FP OFFICE 海援隊|1970年以降生まれの「ライフ&マネー塾」

これからの時代、変わりゆく常識を少しだけ早くキャッチし、人生に活かしてみる。

2018年1月スタート!FP事務所が考える「つみたてNISA攻略法」

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 以前、ご相談の対応をさせていただいた方からLineでメッセージが・・・。

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 ありがたいことです。

 今のブログのタイトルは「1970年以降生まれの雑な話。ときどき本音」

 基本、顧客サービスとしての情報提供だから、こんなふうにリクエストしていただけると、やっててよかったって思えてきます。

 本当にありがとうございます。

 

 ってことで、自分が思う「つみたてNISA」攻略法、いってみよっ!

 

 っていうかさ、いきなり話は違うんだけど、ネットでいろんな情報見つける機会が増えてるじゃん?

 記事を読むことも多いと思うけど、ぶっちゃけ、国の政策や制度に関する内容は、そこら辺に落ちてるような記事じゃなくて、直接、国や行政機関がやってるサイトに行って読んだ方がいい時代になってるような気がする。

 新聞社や雑誌社なんかのライターが書いてるような記事って、結構、中途半端で業者が有利になるようにバイアスがかかっちゃってるのも散見されるから、直接情報ソースにアクセスした方がわかりやすいし、理解が早い。

 こうやるとより自分で判断しやすくなるよね。

 

 さて、本題に入ります。

 つみたてNISAね。

 これを理解するには、このサイトを見ればいい。

 金融庁「つみたてNISA」のページ。

 この中でつみたてNISAの説明がされてるんだけど、超わかりやすいのがこのページ。

 「つみたてNISA 早わかりガイドブック」

 なので、まず、これを紐解きながら、FPとしての自分の見解をつづっていく。

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 一番最初のページだけど、つみたてNISAで資産形成してみません?って内容ね。

 要は、金利が低い今みたいな金融情勢だと、まぁ、これからもこの状況が長く続くと思うけど、お金貯まんないよね、増えないよねってことで、国が税制を変更してまで作った制度の目的が説明されてる。

 原則論でいうと、お金を本当に貯めたい、増やしたいっていうんならちょっとぐらいリスク取らないと貯まんない、増えないのは当たり前なんだけど、確定拠出年金制度(日本版401k)と同じく、日本人には資産運用って価値観や、それについての知識・経験が依然として満たされてないから、どうしたらいいかわからないって人が多いのが実情。

 だから、個人的には、やってみたいって思う人が失敗を繰り返しながら知識や経験を積んでいけばいいと思ってるんだけどね。

 自己責任で。

 ここ近年、外貨建ての保険が流行ってるけど、こっちはこっちでリスクはある。

 でも、資産運用って受け止め方じゃなくて保険って受け止め方でやっちゃうからおかしなことになってて、ちゃんと内容知ってる人なら、老後の生活資金の補てんを目的にする場合、通常のNISA・つみたてNISA・確定拠出年金制度を使って資産形成するって方法を取ると思う。

 節税効果がぜんぜん違うからね。

 ってことで、FPとしては「国の制度を最大限に活かす」って選択をお勧めします。

 それがNISAね。

 

 次にこのページ。

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 つみたてNISAの基本。

 投資の対象は「少額から始められる投資信託って書いてある。

 少額からっていうのが「つみたて」ってイメージで、着実性を表現してるのが投資信託って感じかな。

 つったところで、安全ってわけじゃないからね。

 もちろんリスクはある。

 

 じゃあ、つみたてNISAってなんなの?

 NISA少額投資非課税制度っていわれるけど、「Nippon Individual Saving Account」って言葉を見ると本当の意味がわかる。

 日本版「ISA」制度

 individualっていうのは、個人のって意味だけど、in+divideだからすごく分けるってことで、限定されたとか、特定のって意味になる。

 savingは保つって意味だから、保管・管理ってことだよね。

 で、accountは勘定って意味。

 つまり、口座だ。

 ってことは、NISA自体は、特定の範囲に限って口座の管理をしていきますって制度のこと。

 もうちょっと説明すると、投資金額が一定の範囲内までなら、あなたの運用口座には税金をかけませんっていう税制だね。

 

 じゃあ、つみたてって何なのよ。

 通常のNISAの場合は株式も投資対象になってるんだけど、株式だとコツコツって感じしないじゃん?

