FP OFFICE 海援隊|1970年以降生まれの「ライフ&マネー塾」

これからの時代、変わりゆく常識を少しだけ早くキャッチし、人生に活かしてみる。

放ったらかし投資。放っておいても大丈夫と思っていた時代は、すでに終わりを迎えています。

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 新型コロナウィルスの感染拡大をマーケットはどのように受け止めているのか。

 チャートを見ると、その驚愕さに目が奪われます。

 すでにサブプライムローン・ショックの下落幅を超え、また、リーマン・ショックに匹敵するほどの規模になっています。

 チャート的にはリーマンショック級の経済的な変動が起こっているわけですが、これは実体経済の急減速を意味しています。

 国としては、この点を読み間違えずに経済政策を執り行っていただければと思います。

 なんせ、チャート的にはすでに「リーマンショック級」なんですから。

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 下げの目処は、いったいいくらか。

 ここ最近、上値・下値のメドについて紹介していなかったので、この機会に一応挙げておきますね。

①17694.25円

②15662.80円

③13631.35円

 2020年3月13日の終値が17431.05円だったため、①の17694.25円は突破され、可能性の高い下値としては、②の15662.80円近辺と③の13631.35円近辺で考えています。

 少しチャートの波形について触れると、方向感としては次のように考えています。

アベノミクス相場は、2018年10月2日の終値24270.62円で終了している。

②それ以降の相場は「調整局面」

③この調整局面は、リーマンショック後の底値(2009年3月10日の終値7054.98円)から始まった長期上昇相場の大規模修正である。

 要するに、2018年の秋でアベノミクス相場は終わっていて、それ以降の相場はずっとアベノミクス相場の反動で下げてますということです。

 今、めちゃめちゃ下落しているのは、コロナ・ショックが直接的な原因ではありますが、本質的には「長期上昇相場の修正」であるため、高値圏にあった株価が売られやすい状況が続いてきた結果に過ぎません。

 相場というものは本質的には至って単純で、大した理由もなく上下するものです。

 今回の急落もそうで、新型コロナウィルスの感染拡大がそのトリガーを引いただけで、上昇局面が長かったから、その分長く、大きめに調整が入っているに過ぎません。

 個人的には、長期上昇相場のツケ(大規模金融緩和)を各国の中央銀行がどのように回収していくのか(大規模金融緩和の出口戦略)を追っていたんですが、この間に新型コロナウィルスが来てしまったので、将来的には、このツケがさらに拡大したと見ています。

 30年後、マネーの価値がどうなっていくのか、超長期投資はここが最大のポイントになると考えています。

 お金に対する信用ですよね。

 信用創造がどのように形を変えていくのか。

 こんなところに注目していくことになると思います。

 

 さて、日経平均株価指数の今後の動きはどうなるの?

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 説明し忘れていましたけど、結論からいうと、新型コロナウィルスの終息次第です。

 こう言ってしまうと元も子もありませんが、サブプライムローン・ショックやリーマン・ショックとコロナ・ショックとの違いは、その経済波及効果です。

 サブプライムローン・ショックやリーマン・ショックの場合、資本市場が主な舞台でした。

 一方、コロナ・ショックの場合、直感的に実体経済へのダメージが大きくなることが容易にイメージできてしまうため、資本市場が余計に揺れ動いています。

 早く終息すれば実体経済に与えるダメージは小さく、長引けば大きくなるため、終息の目処がいつ見えるか、ここがポイントになると思います。

 チャート的には、いったん下げ止まるタイミングに入ったか、もう少しで入るかでしょう。

 目先の下値は前述の値です。

 その後は、買戻しが入り値を戻しますが、実体経済に及ぼす具体的な数字が発表されてくるため、例えば、GDPとか、企業の決算状況とか、トントントンと出てくるため、各国の経済政策が大規模で、政策効果の高いものが出てこなければ再度急落するでしょう。

 心理的には、いったん下げ止まり再び値を戻した後、油断が生まれるため、また急落、といったイメージです。

 最悪、

13631.35円近辺を下回る

可能性も見ていますが、この条件は、ヨーロッパやアメリカの経済状況次第と考えています。

 その理由は、ドイツのDAXやNYダウにおいて調整局面に必要な時間が足りていないからです。

DAX(ドイツ)

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○NYダウ

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 DAXにしろ、NYダウにしろ、今回のコロナ・ショックで調整局面入りが確定していますが、日経平均株価指数との違いは、リーマン・ショック後の長期上昇相場が終わったばかりという点です。

 この長期上昇相場の調整には、下落の深さと時間の長さというふたつの修正が必要であるため、日経平均株価指数は、ヨーロッパやアメリカの調整時間に引きずられ、最悪、13631.35円近辺を下回る可能性もあり得ます。

 ただし、この場合は、すぐに直下的にさらに下落するという意味ではなく、時間をかけながら中期的にだらだらと下げるといったイメージをしています。

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 おおよそ、日本株の実力はチャート上の価格帯(白い帯)と見ていますが、おおよそ16000円~14000円程度でしょう。

 いかに実体経済に合わず株価が上げ続けてきたかがわかりますが、ここら辺まで調整してくれたら買戻しといったイメージでしょうか。

 

 資産運用というものは、目の前で起こっているさまざまな状況を積み上げ、自分なりに思考を組み立てるための道場です。

 今回のコロナ・ショックが良い材料ですが、このようなショックの時にこそ、資産運用の原理原則がはっきりと目の前に現れます。

 そもそも資産運用は難しいものです。

 放っておいても大丈夫と思っていた時代は、長期上昇相場が終わったことで、同じく終わりを迎えています。

 この現実と自分なりにどう向き合うか。

 これからは、ここが問われてくると思います。

 

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