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日経平均株価指数。今の調整局面が終わったらいよいよ業績相場。天井を意識した資産運用をしていきましょう。

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 世界の株式市場が金融相場から業績相場に移行したと言われる中、日経平均株価指数は今後、どのような動きを示すでしょうか。

 ここからがコロナショック後の上昇相場における天井を見つけに行く相場ステージなんですが、とりあえずイメージとして上のように考えています。

 ひょっとしたらもっと上に延びる可能性はありますが、当面、数カ月間はこんなイメージて捉えておくことにします。

 

 さて、もう一度、日経平均株価指数のチャートを見てください。

日経平均株価指数(日足)

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 長期波動を見ると、リーマンショック後からの上昇相場が、コロナショック後の上昇局面をもって終わりを迎えようとしています。

 この波を第(1)波とします。

 そして、第(1)波で上昇相場が天井を着け、調整局面に入り、第(2)波に移行するというのがこのシナリオの特徴です。

 このシナリオでは、第(1)波の天井が33,000円水準。

 次に来る第(2)波の目処、つまり、調整局面の底がチャート画面にある水色の帯なんですが、フィボナッチ級数でいうと0.236~0.382の間で、0.236を上限、0.382を下限として考えています。

 上限付近には強いサポートラインがひしめいており、また下限付近にも強いサポートラインが重なっているため、最終的にはここら辺の水準まで行ってもおかしくないかもしれません。

 値としては、27,000円水準から24,000円を下回るぐらいの水準です。

 とはいっても、天井が確定しない限り、調整後の底値も見えてこないため、あくまでも仮の値として考えてみてください。

 このチャート面では、兎に角、天井を着けるイメージを持つことを目的としています。

 業績相場で、これから景気が回復、成長していくと今まで以上に語られるようになると思います。

 通常ならこの相場ステージはある程度長くなるんですが、どうもチャートを見ていると短いように映るんですよね。

 もっと長く上昇相場が延長されてもおかしくないので、この点については節目節目で考えていきます。

 

 それでは、テクニカルツールを使って日経平均株価指数を見ていきましょう。

日経平均株価指数(日足)

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 このチャート面で使っているのは、「回帰トレンド」と「パラボリック」です。

 回帰トレンドはチャートに沿って斜めに伸びている帯です。

 パラボリックは、少し見にくいですが、黒の十字マークの並びです。

 回帰トレンドで日経平均株価指数の現在地を確認すると、センターラインの少し下辺りです。

 これはトレンドが弱くなっていることを示していますが、この原因は揉み合い相場というか、三角持ち合いというか、エリオット波動理論では斜行三角形(ダイアゴナルトライアングル)といいますが、要は、一定の範囲内で行ったり来たりを繰り返し、方向感が定まらず横に間延びしているからです。

 上昇の勢いが止まったのか!と思われるかもしれませんが、波動では、この揉み合い相場が第4波であるため、この波が終わると再び上昇局面に移っていく可能性が高いであろうと考えています。

 上昇局面に移行するパターンは、おおよそ2通りです。

 今の上昇トレンドが終わらずに30,000円を抜け上げていくか、30,000円の攻防戦に敗れたままさらに下値を下げた後、上昇していくかです。

 今週のアメリカ市場を見ていると、NYダウもS&Pも高値をつけ、ナスダックも高値を伺っている様子なので、この3指数において上値の叩かれるタイミングがそろそろと考えた場合、日経平均株価指数はいったん下値を模索する動きをした後、上昇に転じるようにも思います。

 この時の下値のメドは28,800円から28,300円ぐらいの水準かもしれません。

 この価格帯には強いサポートラインが重なっているため、下げてもこの辺りと考えておいてしかるべきでしょう。

 このまま上げていくか、下値を模索してから上げていくか、いずれにせよ、再び30,000円の攻防戦にチャレンジしていくわけですが、これまで4度(チャート面にある黄色の丸印)、敗北しています。

 いいかげん突破するでしょうと思うんですが、もし突破できなければ、2月16日からの調整局面(中規模調整局面)はだらだらと時間をかけて続く可能性を認識しておく必要があります。

 この可能性はたぶん薄いと思いますけど、来週のアメリカ市場次第ですかね。

 日本の株式市場はアメリカ市場に比べ、また出遅れ気味ですが、前回の記事では、この理由をコロナワクチンの遅れと決算シーズンにともなう利益確定の売りとお伝えしました。

 雇用統計やPMIといった好調な経済指標の発表を受けてアメリカの株式市場に資金が流れ込んでいることが本質的な理由のように考えています。

 要は、日本よりもアメリカの方がいいよねってことなんですが、もう少ししたら日本の株式市場にも余ったマネーが投入されるようになると思うので、こういった理由からも今の調整が終わると上昇局面に転じるだろうと考えています。

 

 そして、パラボリックはまだ陽転中。

 もう1日、2日下げて陰転してしまうと、下値の模索が来ると思っておきましょう。

 

 次は一目均衡表です。

日経平均株価指数(日足)

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 一目均衡表では、とりあえず三役好転は維持されています。