 だから、思うように利用者数が伸びなかったんだろうね。

 そこで、株式を投資対象から外して投資信託(公募株式投資信託と上場株式投資信託:ETF)だけにし、コツコツ投資のイメージを訴求しました!

 だから、みなさん利用しましょうっていうのがつみたてNISAなんだと思う。

 

 だいぶ前からこの国は「貯蓄から投資へ」で来てて、それが途中で「貯蓄から資産運用へ」になって、今じゃ「貯蓄から資産形成へ」って変わってきた。

 それでもこの国の人々は投資をしてくれないから、苦肉の策でこういうイメージにしてみましたって、なんだかなぁ。

 いっそのこと、直球で「年金はもうごめんなさい。自分の老後は自分で。だから資産運用で」って言ってくれる方がわかりやすいと思うんだけどね。

 

 とりあえず、ここまで理解したうえで、ポイント①は

運用対象が少額から始められる投資信託

 

 んじゃ、次のポイントは

運用利益が非課税

 

 どういう意味?

 要は、投資信託を買って、その後売った利益や分配金(配当みたいなもの)には税金を掛けませんってこと。

 これは昔からある証券税制をちびっと変えたもので、投資家からしてみれば良い話だよね。

 ちなみに上場株式投資信託(ETF)の分配金は、証券会社を通じて受け取る場合だけ非課税になるから、ここんとこは注意。

 これだけでもう答え出ちゃうんだけど、ネット銀行に預金口座を作って、系列のネット証券でつみたてNISA口座を開設、でスタートだね。

 これで決まり!

 

 はい、次。

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 非課税投資枠って言葉が出てきた。

 この意味は、投資できる枠が決まってて、それが年間で40万円分ですよってこと。

 つまり、1年間で40万円分までなら分配金にも売却益(キャピタルゲイン)にも税金がかからずに投資ができる

 しかも、20年間も適用されるんだからなお良い。

 通常のNISAだと、年間120万円が非課税投資枠、適用期間が5年だから、投資信託で運用しますって人の場合、つみたてNISAの方がいいよね。

 ただ、問題は、一般NISA(通常のNISA)も、つみたてNISAも、長期投資を促すのが目的のひとつになっているため、短期売買を繰り返したいって人にとっては向いてない

 つみたてNISAで考えてみる。

 初っ端、40万円、枠いっぱい分の投資信託1銘柄だけ購入したとする。

 それを基準価額(投資信託の価格)が上がったので20年以内に売りました。

 それまでの分配金と売却益に対しては非課税ですって制度がつみたてNISAだから、非課税枠につられちゃうと、短期売買ができなくなっちゃうんだよね。

 非課税投資枠10万円分⇒20万円分⇒10万円分みたいに、1年間で3銘柄を買った場合も同じで、総額40万円分までなら分配金・売却益は非課税になるけど、1年間のうちにそれぞれの銘柄をもう一度買っても非課税にはならない。

 スウィッチングをする場合も同じで、買った投信を手仕舞いして、別の投信に乗り換える場合、その分の非課税枠の再利用ができない。

 つまり、1年目:40万円までを買い付け利益が出たら売却、2年目:40万円までを買い付け利益が出たら売却、3年目・・・って感じで、年に1回新規で買い付けてはどっかの時点で売却していくことが必要になる。

 だから、長期投資向けなんだけど、本来、資産運用ってのはリスクを本当にコントロールしたいっていうんなら短期売買が基本なので、売って買っての繰り返しをしたいって場合、一般NISAもつみたてNISAもおすすめはしない。

 逆に、長期投資でっていうんなら、しっかりと「分散投資」をしてNISA制度と付き合っていくのがベターって感じかな。

 なので、1年目、40万円分の投信を購入⇒どっかの時点で利益が出たら売り、2年目、40万円分の投信を購入⇒どっかの時点で利益が出たら売る、を20年間繰り返すってイメージ。

