FP OFFICE 海援隊|1970年以降生まれの「ライフ&マネー塾」

これからの時代、変わりゆく常識を少しだけ早くキャッチし、人生に活かしてみる。

IT化で変わるものは大人の常識。

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 みずほ銀行が3.2万人分の業務量を削減するってニュース。

 ITを活用した業務の効率化っていうのは、結局、こういうことなんだよね。

ざっくりいうと、

・IT化により銀行業界の人員配置が変わっていく

・IT化は産業構造の転換をもたらす

・自分たちに必要な考え方は?

 

金融業界はIT化の影響をもろに受ける

www.nikkei.com

 ちょっと中身を見てみる。

 みずほフィナンシャルグループ(FG)など3メガバンクが大規模な構造改革に乗り出す。

 デジタル技術による効率化などにより、単純合算で3.2万人分に上る業務量を減らす。

 日銀によるマイナス金利政策の長期化や人口減などで国内業務は構造不況の色合いが濃くなって来たため。

 数千人単位で新卒を大量採用し、全国各地の店舗に配置する従来のモデルも転換を迫られる。

 日銀のマイナス金利政策の負の影響が金融機関を襲ってるっていうのは、以前、このブログでも書いたけど、人口減少⇒マーケットの縮小の痛手も出てるから、業務を効率化し人員の配置換えを行うって内容。

 

IT化は何をもたらすのか

 IT化っていうのは、いいこともあれば悪いこともある。

 当たり前だけど、技術革新の波が起こるたびに人々の歴史はそうやって塗り替えられてきた。

 このニュースで重要なポイントは「産業構造の転換」。

 従来の業務や職務内容がITにより代替されることで、①新しい分野がどう育っていくのか、②既存の分野をどう見直していくのか、そして、③どのような副作用が起こるのか、の3つがこの中に含まれてくる。

 よく技術革新で人々の仕事がなくなるって言われるけど、一口にそう言うんじゃなくて、①、②、③について自分の業界や職業がIT化でどうなっていくかを自分ゴトとして考えていくことが必要なんだと思う。

 

 産業構造の転換では必ず人員の再配分が行われる。

 ①、②、③で見ていくと、①は新しい能力を持っている社員が新しい分野に配置される、②は既存の分野で有能な人がけん引していくようになる、③はそれ以外のあぶれてしまう人たち。

 どの産業でも共通することだけど、産業構造を転換させる場合はこういう変革が実施される。

 

 このニュースでも指摘されているように、人員の再配置は既存の業務内容をスリム化し、新規の分野に転換することで会社全体の収益力を高めるためのものだから、社内での競争は必然的に激化する。

 これまで安定業種って世間的には思われてた業界だったけど、産業構造が変わっていく過渡期にある場合は必ずしもそうとはならず、構造転換が一巡した後、再び安定軌道に乗るってイメージだよね。

 

IT化で求められるものは?

 ここで人生を見つめてみる。

 特に親御さんには考えておいてもらいたいことだけど、自分たちの時代の常識が子どもたちの時代の常識にはなりえない。

 他の業界でも、こういう産業構造の転換がすでに始まってるのか、これから始まるのか、それとも起こらないのかの違いはあるけど、個々人のレベルではおおよそIT化の流れには逆らえないよね。

 個々の人生においても少なからず影響を受けてしまうIT化だけど、この流れの中で自分はどう生きていくべきなのか。

 

 まずはやっぱり生き方について見つめ直すことだよね。

 本当は人生にレールなんてなくて、目に見えていたレールっていうのは意図的に作られてきたものだったってことに気付いた方がいい。

 だから、人生は自分で組み立てていくものだよって教育が必要になると思う。

 自立じゃなくて自律ね。

 簡単にいうと変化や不安定を泳ぎ抜く力だとか、自分で情報を得て考え抜く力、人と会って対話する力。

 ここら辺が基礎体力になると思う。

 こういうアナログ力が備わってないと、いくらIT化って言われても道具に振り回されて終わる気がする。

 

 自分はFP事務所だから暮らしとお金についてのアプローチがメインだけど、能力で言えば「マネーリテラシー」がますます重要視されてくると思う。

 マネーリテラシーは、いわば「家計力」。

 暮らしとお金の情報を得て、それを自分の生活や人生に応じて考え、組み立てていく力。

 日本FP協会が学校でも高校生や大学生を対象に金銭教育をしたり、民間でもこれに力を入れようって動きが高まってるよね。

 まぁ、それだけ不安定な時代に対応できる知識や情報を身につけようってニーズがあるんだと思うけど、さっきのアナログ力がもともと身についてなければ知識や情報をいくら入れ込んでもあんまり意味がない。

 だから、アナログ力を基礎能力として鍛え上げ、リテラシーを身につけていく必要がある。

 ただ問題なのは、特に大人ね、過去の常識に捉われすぎてて変化への対応力が鈍化してる人が多い気がする。

 前世紀のプログラムを埋め込まれてるんだからしょうがないし、人間そう簡単に変われるもんでもないから無理のないことなんだけど、時代が変化するスピードと自分が変わるスピードにかなりの開きがあって、この穴埋めを業務内で行うのは結構至難の業。

 

 本当は大人の教育が必要なんだと思う。

 だからリカレント教育って施策が注目されてるんだけど、大人になっても学び続けることで人生より楽しくなるって意味合いね。

 ここら辺やりたいんだけど、まだ10年早いかぁ。

 

 

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