ご質問への回答)相続で見つかったタンス株、どう扱ったらいいですか?
これも時代なんだろうなぁ。
株券の電子化で、相続後に見つかったタンス株、どうしたらいいですか?
マジかっ。
タンス株っていうのは、家とかに眠りっぱなしになってた株券のことね。
それが、たまたま故人の遺品を整理してたときに見つかった。
でも、今は2017年。
2009年1月から株券の電子化が始まり、株券は無効に!
さて、どうする?
ここで押さえておかなきゃならないことは、電子化された株券は上場企業に限定されてること。
非上場企業の株券は電子化の対象じゃない。
で、お父さんの相続で見つかった株券なんだけど、これは有価証券としての効力が無効になってる。
でも、遺産として引き継いだんだから財産的な価値ってあると思うじゃん?
だから、これをどうにかして売りたい。
今回はそんな質問。
それでは回答します。
まずは、株券の裏面を確認してください。
名義人って書いてあると思うけど、名義人が誰になってるかを確認して、ついでに株券の登録年月日も確認。
そしたら、表面で株券を発行している会社がどこなのかを確認。
〇〇株式会社って書いてあると思うけど、その会社がどこの信託銀行と取引してるかを突き止める必要がある。
これはネットで検索して企業のIR情報のページで確認できる。
なんでこれが必要なのかっていうと、電子化された株券は「特定口座」に自動的にデジタル化され移し替えられてるんだよね。
その特定口座があるのが一般的には信託銀行。
あとは簡単。
その信託銀行に問い合わせをして、手続きをお願いするだけ。
お願いって言っても、必要な書類を用意して提出してくださいってなるんだけど、その書類が、相続の場合は「相続を証する書面等」ってやつで、自分が相続人だよって、この書面で証明する。
これがいわゆる「救済措置」。
名義の書き換えをしないまま株券の電子化を迎えてしまった株主を「失念株主」っていうんだけど、こういう株主を救うための方法のひとつが今言った話ね。
他にも救済措置はあって、①券面上の名義株主と失念株主が共同で申請、②裁判所の判決または和解調書等の正本・謄本を添付して請求する、と権利が救済されるようになってる。
で、特定口座で株券の権利を回復しました、株式を売却したいですっていう場合は、今度は証券会社で証券口座を開設してから市場で売る。
売るときは手数料がかかるから、手数料の安いネット証券がいいけど、インターネットで口座開設とかややこしくて面倒くさいって人は、お近くの証券会社に行って窓口で口座の開設をやってもらうのがいいかもね。
それにしても、超高齢化社会では遺品の整理って問題が目立つようになってくる。
ホントは事前に終活のような感じで身辺整理をしておいた方がいい。
エンディングへの身支度ってやつだ。
財産の整理だけじゃなくて、なんかいろいろと契約してるもんの整理とか、ネットで何かの会員になってて、そのパスワードとか、身内でもよくわかんないものってたくさんあるよね。
ちゃんと整理しとかないと、えっ、なにこれ?みたいなトラブルになりやすいから、できるなら、一応、家族で確認しといた方がいいんじゃないかな。
終活とか、身辺の整理とかでどうしよって思ったら質問して?
方法論、教えるよ。