100年安心の年金制度が維持できてしまっている理屈は、意外にも簡単に説明できる。
年金制度って、ホント、ややこしい。
金融庁の報告書問題を皮切りに「老後の生活について考えておきたい」というお問い合わせをいただきますが、毎度のごとく、こんな質問を受けています。
Q.年金制度って、大丈夫なんですか?
答え。
A.大丈夫です。
かなり無理があります。
「年金制度って、大丈夫なんですか?」の質問の趣旨は「自分の年金が約束通りもらえるのか」ってことですよね。
でも、国としては、「年金制度が大丈夫か」と問われると「大丈夫です」と答えます。
なぜでしょう。
年金制度の複雑さに相反して、意外と理屈は簡単です。
支え手が減るなら、もらえる年金を減らせば、制度自体は維持できる!
当たり前だろ!って思います。
が、これは今始まったわけではなく、前からずっとそんな感じです。
1970年以降生まれの私たちが知っておく必要のあることは、次のような点です。
〔100年安心の年金制度が維持できてしまう理由〕
①保険料を上げれば済むから
②もらえる年齢を引き上げれば済むから
③もらえる年金を減らせば済むから
この3つのうち、全部はもちろん、一部でも実行すれば、100年安心の年金制度は維持できてしまうんですね。
だって、支え手である現役世代の人口が減って、高齢者の比率が高まっていくんですもん。
言われたら、そりゃ当たり前です。
だから、FP事務所としては、長い目で見れば、年金制度を維持させるために「保険料を上げる」、「支給開始年齢を引き上げる」、「受給額を減らす」といった傾向のもと進んでいくだろうと考えています。
実際、そうなってきてますよね。
いわゆる団塊の世代の方々が退職する前に、年金制度の大改正がありました。
その影響が顕著になっていますが、おそらく、今の60代辺りの人たちは、予定外ということで、今まさにその影響を実感しているんだと思います。
国民が感じている「年金制度って大丈夫なんですか?」という問いは、「約束されていると思っていた自分の年金がちゃんともらえるのか」という意味です。
その答えに政治家の方々は真正面から向き合うのが仕事だと思いますが、個人的にはもう期待してません。
現場でしっかりとご相談者さんの想いを受け止め、対策を講じていくことで、老後の生活不安を少しでも解消できるよう努力していこうと思います。