事業主にとっての育休支援制度「両立支援等助成金」 その①「出生時両立支援助成金」とは
国は今、「産休」・「育休」をなるべく取ってくださいという呼びかけを積極的に行っています。
メディアなどを通じてある程度このような情報は知られるようになっていますが、企業にとっては業務に支障が出るということで、従業員の産休・育休の取得を現実的に歓迎しにくいというのも本音でしょう。
そこで今回からは2回に分けて、従業員のワーク・ライフ・バランスについて、国が用意している『両立支援等助成金』をご紹介していきます。
第1回目は「出生時両立支援助成金」です。
詳細は、厚生労働省のパンフレット「両立支援等助成金 受給申請の手引(平成28年度版)」をご覧くださいね。
「男性労働者が育児休業を取りやすい職場風土づくりに取り組み」、
「一定額を助成」するという制度。
育児というと女性のイメージがありますが、男性でも取得できるようになっています。
共働きが多くなっている中、育児=女性の仕事という従来の考え方を是正し、男性の積極的な育児参加を促すための助成金です。
さて、助成金をもらうための条件を確認していきましょう。
ちょっとややこしいですね。
平たく言うと、以下のようになるでしょうか。
④育児休業と育児のための短時間勤務に関する制度を就業規則で定めている。
⑤育児休業のための会社の取り組みを計画し、届け出・公表・周知を行っている。
これらの条件を満たした場合に、助成金が支給されます。
それでは、助成金の金額について見ていきましょう。
男性労働者が育児休業を取得した場合、以下の金額が助成されます。
(1人目)中小企業:60万円、中小企業以外:30万円
(2人目以降)企業の規模に関わりなく15万円
ちなみに中小企業の範囲は、以下のとおりです。
パパ・ママ育休プラスでは、男性労働者が育休を取れる期間は1年間です。
中小企業にとっては、「出生時両立支援助成金」を活用すると、1人目の場合60万円が助成されるので、これを1ヶ月のお給料に換算すると5万円が補てんされる計算です。
従業員に会社を休まれるのは企業にとっては損失です。
しかし、従業員のワーク・ライフ・バランスについてしっかりとした職場作りができない企業は、今後さらに広がる人手不足の時代、人材の確保がより難しくなるでしょう。
従業員にとっては「ワーク・ライフ・バランス」ですが、企業にとっては、「業務」と「資金」と「ワーク・ライフ・バランス」の3つを同時に考えていく時代がすでに来ています。
有効に活用していきましょう。