

子育てしながら、お金を貯める。これまでとはちょっと違った未来の常識。

これからのマイホームは、長く、大事に、持ち続ける。

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 現在、空き家対策についてのご相談でいろいろと苦慮している最中です。

 その中ではっきりと見えてきたもの。

 それが、日本の住宅政策の転換です。

 夢のマイホーム。

 コツコツお金を貯めて、住宅ローンを組んで、やっと買えたマイホーム。

 この定義が、すでに変わってきていますというお話を今回はします。

 結構、重要です。

 

 マイホームを買うとき、人は、何のために家を持つかを考えます。

 ひとつは家族とともに過ごすため、もうひとつは資産を持つためです。

 別の言い方をすると、前者は使うという目的であるため「消費」、後者はリッチになるという目的であるため「投資」ということになるでしょう。

 これが、戦後、高度経済成長期を経て行われた住宅政策の目的です。

 住宅の購入を促進し、経済を成長させ、また国民の資産形成を促す。

 今でも、私たち国民にとって、これは当たり前の考え方なのかもしれません。

 

 しかし、時代は、高度経済成長期以降の人口増加社会とは真逆の「人口減少化社会」に突入しています。

日本の人口は減っていく。

 これを見越し、国は住宅政策の目的を「消費」から、本当の意味での「投資」に切り替えました。

 本当の意味での投資とは何か。

資産を長期的に活用すること。

 つまり、マイホームを大切に使うことで、不動産の価値を保全し、長く利活用してもらおうという「再投資」の意味です。

 高度経済成長期、様々な新しいモノ・コトが生み出され、消費され、そして捨てられてきました。

 その価値観がその後も続き、生まれては使われ、使われては捨てられるという「消費経済」が私たちにとって当たり前になりました。

 住宅政策にも同じことが言え、これを改めていこうというのが「消費」から「再投資」への流れです。

 

 考えてみれば当たり前ですよね。

 むしろ使い捨ての方が、今どき問題があるようにも思えます。

 人口が増え続ける社会では使い捨て文化でも良かったのかもしれません。

 次々に新しいモノが生み出されるわけですから捨てないと経済成長するには間に合いません。

 でも、人口が減り続ける社会では、新しいものを生み出しても買い手が少なく、むしろ一度生み出したものを大事に使い続ける方が経済を維持しやすくなります。

 経済を視点に考えると「成長」から「維持」へということになりますが、住宅政策においても同じ構図が成り立っています。

 かつてに比べ新築着工件数が減少し、中古住宅のリフォームやリノベーション件数が増えているのもその現れでしょう。

 平成21年に施行された「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」により、100年安心して住める家としての「長期優良住宅」が建てられてきているのも、マイホームを長持ちさせ、長期にわたり住み替えられる不動産の利活用(再投資)が根底にあります。

 さらに「中古住宅市場の流通促進」や「住宅確保要配慮者あんしん居住推進事業」、「住宅セーフティネット制度」、移住・住みかえ支援機構(JTI)の行っている「マイホーム借り上げ制度」などを見ると、住宅の利活用(再投資)がいかに急務の課題かがわかります。

 

 空き家対策のご相談で見えてきたもの。

 それは、住宅を「捨てる」のではなく「活かす」という発想の、国の大転換です。

 これにはコストがかかります。

 マイホームの維持費用です。

 資産価値を保全しながら長く住宅を保有し続けることができるからこそ、中古住宅市場が流通しやすくなります。

 単身・夫婦のみの高齢者世帯は別の場所に移り住み、代わりにその家に子育て世帯が移住する。

 こうして不動産が活かされる仕組みが地域に生まれます。

 これを日本全体で行い、国民の価値観の中に資産を活かすというより豊かな価値観が育まれるなら、これこそが真の投資であり、住宅先進国と呼ばれることになるでしょう。

 

 マイホームをめぐっては、持ち家派か、賃貸派かといった議論が尽きませんが、これ自体にさほど意味はなく、むしろ、人口減少化社会において、どのように住まうべきかを軸に議論する方がよほど意味のあることと思います。

 なぜならば、住宅政策が「消費」から「再投資」に向かう世の中では、マイホームを賃貸し、中古物件を購入し、最後は賃貸で人生をまっとうするといったケースが増えてくるからです。

 

 時代は常に進んでいきます。

 これからの時代は、人口がより減りやすくなる世の中になります。

 その中で、私たちの暮らしを取り巻く環境はどうなるのか。

 1970年以降生まれの私たちにとって、マイホームを考えるとは、50年先を見据えるという意味でもあります。

 遠い未来の話ですが、国の制度が人口減少化社会を想定して動き出しているということは、もうそのように未来のレールが敷かれたことを意味します。

 

 暮らしのこと、お金のこと。

 私たちに必要なことは、昔とは違った考えに気づくこと。

 

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