FP OFFICE 海援隊|1970年以降生まれの「ライフ&マネー塾」

これからの時代、変わりゆく常識を少しだけ早くキャッチし、人生に活かしてみる。

老後のお金。資産運用に飛びつく前に、子育て世帯が今やるべきこと。

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 尽きないですね、老後のお金が足りないって話。

 確かに気持ちはわかるんですが、なんだかブームのような様相を呈してきているので、もう少し足元を見ればいいのになぁと思ったりもします。

 この問題は、「老後のお金が足りない」⇒「年金だけじゃ老後は食べていけない」⇒「年金制度をどうにかしないといけない」⇒「でも、国にはお金がない」⇒「消費税を上げないと大変なことになる」⇒「だから、消費税は上げるべきだ!」って流れも一方であるのかもしれませんが、同時に「お金を貯めないと…」って思う人が増え、近い将来、消費が冷え込みやすくなる可能性も危惧しています。

 なんか経済的には滅茶苦茶なことやってんなと思いますが、これも時代の流れなんでしょう。

 令和が始まった最初の年、ハチャメチャな年になりそうです。

 

 さて、このブログ、サブテーマとしては「子育てしながら老後のお金を貯める」という趣旨のもとやっています。

 なので、特に小さいお子さんのいるご家庭には、暮らしやお金のことについて参考になればと思い、書き綴っています。

 子育て世帯にとっては、老後のお金を貯めることも視野に入れなきゃならないのが苦慮するところですが、優先順位が高いのはやっぱり子どものことですよね。

 だから、お子さんのことについてたくさん考えてあげながら人生を楽しく過ごしていけばいいと思います。

 

 でも、老後のお金も心配。

 そういうご家庭は、「老後のお金を貯めないと…」⇒「資産運用!」って、真っ先に考えない方がいいかもしれません。

 数年前からの流れを思い返してみると、まずFX(外為証拠金取引)っていうのが流行りましたよね。

 その後、仮想通貨が大きくクローズアップされました。

 そして、不動産投資が社会的な問題にまでなり、外貨建ての終身保険が国から注意を受け、次はなんだろうと予想している最中ですが、たぶん、確定拠出年金制度やNISAでの有価証券にまつわる問題が取り沙汰されると思います。

 なんか、ホント繰り返すなぁ。

 ブームというのは、いつも誰かが真っ先に飛びつき、初めは少しずつゆっくりとしたペースで広がるものですが、途中から誰かに取り上げられ、より多くの人たちが手を付けるようになります。

 老後の年金不安は今に始まったことではないので、ここに来て極まったというところなんでしょう。

 

 だから、FP事務所としては、こう思います。

 まず、足元のことを見てみましょう。

 特に、子育て世帯の場合は。

 結論から言うと、老後のお金を貯めたいなら、老後のお金に向ける余剰金を生み出す必要があるので、家計全体のポートフォリオを組み換え、パフォーマンスを引き上げていく仕組みを家計内に作っていく必要があります。

 なので、当たり前に思うかもしれませんが、「収入」・「支出」・「資産」・「負債」の4つについて、今、何をすべきかを考え、着実に実行することが、資産運用などを始めるよりも先決事項になります。

 「収入を少しでも増やすにはどうしたらいいのかな」、「支出のムダを減らすにはどうしたらいいんだろう」、「資産を増やすにはどんなやり方があるんだろう」、「負債はなるべく早めに返しておきたいな」。

単純にそんなこと考えますよね。

 「老後のお金が心配だ」⇒「だから、資産運用をしよう!」という発想は、そもそも、これらのことを着実に実行に移したうえで考えるべきことです。

 家計全体のお金の流れが良くなっていくと、必然的にお金は余りやすくなります。

 この余ったお金が老後のための原資になるので、これをしないと老後のお金を貯めるのはどうしても難しくなります。

 実務では、だいたい6割ぐらいがこのようなご相談ですが、家計簿と資産表を作り、ライフプランを作成し、キャッシュフロー表を立ち上げ、今から老後を含め長期的なお金の流れがどうなるかの傾向を探ります。

 ここで重要視するのは「毎年、毎月、お金がいくらぐらい余るか」ですが、これを「純利益」といいます。

 純利益は収入から支出を差し引いたお金ですが、この流れを長期にわたり見ていきます。

 ここがある程度判明すると、今度は「先取り貯蓄が毎年、毎月、いくらぐらいできるか」の見当を付けていきます。

 そして、このお金に目的を付けて振り分けていきます。

 たとえば、「このお金は進学資金に」、「このお金は住宅ローンの繰上げ返済に」、「このお金はリフォーム代に」、「このお金は老後の生活資金に」などといった具合にです。

 目的が定まったら、あとは「どのようにお金を貯めるか」です。

 不動産投資も、外貨建ての保険も、そして確定拠出年金やNISAでの投資信託の運用も、この時点で選択肢のひとつになるだけです。

 他にもいっぱいやり方はあるんですけどね。

 

 たぶん、多くの人はこのブームには乗っからないと思います。

 でも、強く不安を感じる人は、「老後のお金が足りない」⇒「資産運用しないと!」の流れにパッと乗っかっていくでしょう。

 乗っかるなら、乗っかるなりに知識や情報を身に着け、経験の中で多くを学んでいく必要があります。

 乗っかる、乗っからないのいずれにせよ、大切なのは踊らされないことです。

 年金制度について知ってみよう。

 うちの会社は退職金どうなってるんだろう。

 企業年金ってあるのかな。

 確定拠出年金って、どの商品を選べばいいんだろう。

 足元をしっかり見たうえで、乗っかる、乗っからないを決めていくようにしてくださいね。

 

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