もうひとつの人生軸。副業・兼業・パラレルキャリアってなに?
どんどん施策を推進してもらいたいところだけど、副業・兼業については広まりにくいか・・・。
ざっくりいうと、
・副業や兼業は経済政策だ。
・なんで副業とか兼業の政策が推進されてるの?
・パラレルキャリアってどういうこと?
副業・兼業の政策意図ってなに?
副業・兼業って、みんなどう思う?
これ以上もっと働けっていうのかよって思う人もいれば、自分のキャリアを伸ばせるから挑戦してみたいって人もいるかもしれない。
実際、2014年の「兼業・副業に係る取組み実態調査2014」(中小企業庁)だと、副業・兼業を認めてない企業は全体の85.3%を占める。
すっごい多い印象だけど、当たり前か。
法整備が追い付いてないんだもん。
企業が副業・兼業を認めない理由はこんなところだよね。
・本業に支障が出る可能性がある。
・自社の機密情報が漏れる可能性がある。
・社員の健康などが損なわれる恐れがある。
で、これらを改善しようと法整備に向けた検討が行われてるんだけど、じゃあ、国が副業・兼業をなんで推進してるの?
経済成長なんだよね。
もうちょっと働いたら収入が上がる、そのついでに新しい事業が生まれたら万々歳。
つまり、働く人にとっては、①副収入を得る、②キャリアアップ、③起業って選択肢が準備されてるってことになる。
副業・兼業政策の社会的背景
さて、この政策、どんだけ共感されるんだろ。
ちょっとそもそも論で考えてみる。
働くって何のため?
食っていくため。
んじゃ、食っていくための方法ってどんなのがあるの?
物乞いでも、誰かのヒモでも、生活保護でも、デイトレーダーでも、パート・アルバイトでも、会社員でも、フリーランスでも、起業でも、食っていくって点で考えたら全部成り立つ。
でも、普通は会社員を選ぶよね。
当然だと思うけど、食いっぱぐれのリスクが最も少ないもん。
ただ、時代の流れなんだろうね。
大企業でも倒産するのは珍しくなくなっちゃったし、経済成長が鈍化してるっていうのもある。
それと、生き方そのものの多様性が求められてるっていうのもあるよね。
そこで、会社員の自律性が問われるようになった。
労働から価値の創出へ
働くっていうのには2種類あって、ひとつは労働、もうひとつは価値の創出。
経済学的にはどっちも同じ意味なんだけど、労働による生産から価値創出による生産にワークシフトしていこうってのが副業・兼業の真の狙いだ。
パラレルキャリアって言葉があるよね。
ピーター・ドラッガーの著書「明日を支配するものー21世紀のマネジメント革命」。
- 作者: P.F.ドラッカー,Peter F. Drucker,上田惇生
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 1999/03/01
- メディア: 単行本
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この本の中でこんなことが提唱されてる。
歴史上初めて人間の方が組織よりも長命になったために、人は組織のみに頼らず、それとは別に「第2の人生」を始める必要が生じた。
この第2の人生ってやつがパラレルキャリア。
別に会社での労働を否定してるんじゃなくて、会社に依存した生き方だけじゃこれからの人生めっちゃ長いから、もうひとつ自分の人生軸を持った方がいいよねって考え方だ。
人生の幅を広げるって意味では、人によっては必ずしも複数の仕事を持つことが正解ってわけじゃない。
自分の住んでる地域でボランティア活動するとか、趣味のつながりを生きるとか、いろんな方法があると思うけど、この考え方が国の経済政策と結びつくと副業・兼業の推進ってことになる。
つまり、これまでの会社勤めっていう「労働」が第2の人生を歩むための「価値の創出」に変わってくるってことなんだけど、どこまでこの考え方が受け入れられていくんだろ。
すでに起業したり、社会貢献活動してるような人たちにとっては当たり前なんだけど、やっぱ会社員でずっと来てる人にとっては実感ないよなぁ。
中小企業庁が今年の5月にまとめた「兼業・副業を通じた創業・新事業創出事例集」ってのがある。
これはいくつかの企業が実際に取り組んだ副業・兼業の事例なんだけど、たとえば社内起業家が出ました~、今勤めている会社以外の企業とコラボして新たなビジネスが生まれました~なんてのが載ってる。
もし、自分も何かやりたいなぁって人にとってはお勤めしながらなんかやるってスタイルがいいんじゃないかな。
失敗しても責任は会社持ちじゃん?
事業資金は身銭はたかなくてもいいじゃん?
リスクゼロじゃん。
まあ、リスクゼロってわけじゃないだろうけど、失敗したところで降格とか、給与減額ってなるのかね。
ぶっちゃけ羨ましい。
人間、そんなに器用じゃないから、たぶん形としてはあんま定着しないと思うけど、第2の人生って考え方自体はすんなり受け入れられていくと思う。
なんでかって?
人生、長すぎだから。
マジかっ、人生長いよな、どうしようって思ったら声かけて?
FP事務所としてお手伝いできることもあるからさ。