子育て・老後*「1970年以降生まれのライフ&マネー塾」

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空き家を売ったら? 子どもに嬉しい、今どきの「空き家税制」

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 高齢化社会が深まるにつれ、空き家の問題も深刻化しています。

 2017年7月3日に書いた『空き家にしないために。野村総研のレポートから見るマイホームの出口戦略』では、空き家にならないようにするために前もってマイホームの出口戦略を練っておきましょうというお話をしました。

 今回は逆に、空き家になった後のことについてお話していきたいと思います。

 その前に「空き家」ってなんでしょうか。

子どもたちが実家を離れ、

実家に住んでいた両親も亡くなり、

誰も住んでいない家。

 このようなお家が増えていくと、空き巣の被害や倒壊の恐れが高まるので困ったことが起こりやすくなります。

 これを軽減するために「空き家バンク」などの空き家対策が各自治体で急がれています。

 空き家バンクってなに?

空き家を売りたいという人と

空き家を買いたいという人とを

繋げるための中古不動産マッチングシステム

のようなものです。

 

 両親が亡くなったので、実家を売りたいと考えている息子夫婦。

 どうやったら買い手を見つけられるんだろう・・・。

 

 これまでは、とりあえず地元の不動産会社に依頼したり、ネットの不動産サイトに登録して探してもらうケースが多かったと思います。

 でも、これからは同じようなことを各自治体の空き家バンクでもすることができるようになります。

 まだ全国すべての自治体で空き家バンクの制度が整っているわけではありませんが、「一般社団法人 移住・交流支援機構」では、すでに始まっている自治体での空き家バンクを紹介しています。

www.iju-join.jp

 

 空き家になってしまった実家を売りたい。

 中古物件でいいので、空き家を買いたい。

 これからはこのような中古不動産の流通市場が整ってくると考えられますが、中古物件を安く買って自分たちの好きなようにリノベーションして暮らすという価値観が市民権を得ていくようになるでしょう。

 

 さて、空き家を売りたいという人に少し嬉しい税制があります。

被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例

 これは、空き家の売買を促進するために設けられた税制です。

 どんな内容なのかというと、

空き家(土地・建物)の譲渡所得から3,000万円が控除される

ようになっています。

 計算式はこんな感じです。

 譲渡価額 -(取得費 + 譲渡費用)- 特別控除3,000万円

 つまり、土地・建物の売却額から、土地・建物の取得費用と売却時の諸経費を差し引き、譲渡所得を求めそこからさらに特別控除として3,000万円を控除した金額に対し課税されるようになっています。

 3,000万円も控除されるので、場所によっては空き家を売っても所得が0円以下になるところがありそうですね。

 ということは、税金のかからない人が結構出てくると思います。

 売り手にとっては家計にやさしい税制です。

 

 ただし、ここからが重要ですが、みんながみんなこの制度を使えるわけではありません。

 「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」について、適用要件を見ていきましょう。

①対象になる不動産は、相続・遺贈により取得した被相続人居住用家屋被相続人居住用家屋の敷地等

※居住用家屋について

 ・昭和56年5月31日以前に建築された

 ・区分所有建物登記がされている建物でない

 ・相続の開始の直前において被相続人以外に居住をしていた人がいなかった

相続の開始があった日から3年目の年の12月31日までに売る。

平成28年4月1日~平成31年12月31日までに、当該家屋・敷地等を売る。

売却代金が1億円以下

売った家屋や敷地等について、相続財産を譲渡した場合の取得費の特例収用等の場合の特別控除など他の特例の適用を受けていない

同一の被相続人から相続又は遺贈により取得した被相続人居住用家屋又は被相続人居住用家屋の敷地等について、この特例の適用を受けていない

⑦親子や夫婦など特別の関係がある人に対して売ったものでない

 さらに詳しい要件を知りたい方はこちらをどうぞ。

 

 ポイントは、「相続・遺贈により空き家を取得した」「親(被相続人)が住んでいた(居住用)空き家(家屋・敷地等)」という部分ですね。

 “親が亡くなって”、“親の住んでいた”土地や建物を“引き継ぎ”、それらを売った場合の特例です。

 もうひとつ覚えておきたいのは、「親が亡くなってから3年目の年の12月31日までに売る」という点です。

 期間を設けることで空き家の売買を促そうということなのでしょう。

 

 空き家の問題は、この国にとって緊急性の高い課題のひとつと言えます。

 今後、親世代から子世代への相続や遺贈が増えていくと考えられます。

 被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」の適用要件のひとつである「売却金額が1億円以下」を見るだけでも、資産家ではなく、私たち一般大衆の住まいを対象にしていることがわかります。

 1970年以降生まれの私たちにとっては、つい「親の話でしょ?」と思ってしまいがちです。

 しかし、現実的には、これから起こりうる相続(親の死亡にともなう財産の移転)の発生にともない、遅かれ早かれ私たちに直結してくる大きなライフイベントのひとつになっていきます。

 だからこそ、空き家対策は、空き家になる前にしっかりと準備していく必要があるんですね。

fp-office-kaientai.hatenablog.com

 

 親のこと、自分たちの家族のこと、そして将来のこと、FP事務所としてみなさんと一緒に考えていければと思います。

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