FP OFFICE 海援隊|1970年以降生まれの「ライフ&マネー塾」

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年金カット法案とかゆ~から、ややこしくなる。

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 また最近、年金のことが話題になってますね。

 先日、年金制度改革関連法案が衆議院厚生労働委員会で可決されました。

 これについて、野党は“年金カット法案”と言い、与党は“世代間の格差是正法案”と言い、有権者からしてみれば、言葉はどっちでもいいから、やることをやってくれと言いたいところです。

  なんで与野党でこんなにも表現が異なるのかというと、議論の争点が食い違っているからです。

 与党は、基本的に国の将来を担う立場なので、「年金財政」を軸に年金問題を解決しようとします。

 一方、野党は、政権の奪取を図ろうとするので、“年金が減るのは国民の生活にとってはマイナスだ”と「年金受給」を争点にしたがります。

 同じ土俵で議論してくれるんならいいんですけど、そもそも見ているところが違うので、議論は平行線をたどってしまいます。

 基本的には、年金制度を将来も維持するために、入ってくるお金(年金の保険料)と出ていくお金(支払う年金)のバランスを取っていこうというのが「年金制度改革」の趣旨です。

 これをしっかり押さえておくと、野党の言う「年金カットだっ!」の言葉に惑わされずにすむので、少し冷静に見ていきましょう。

 

 年金制度改革関連法案の中身を見ると、私たちが知っておく必要のあることは次のようなところです。

 

①年金額改定ルールの見直し

 いわゆる「マクロ経済スライド」ですが、要は“物価が上がったら、もらえる年金も増やしますよ~”、その代わり“物価が下がったら、もらえる年金は減らしますね”というルールです。

 でも、今はデフレ。

 景気が悪いときに年金を減らすと余計に生活が苦しくなるので、物価が下がっても年金を減らさず、その代わり、物価が上がったら、デフレ下で減らさなかった分を差し引いて支給するということになりました。

 よほど景気が良くならないと実現が難しいですよね。

 

 もうひとつ、「賃金・物価スライド」を強化するとなっていますが、これは、物価が上がっても賃金が下がれば、年金を減らすということです。

 “物価が上がっても賃金が下がる”の“賃金が下がる”の意味は、物価の上昇分を差し引いた実質賃金のことですが、物価が上がると実質賃金は下がります。

 つまり、物価が上がると、名目賃金は上昇しますが、実質賃金が下落するので、こちらも、よほど景気が良くならない限り、年金は減ることになります。

 

 これら年金額改定の新ルールは、現在、年金をもらっている方には少し我慢してもらって、その代わり、現役世代に付けを回さないように「年金財政」を維持するための方策です。

 現役世代にとって、“もらえる年金が減る~”は大げさな表現なので、冷静に受け止めるようにしましょう。

 

②厚生年金の対象拡大

 前回、少しお話しましたが、今年の10月から、従業員が501人以上の企業で働いている場合、パートの奥さまでも社会保険制度に加入することが必要になりました。

 106万円の壁に絡む制度です。

 今回の改正では、従業員数が500人以下の企業でも、労使の合意があれば、厚生年金に加入することができるようになります。

 

③出産前後の国民年金保険料

 出産前後(出産予定の前月から4ヶ月間)の女性の国民年金保険料が免除され、なおかつ、免除期間の分の国民年金は保障されることになりました。

 

 高齢化と少子化というふたつの大きな問題を抱えている現在、これからはますます税制面でも社会保険制度でも、世代間格差を和らげ、均していく取り組みが行われます。

 その過程で出てくるのが、今回のような年金制度改革をめぐる議論。

 根本は「国の財政問題」ですが、1970年以降生まれの私たちは、老後の生活をどのように組み立てていけばいいのでしょうか。

 国の財政問題だと大きな話でよくわかりませんが、私たちにとっては、自分たちの老後の生活の方が大事です。

 次回からは、老後の家計(財政)問題をどう解決すべきかについてお話していきます。

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