 分散投資で行く場合は、40万円をいくつかの投信に分けて購入するってことね。

 くれぐれも同じ銘柄を20年間持ち続けるってことは避けた方がいい。

 20年間も上昇相場は続かないからね。

 そう考えると、NISAの運用スタンスは中期投資がベストってことだね。

 長期の税制を活用しながら、中期的に売買していくって感じ。

 スウィッチングができないのが痛いかな。

 

 そんで次のポイントはっていうと、

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 つみたてNISAの対象になるファンドは法律で決まってるんだね。

 ノーロードファンド

 これは販売手数料が0円の投資信託

 さらに、信託報酬っていって運用会社に払う手数料みたいなもんなんだけど、これが少ない投資信託ってなってる。

 このふたつは投信選びでは超重要で、要するにコストを掛けない運用をしなさいってお上が決めたんだね。

 裏返して言うと、金融機関はしっかりと利益が取れるものを投資家に勧めなさいってことになった。

 老後の年金が当てになんない時代が来るから。

 だったら、年金制度ちゃんと変えればいいじゃんって思うけど、金融機関はマイナス金利政策で泣いてる状態、販売手数料0円の投信を売りなさいってなると余計に利益を出しづらい。

 一方で、半ば強制的に始まった確定拠出年金で儲けてるんだけど、これに加えて、銀行じゃ、外貨建ての保険がシコタマ売られてて、結局さ、泣いてるのは初心者の個人投資家じゃんって思ってしまう。

 

 話を元に戻すね。

 頻繁に分配金が支払われない商品って書いてるよね。

 これってなんなのかっていうと、従来の投資信託の場合、たとえば毎月分配金が支払われますって商品があるんだけど、良くない点は、分配金を支払うと投資信託の資産額が減っちゃって、投資信託自体の財務価値が毀損されちゃうこと。

 投資家にとっては、特に長期投資が目的の場合、こういう投信だと原資が減るから、長い間投資をして最後に売りますって人だと、あれ?こんなもんしか儲からないの?ってことになっちゃう。

 だから、途中でこまめに分配金を出すなかれって言ってるのね。

 金融機関は金融庁から指摘されて、この点を改善しなさいって指導を受けてるんだけど、問題の本質は、金融機関が持つ商品設計力が低いってことで、つまり、顧客に合ったオリジナル性のある商品を開発するのが日本の場合遅れてるってことなんだよね。

 まぁ、それはしょうがないでしょ、ヘッジファンドみたいに独立独歩で競争してるわけじゃないんだから金融機関に自律性を求めても酷といえば酷。

 画一的な商品性しか提示できない金融機関が悪いんだけど、日本の金融機関が本当に脱皮できるかはNISAにかかってるのかもね。

 

 さぁ、とりあえずここまで理解したら、FPとしてつみたてNISAの攻略法を考えていきます。

 ずばり、鉄則は

運用スタンスを中期投資にする

 短期の売買とか、スウィッチングができない仕組みの反面、リスクコントロールが難しい長期投資を強制されるわけにもいかないので、その間を取って中期投資で機動力を保ちながら、長期の節税効果を狙いに行く方法。

 なので、

1年間の投資金額は絶対に40万円までに抑える

 

 そんで

分散投資

をしながら、

利益がある程度乗ってきたら売却する

 この意味は前述したとおりね。

 

 そのうえで、どの投資信託にするかなんだけど、投信選びをする前の必須事項は、

金融機関選び

にある。

 どういうこと?

 運用コストが最も少ない銀行や証券会社を選ぶってことね。

 コストを抑える。

 コスト比較が済んだ段階で、

投資信託を選ぶ

 ノーロードファンド(販売手数料0円の投信)を強制的に選ばざるを得ないんだけど、初心者の人にとってはこっちがいいので、必然的にどの投信を選ぶかは決まってくる。

 だから、インデックスファンドがいいですよって言われるんだよね。

 あんま儲かんないけど・・・。

 

 結論。

 積極的に儲けたいっていうなら、確定拠出年金や一般NISA、つみたてNISAのような税制活用メインの投資はしない。

 これは、資産運用、中級者・上級者向けの結論ね。

 初心者の人の場合は、上述したことを守って投資をしていきましょう。

 まず始めはネット証券でつみたてNISAの口座を作って、それでスタートかな。

 

 銘柄選びについては、個別に相談させていただきますっ。

 

 

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