FP事務所としての2019年の振り返り
大河ドラマがあと少しになると、「もう、今年も終わりかぁ」と思ってしまいます。
個人的には「いだてん」は面白く見ていますが、視聴率が低いのはなんでなのか、不思議に思っているところです。
さて、2019年、今年は今年でいろんなことがありました。
元号が平成から令和に変わり、それにともない式典などが開かれ、台風などの自然災害も多く発生し、良いことと悪いことが重なった1年だったような気がします。
経済的には、やはり「米中の対立」ですかね。
世界経済はこれに翻弄されました。
マーケット的には、アメリカの利下げで難を乗り切り、結果として、株価は上昇、確定拠出年金やNISAなどで運用されている方にとっては、評価額が増加した人もいるかもしれません。
とはいうものの、世界経済は減速真っただ中にあるため、今後も、高値警戒感からの売りが出やすく、注意が必要です。
そんな中、日本国内では、10月に消費税率を8%から10%に引き上げてしまいました。
賛否両論あるでしょうけど、結局、予測通り、最近、次々に発表されている10月の経済データは「悪化」のオンパレードです。
来年の国内経済は、特に、東京オリンピック・パラリンピックが終わった後ですが、国内消費の減速と世界経済の悪化とで冷え込むだろうと考えています。
今年の幣事務所について振り返ると、お問い合わせの件数が多かった1年でした。
子育て世帯が7割ぐらいですかね。
中でも、「子育てしながら老後のお金」をいかに整えていくかといったライフプランシミュレーションが共通事項として目立った印象です。
消費税の増税も見越してか、マイホームの購入に関するご相談が多く、住宅ローンを組む前にどうしたらいいかといったご心配をされている方が多かったかもしれません。
これに加え、お子さんの教育・進学資金の準備と、老後の貯蓄、とりわけ、確定拠出年金やNISAなども合わせた内容のご相談が目立ちました。
残りの3割はというと、退職準備世帯とシニア世帯からの老後の生活についてのご相談です。
他には、特殊な例として、空き家について、離婚に際しての財産分与、相続・事業承継、各種助成金・補助金に関するご相談など、社会問題や国の政策に絡んだ対応を多くさせていただきました。
ファイナンシャル・プランナー事務所というと、おそらく、保険や資産運用といった印象を持つ方が多いと思います。
でも、実はそうではなく、人生にかかわる暮らしやお金のこと全般について、幅広く相談に乗るのが仕事です。
最近では、保険ショップなどが「ファイナンシャル・プランナーに無料で相談できる!」と売り文句にしていますが、こういうところに、人生設計や生活にまつわるお金の相談をしに行っても、なんら解決することはありません。
実際、保険ショップに行った方からお問い合わせを受け、保険の相談対応をさせていただいたこともあるぐらいです。
こういうのって、判断するの難しいですよね。
FPに相談できると思って行ったら、高い保険を勧められて、そのまま入ってしまった・・・。
ただ、何らかの会社にお勤めのファイナンシャル・プランナーの方にとっては、仕事なので無理もないと思います。
求められるのは「倫理観」。
今年は、日本郵政において保険の二重加入などの問題が発覚しました。
ありえない話ですが、厳しいノルマが課される中、販売を担当していた方たちがモラルを逸してしまった事例といえます。
他にも、昨年、大きな問題になったスルガ銀行ですが、結局、いくつかの金融機関や不動産投資会社で住宅ローンの不正融資が発覚しました。
これも、倫理観の欠如が引き起こした大きな問題といえます。
企業にとっては「倫理観」が最も求められている時代ですが、個人にとっては逆に、自分で判断できる能力をいかに身につけるかが問われる時代になっています。
今年、比較的多かった、「保険ショップに行ったんですけど・・・」、「銀行に行ったんですけど・・・」、「住宅展示場に行ったんですけど・・・」と、FP事務所にセカンドオピニオンを求めに来てくださったケースを考えると、自分でよく考えたいというニーズが高まっているのではないかと推察しています。
今年ももう残すところわずかです。
年末まで、今年の仕事の後片づけをするつもりですが、その間、どこかのタイミングで、来年に向けたマーケットの予測をしていこうと考えています。