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これからの時代、変わりゆく常識を少しだけ早くキャッチし、人生に活かしてみる。

アメリカの中間選挙と日本経済。共和党が勝った場合、2年後を見越して、家計の変化を考えてみよう。

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 2018年11/6(火)、日本時間では11/6~11/7にかけて、アメリカで「中間選挙」が行われます。

 今回の中間選挙は極めて重要で、トランプ大統領アメリカの大統領に就任し、その結果に対してアメリカ国民がどのような審判を下すかが注目されています。

 

 私たち日本人は、アメリカの中間選挙というと、大統領が任期途中で国民から審判を下される選挙?のようなイメージで捉えているかもしれません。

 実をいうとそうではなく、アメリカの中間選挙とは、上院と下院で行われる国政選挙のことを指します。

 上院は、日本でいうところの参議院、下院は衆議院に当たりますが、上院では100ある議席のうち35議席が、下院では435議席のすべてが改選され、また、50ある州のうち30州で知事選が行われます。

 このようなことから、アメリカの中間選挙は、それまでの大統領の実績が国民から評価される大きな節目とされていて、特に、今回の中間選挙では、トランプ大統領への評価がどうなるかが今後のアメリカにおける政策運営のあり方を決めてしまうため、世界中が注目しているわけです。

 

 日本人だから関係ないと思いがちですが、すでにニュースなどで報道されているように、外交や経済面で日本に与える影響は大きいと言われています。

 外交面では、北朝鮮をめぐる東アジア情勢はもとより、ロシアとの関係、ヨーロッパにおける自国主義の台頭、中東情勢の動向など、日本の安全保障を含めた舵取りに少なからず影響を与えることが予想されます。

 また、経済面では、貿易摩擦が最も注目されていますが、他にもアメリカの金融政策をめぐってFRBとの意見対立が生じていることから考えても、世界に与えるインパクトは大きいといえるでしょう。

 

 今、NHKが「トランプ大統領への審判~2018~」と題して、中間選挙の特集を組んでいます。

www3.nhk.or.jp

 関心のある方は、参考程度に活用してみるといいかもしれません。

 

 さて、家計面で考えると、私たちが頭の中に入れておくべきことは、経済情勢がどうなるかということです。

 家計面とは、「収入」・「支出」・「資産」・「負債」の4つのことですが、経済情勢が変わると、この4つに与える影響も変わり、結果として対策を変える必要があります。

 遠い異国の話かもしれませんが、内実、私たちの暮らしに対する影響は少なくないといえます。

 仮に、中間選挙共和党が勝つならば、日本も含め貿易摩擦に関する影響が出るでしょう。

 日本にとっては輸出額の減少を招く可能性があるため、GDP国内総生産)が減少することが懸念されます。

 また、アメリカの金融政策については、すでに出口戦略に向かって動き出しているFRBですが、金利を引き上げるペースが遅くなる可能性もあります。

 前者については「実体経済」への影響が、後者については「資産市場」への影響が予想されますが、貿易摩擦が増長するならば、日本経済にとってはマイナスになるため「株価は下落」、一方、利上げのペースが遅くなるなら、資産市場に安心感が広がり「株価は上昇」というのが、資産運用上の目先の見方になるでしょう。

 ただ、為替面に着目すると、世界経済の減速懸念は「円高」を招き、また日米金利差が広がらないとなると、これについても「円高」に触れる可能性があるため、マーケットがどのように評価を下すかは、中間選挙後、トランプ政権の実行性が問われることになります。

 

 日本国内の経済状況に目を向けると、来年、消費税率を8%から10%に引き上げることが予定されています。

 また、そろそろ東京オリンピックにかかる資金需要が緩慢になっていくことも考えられており、2020年の秋以降は特に、実体経済に対してエンジンをふかさなければ、デフレマインドがさらに定着する恐れも懸念されます。

 このような国内景気の動向が予測されている中、貿易摩擦により世界経済の減速がはっきりと表れてくるようになると、日本経済はどうなるか。

 

 個人的には、新興国の通貨安が起爆剤になるような気がしなくもないですが、リーマンショック以降の株価上昇劇は、ほぼほぼ転換点を迎えているのではないかと考えています。

 実感のともなわない、超緩やかな経済成長。

 そして、行き過ぎたマネーの大移動による、資産市場の膨張。

 最近、資本主義経済の限界を指摘する声が増してきていますが、21世紀に入り、ITと金融が融合した結果、どのような光景を1970年以降生まれの私たちが、平成からの改元後、見ることになるのか。

 ひょっとしたら、扉はすでに開かれているのかもしれません。

 

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