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子育て・老後*「1970年以降生まれのライフ&マネー塾」

子育てしながら、お金を貯める。ちょっと工夫して生きてみるのが、1970年以降生まれの僕らの人生。

ママさんたちの悲痛な叫びを家計収支から紐解く!

家計

 こんにちは。ファイナンシャル・プランナー(FP)事務所「FP OFFICE 海援隊」の重定です。

 待機児童の問題、子育てをされているご家庭にとっては大変なご苦労かと思います。

 最近話題になっている「保育園落ちた」のブログ。

 保育園に子どもを預けられないというお母さんたちの悲痛な叫びは、制度設計や雇用・働き方、ライフスタイルなどの価値観、そして、家計収支にいたるまで、僕たち1970年以降生まれの人たちにたくさんの問題提起をしてくれています。

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 私はファイナンシャル・プランナー(FP)なので、家計がどのように推移しているのかを統計上知っておく必要があることから、経済面でどのような問題があるのかを探ってみようと思い、今回のテーマにしてみました。

※グラフは、総務省統計局が発表している家計調査にもとづく「家計収支」と「消費者物価指数(CPI)」の2014年から2016年1月までのデータ推移です。

※家計収支は、2人以上の勤労者世帯を対象とし、「1世帯当たりの1ヶ月間の収入と支出の対前年同月実質増減率(%)を表しています。

消費者物価指数は全国を対象とし、季節調整済みの対前年同月比データをもとに作成しています。

 

 2014年3月、消費税率が8%に引き上げられる前月、家計支出の対前年同月実質増減率は+7.5%となっています。

 いわゆる「駆け込み需要」です。

 その後、4月、5月の家計支出は駆け込み需要の反動でそれぞれ-6.9%、-8.8%と大幅な落ち込みを見せました。

 政府・日銀は、それ以前から金融緩和策(円安誘導)を行っていたので、このころから消費者物価指数(CPI)の対前年同月比の変動率は3.0%台となっています。

 金融政策面から見た経済成長の効果がようやく表れてきた時期です。

 ちょうど同じころ、賃金上昇を目的にした財政出動の効果も出始め、家計収入の下落は止まりました。

 

 2014年の特徴は、家計の収入が増えてきたことです。

 しかし、期待に反して消費者物価指数(CPI)は徐々に低下、その要因は、収入の増加に支出が上手く反応してこなかったからです。

 物価下落の最たる理由として原油安が挙げられますが、収入が増え、燃料コストも下がっているのに消費が振るわないという「消費経済の慢性的硬直化」が見て取れます。

 

 これ、すごく不思議なんですよね。

 収入が増えて、物価が下がってるのに、モノを買わない・サービスを受けない。

 せっかく国がお金をじゃぶじゃぶ流しても、上手く消費者が使ってくれないのはなぜなのか。

 今回使用している統計は勤労者世帯の家計収支なので、いわゆる子育て世帯が含まれています。

 勤労者世帯、特にお子さんにお金がかかり、かつ、老後の生活資金も準備しなければならない世帯にとっては、収入が増えて買い物がしやすくなってもお金を使えないという現実がそこにあります。

 実際、ファイナンシャル・プランナーへの相談としてもこのお悩みが多いことから、統計上のデータはこれを端的に表していると言えます。

 

 もうひとつ理由としては、消費税の再増税(2017年4月に8%から10%に増税を予定)が挙げられます。

 2015年に入り、年度変わりの時期にいったん消費は大幅に改善されました。

 家計収入の増減率も夏ごろに5.0%を超え、物価は0%台と低迷でしたが、お金を使う気運が一時的に高まりました。

 しかし、続きませんでした。

 夏のボーナスが過ぎると、再び家計支出は0.0%を割り込み、冬のクリスマス商戦のときも、また今年に入ってもマイナスが続いています。

 消費者はやはり敏感にキャッチしているんですね。

 前回8%に消費税が引き上げられた世の中の空気を。

 もちろん中国経済の急速な悪化やそれにともなう株価の急落などの要因もあります。

 しかし、それは金融の世界の材料で、すぐに実体経済に反映されてくるものではありません。

 実体経済に直接影響を及ぼすのはやはり消費者心理なんだなということがよくわかります。

 

 待機児童の問題、ママさんたちの悲痛な叫びは、働きたくとも働けない、収入を得たくても得られない、つまり、共働き夫婦が夫婦の50%を占める中で、世帯主の平均年収が10年前と比べて100万円減っている中で、この問題を解決しなければ実体経済に対しても悪い影響を及ぼす可能性があるということなのかもしれません。

 しかし、残念ながら遅きに失した感が否めません。

 現実的な対策が世の中に浸透するのに何年かかるのか・・・。

 今のお母さんたちの叫びが、昔のことのように語られなければいいのですが。