FP OFFICE 海援隊|1970年以降生まれの雑な話。ときどき本音。

子育てしながら、お金を貯める。これまでとはちょっと違った未来の常識。

保険は「保障」?それとも「貯蓄」? どっちが正しいの?

f:id:fp-office-kaientai:20170705235022j:plain

 今回から始まりました新企画『どっちが正しいの?』。

 第1回目は「保険を使ってお金を貯めることが有効なのかどうか」についてお伝えしていきたいと思います。

 保険はその昔、日本人にとってお金を貯めるひとつのツールでした。

 お守りになって、お金も貯まる。

 まさに一石二鳥の「優れたお金の預け先」と考えられていました。

 それが今や、神話のように語られています。

 

 昔は金利が高かった。

 このような話を親御さんや年配の方から聞いたことがある方は多いと思います。

 1960年代の高度経済成長期から1980年代後半に始まったバブル期までの日本経済は、好景気・不景気はありましたが、10年物国債の利回りが低いときは4.0%ほど、高いときは8.0%を超えていました。

 保険は加入者から預かっている保険料を主に国債で運用しています。

 このため積立利率も高く、保険は「保障もあって、しかもお金が貯まる」お得な貯蓄方法だと認識されるようになりました。

 

 親世代や年配の方にとってはこれが常識だったんですね。

 郵便局の養老保険がその典型ですが、利率の高いときに加入し、満期になって払った保険料よりもずっと多い保険金が戻ってきたわけですから、良かった思い出は自分の子どもに伝えたいというのもわかります。

 

 その後バブルがはじけ、10年物国債の利回りは少しずつ下がっていきました。

 これは日銀の金融政策の失敗と言われていますが、株式などの金融市場で暴落が始まり、一息してから不動産市場に火がつき、結果的に失われた10年と呼ばれる景気後退局面に突入していきました。

 2003年になると、10年物国債の利回りは0.47%をつけ、景気が良かったと言われている小泉政権の頃ですら2.0%を超えない水準で推移し、その後はずっと下がり続け、昨年のマイナス金利政策を受け、10年物国債の利回りは史上初のマイナスを記録しました。

 そんな中、保険の積立利率も下がり続けています。

 

 「保険を使うと、お金貯まるよね」

 もはや神話としか言えません。

 

 でも、保険神話に引っ張られちゃうんです。

 これはしょうがないことだと思います。

 保険会社の人は銀行にお金を預けるよりもお金が貯まると言い、自分の親や信頼できる先輩からもそう言われ、そうなのかぁと思ってしまいます。

 ましてや、仕組み上、銀行よりも金利が高いのは事実です。

 なおさらそう思います。

 

 でも、少し視野を広げて考えてみてください。

 今の保険はこんな状況なので、保険でお金を貯めようとしても、貯蓄性があるもの、たとえば、積立利率のあるものやお祝い金として払い込んだ保険料があとで少し戻ってくるようなものを選んでしまうと逆に保険料が高くなってしまい、トータルの家計で考えると貯蓄効率が悪化します

 このようなことから、今から保険に入ろうという人は、次のようなことをポイントに考えてみましょう。

①保険は保障を得るために入ると割り切る。

②つまり、保険でお金を貯めようとしない。

 たとえば、「死亡保険」。

 死亡保険にはいくつかの種類がありますが、ざっくりいうと貯蓄性のあるものとないものとに分けられます。

 貯蓄性のあるものは積立利率が低くなってしまっているので、初めからお金を貯めようと思わずに、本来の保険の目的である保障、つまり、死亡保険金の受け取りだけを目的に加入していきます。

 また、死亡保険の一種である「収入保障保険」というものがあります。

 この保険の場合、通常、貯蓄性はありませんが、満期まで生きていたら生存祝い金を受け取ることができるように設定することが可能です。

 生存祝い金をつけてしまうと保険料が高くなり、家計全体で見た貯蓄効率が悪くなるので、あえてつけずに世帯主に万が一のことが起こった場合の遺族保障を確保するためだけに加入します。

 少し視点を変えて「医療保険」の場合はどうなのかを見ていきます。

 医療保険は病気やケガの治療費をカバーするための保険です。

 この保険には、何ごともなければ保険料が少し戻ってくるように満期の設定を行えるタイプのものがあります。

 仮にこのような設定をしてしまうと、先ほどの収入保障保険と同じく保険料が高くなり、家計全体で見た貯蓄効率は悪くなります。

 このようなことから、貯蓄性を持たせず保険料の支払い方法は掛捨てにし、入院や手術、通院費用などの医療保障を確保することのみを目的に加入していきます。

 

 全部が全部というわけではありませんが、今のような超低金利のもとでは、おおよそ保険を使ってもほとんどお金は貯まりません。

 むしろ、貯蓄を目的に保険に入ってしまうと、トータルで家計を見た場合、効率的にお金を貯めることが難しくなる可能性が高まります。 

原点に帰る

 特にマイナス金利政策が行われている状況では、保険は、本来の目的である「保障」を中心に考え、余計なことは一切しないのが得策です。

 なので、今回の「保険を使ってお金を貯めることが有効なのかどうか」についての答えは、

ほとんど有効ではない

という結論で締めくくりたいと思います。

 保険は、家計的には、保険金の部分が「資産」、保険料は「支出」になります。

 家計全体で考え、保障と保険料のバランスを整えることがポイントです。

 「お金が貯まるからこの保険いいですよ~」とか、「いっぱい保障があるから安心ですよ~」というのは、結局、家計全体で見ると偏りが生じてしまうので逆に良くないんですね。

 金融緩和政策とは、家計的にはそういう意味なんです。

fpofficekaientai.wixsite.com