FP OFFICE 海援隊|1970年以降生まれの「ライフ&マネー塾」

これからの時代、変わりゆく常識を少しだけ早くキャッチし、人生に活かしてみる。

王道ですが、iDeCoの投資信託選びは、こんなふうにやってます。

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 ここしばらく、ずっとマーケットの動きが荒いですが、iDeCo(個人型確定拠出年金)で投資信託を選んでいる方は多くいると思います。

 実際のFP相談でも、割かし、企業型・個人型を問わず、確定拠出年金制度を活用されている方と面談する機会が増えていますが、やはり問題として、「どうしたらいいかわからない」という声を毎度のように耳にします。

 今回は、ちょっと真剣に確定拠出年金に取り組んでみたい人向けにレジュメを用意しました。

 運用の参考になれば幸いです。

 冒頭の図は、マーケットを見るにあたって、どのような順序で個別銘柄まで行きつけばいいかの説明です。

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 一番外にあるのが「世界情勢」。

 まずやるべきことは、先進国や新興国の動向を知り、世界情勢を探ることです。

 次に「世界経済」。

 マネーは世界中を駆け巡ります。

 世界経済の過去・現在・未来を考えなければ、マネーがどこからどこに向かうかがイメージできません。

 世界情勢と世界経済について方向感を確認したら、今度は日本国内に目を向けます。

 ここでは「政治情勢」と「経済状況」を把握していきます。

 そして、株式型の投資信託を選ぶなら「業界動向」を探り、そこから、投信の「個別銘柄」につなげていきます。

 

 なんとなく順路はイメージできましたでしょうか。

 では、ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)について確認しましょう。

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 日経平均株価指数のチャートをベースに世界情勢と世界経済の歴史上のポイントをプロットしてあります。

 1989年ぐらいからの歴史的な流れです。

 ここでは何を見るかというと「大局」です。

 マーケットは今だけを見てもよくわかりません。

 だから、歴史をひも解いたうえで「大局観」を養います。

 言葉では説明しませんが、なんとなくじっと眺めていると、自分なりにいろいろな考えが浮かんできます。

 大局観を養う際は、この「想像する時間」が必要で、これを繰り返していくと、自分なりに「相場観の軸」が生まれます。

 

 そしたら、同じ要領で、次は日本について見ていきましょう。

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 これは、先ほどのチャートをリーマンショック以降で拡大したものです。

 民主党政権が誕生し、その後、自民・公明の連立政権が生まれ、第一次・第二次アベノミクスという経済政策のもと、どのようにこの国の経済が変化してきたかを想像してみてください。

 賛否両論あると思いますが、マーケット上のポイントは、①アベノミクス相場が終わっている可能性が高いこと、②世界的な危機が増幅していること、③デフレ脱却の実現可能性が遠のいていること、の3つが特徴になっています。

 すごく悲観的に思いますが、今のマーケットを見るに、どちらかというとネガティブ要因の方が多い気がします。

 

 こんなふうにすると、見方が偏ってしまうので、ポジティブな面も確認しておきましょう。

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 前向きに考えるなら、株式市場にとって重要なのは「金融引締め政策の中止」です。

 中止というか、一時停止ですが、アメリカもEUもそうしたので、前回の大幅急落から値を戻しています。

 他には、「米中の対立が和らいだらいいなぁ」、「イギリスのEU離脱がソフトランディングしてくれたらなぁ」といった世界情勢・世界経済の見方がありますが、国内に目を向けると、「消費税上げなかったらなぁ」、「もっと財政出動すればいいのに」、「そしたら、デフレ脱却も進むのに・・・」というのも考えられるでしょう。

 ファンダメンタルズの見方を養うには、どこから情報を得るかが重要です。

 必ずしもこれが正しいというわけではありませんが、確定拠出年金投資信託をやってるけど、特に新聞とかニュースとかちゃんと見てないという人は、最低限、日本経済新聞を読んで見方を養うようにしましょう。

 初めはよくわからないでしょうし、そもそも言葉がわかりにくいため、たぶん挫折するかもしれません。

 でも、半年、1年続けていれば慣れます。

 初めは紙の新聞の方が頭に定着しやすいので日経新聞を取る方がいいですが、ある程度、理解できるようになったら日経のWeb版の方がいいかもしれません。

 情報量が多いので。

 

 そんなことをしながら、今度はチャートについて見ていきます。

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 自分なりにファンダメンタルズで世界がどのように動いているか、どこに向かっているかを確認したら、チャートを見てみましょう。

 日経平均株価指数はどんなふうに動いていますか?

 おおよそ、バブルが崩壊してからリーマンショックが終わるまで下降局面を描いています。

 その後、アベノミクスの功もあり反転上昇しましたが、リーマンショックから10年を経て、上昇相場に転換点が訪れました。

 と、個人的には考えています。

 そして今、相場は「修正局面」を迎え、再び下落リスクが高まっています。

 このタイミングでは、「下げては上がり、上げては下げ」を繰り返すため、相場がもみ合う頻度が高まります。

 方向感のない相場といわれるのはこういった状況ですが、今後もこのような動きは続くでしょう。

 ただ、前述したように、アメリカとEUが利上げを停止したため、再び余ったマネーの逆流が起こっています。

 さて、どちらに傾くのか・・・。

 株価が上昇すると思うなら「株式型」の投信を選べばいいですし、下落すると思うならリスク対策として「債券型・金型」の投資信託を選べばいいと思います。

 どっちかわかんないなぁという場合は「バランス型」といいたいところですが、実をいうとそうでもなくて、もしバランス型を選ぶならそのチャートを確認したうえで値動きが荒くないものを選ぶようにしましょう。

 個人的には「金型」の投資信託がいいと思いますけど。

 

 そして、最後に個別銘柄選びです。

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 今回は楽天証券iDeCoセレクションの中で、どのように投資信託を選んでいくかですが、個別銘柄をピックアップするときは二段構えでいきます。

 まずは「チャートを比較する」こと。

 そして、「ファンダメンタルズ」と「チャート」にもとづいた自分なりの予測に近い銘柄を選んでいきます。

 ここまでできたら、個別銘柄の絞り込みです。

 これがいいかなぁ、あれがいいかなぁと、よくわからない状況で考えるのではなく、指標を見て絞り込むようにしましょう。

 ポイントは4つです。

 ①リターン

 ②リスク

 ③ベータ

 ④シャープレシオ

 そして、それぞれの数値は中・長期的な値を確認するのではなく、1年や6カ月といった短期スパンを軸に比較しましょう。

 で、運用したい投資信託が決まったら、1年に1回は最低でも運用状況を確認し、状況に応じて必要なら見直すという投資スタンスで臨むようにしてください。

 

 一応、今回は、ちょっと真剣にやっていきたいと思っている人向けなので、この方法はみんなに当てはまるものではないことは断っておきます。

 ただ、資産運用は、知識や情報を得て自分で考える力を養うためにやるとホントは面白くなります。

 日本人の国民性に合ってないこの制度。

 本来の趣旨からすれば考える力を養うことができるのでいいんですが、現状、逆に行っている気がします。

 なんだかなぁ、これ考えた人。

 

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