 やっと三役好転が出てきたところですが、踏ん張ってる感じです。

 このまま上放れれば強い上昇になる可能性が出てきますが、10日指数移動平均線、25日移動平均線が共に日経平均株価指数に近く、また一目均衡表の雲から離れていないため、この水準を維持できるかどうかが来週のポイントになると思います。

 維持できなければ、先ほどと同じく下値模索後、反転の動きかと思います。

 この場合、一目均衡表では、またいったん雲入りし、おそらく雲抜けすることはないだろうと思いますが、下値の切り下げは意識しておきましょう。

 

 次はボリンジャーバンドです。

日経平均株価指数(日足)

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 今の相場は揉み合っているので、ボリンジャーバンドの起伏がなだらかになっていることが伺えます。

 値動きがレンジ内で収まっているため、ボラティリティーが低いことを表しています。

 直近ではボリンジャーバンドの上限に近づいたものの、いったん少し離れた状態です。

 どちらかというとセンターラインに近づいたため、やはり動きとしては弱さを感じます。

 センターラインと2つの指数移動平均線を下回ってしまうと下値追いの展開になりますが、これらのラインが強力にサポートしており、こちらも踏ん張っている状態です。

 30,000円の壁が異様に分厚いので仕方ないんですが、決算がある程度一巡しないと上げにくいかなぁと思ってしまいます。

 とはいえ、アメリカの株式市場次第でもあるので、来週で方向感が決まると思います。

 

 最後に、MACDとRSIです。

日経平均株価指数(日足)

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 下段の上部がMACD、下部がRSIです。

 微妙ですよね。

 MACDは一応、ゴールデンクロスを維持していますが、上昇トレンドか?って感じです。

 一方、RSIは60.0近辺から50.0台に下がってから横ばいが続いています。

 両者とも、一言でいうと強くないわけですが、一応、上昇の余地がぜんぜんあるので、いったん下げたとしても、また戻ってくるだろうということはできます。

 ちなみに週足だと割高感があるんですよね。

日経平均株価指数(週足)

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 MACDデッドクロスしていて、これから下がることを示唆していますし、RSIは70.0近辺なので割高感は依然としてあります。

 ということは、つまり、週足レベルでは、今後、1か月程度弱含む可能性が高く、先ほどの日足レベルでは、可能性として下値模索が現実味を帯びるのかもしれませんね。

 でも、月足レベルではまだ強い上昇トレンドなんです。

日経平均株価指数(月足)

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 MACDは強い上昇トレンドを描きつつ、かなり高い位置にあり、またRSIは70.0を超え、80.0に近づく意思が伺えます。

 要するにですね、数カ月先、例えば、1カ月後に下値をつけた後、再び上昇する可能性が高いことを示唆しています。

 なので、目先は調整局面の中で下値模索の動きとなり、これが週足レベルの下降トレンドを満たし、下値をつけた後は月足レベルで上昇していくといったシナリオが描けます。

 でも、これよりも重要なのが天井ぐあいです。

 月足レベルではMACDがかなり高いところにあります。

 そして、RSIも80.0を目指してはいます。

 これをもって、日経平均株価指数の天井は遠くないとしています。

 だから、冒頭の波動シナリオを採用したというわけです。

 ここまで文章で説明するのは、すごく時間がかかりますが、順を追っていくと、テクニカル分析がこういった経緯で行われているというのがわかってもらえるかと思います。

 

 ということで、まとめると、

日経平均株価指数は、目先、上抜ければ上昇トレンド入り。

②しかし、30,000円の攻防戦で敗北し、下値を模索後、上昇トレンドに乗る可能性の方が高い?

③このため、今の波である第4波が週足レベルで下落を誘う。

④そして、下値をつけた後の上昇が第5波の起点となり、天井に向かって行く。

⑤天井の水準は、一応、33,000円水準に設定しているが、延長することも想定しておく必要はある。

⑥天井を着けた後は急落、というか暴落。ここが大規模な調整局面となる。

⑦大規模調整局面の底値水準は27,000円から24,000円水準。

って感じですかね。

 実際にどうなるかはわかりませんが、とりあえず、この波動シナリオで考えながら、状況によって微修正を加えていくようにします。

 業績相場のポイントは「天井を常に意識すること」です。

 日銀は日経平均株価指数連動型のETFの買入れを止め、TOPIX連動型のETFに絞りました。

 REIT型のETFは継続なんですが、株式市場をメインで考えているため、REITはとりあえず置いておくとして、日経平均株価指数はいよいよ下げても支えてはくれません。

 といっても、TOPIXの構成銘柄については買い支えられるので、事実上、日経平均株価指数でも買い支えは起こるんですが、日銀としては、本音ではもうあまり買い支えたくないんじゃないかって思ってます。

 日銀のETF買入れに対する批判も高まっていますし、つまるところ、ETFを買入れまくっても、結局、実体経済というか、私たち庶民の暮らしが良くなったというわけでもないので、金融緩和政策の限界がすでに来ているようにも思います。

 ということで、いつ天井を着けても後悔しないように、身構えというか、銘柄の入替え候補を絞っておくとか、資産の配分を変える準備というか、トレンド転換への備えは怠らないようにはしておきましょう。

 

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