FP OFFICE 海援隊|1970年以降生まれの「ライフ&マネー塾」

子育てしながら、お金を貯める。これまでとはちょっと違った未来の常識。

iDeCo(個人型確定拠出年金)|iDeCoナビを使った、相場転換後の「FP流投資信託選び」

f:id:fp-office-kaientai:20190115105856j:plain

 昨年、iDeCo(個人型確定拠出年金)の加入者数が100万人を突破したと話題になりました。

 一方で、企業型の確定拠出年金の加入者数は、昨年2月末時点で648万2,000人となっており、数年前と比べれば、かなり浸透してきているのではないでしょうか。

 これらの数字を見るだけでも、確かに、FP実務としては、確定拠出年金のご相談頻度が高いのはうなづけます。

 

 ということで、ちょうど今も、iDeCoの案件に対応させていただいていますが、今回は、「iDeCoナビ」という便利なサイトを使って、どう運営管理機関(≒金融機関)を選択し、どのように金融商品を選んでいけばいいかをお伝えできればと思います。

 

 さぁ、iDeCoを始めようと思い立ったら、まずは「iDeCoナビ」というサイトを見てみましょう。

www.dcnenkin.jp

 iDeCoナビの回し者というわけではありませんが、FP事務所としては、このサイトを見ることもしばしばあります。

 このサイトでは、iDeCoについての説明や加入資格の診断、節税の効果など、個人型確定拠出年金のあれやこれやを知ることができるようになっています。

 こういった知識や情報を身に着けておく必要はあるんですが、iDeCoを始める際、根本的に検討しなければならないことはこのふたつです。

(1)どの運営管理機関を選ぶか

(2)どの金融商品を選ぶか

 これが、普通、よくわからないため、どのような基準で選んでいけばいいかがちんぷんかんぷんという人が多いのが実情です。

 

 なので、こんな順序で選んでいくのはどうでしょうか。

(1)運営管理機関を選ぶ順序

 ①手数料で絞る

 ②元本確保型商品の利率を確認する

 ③投資信託の本数を確認する

 

①手数料で絞る

 iDeCoをやる場合、いくつかの種類の手数料が発生します。

 このため、手数料が少ない運営管理機関を選ぶ必要があります。

 運営管理機関は、iDeCoのサービスを行っている、銀行や証券会社、保険会社などの金融機関のことです。

 iDeCoでは、これらの金融機関を通じ、何らかの金融商品を購入することになるため、そのランニングコストである手数料の少なさが利回りを良くするポイントとなります。

 前述の「iDeCoナビ」内にある「手数料で比較」を開いてみましょう。

f:id:fp-office-kaientai:20190115113322p:plain

 2019年1/7時点の内容ですが、一番左に金融機関(運営管理機関)名があり、その右側に手数料がいくつか並んでいます。

 「加入時(初回のみ)」と書いてある手数料は、iDeCoを始めるときに国民年金基金連合会に納める分です。

 これは、すべて一律2,777円となっているため、違いはありません。

 次に、「運用期間中かかる費用(毎月)」と続きますが、比較検討する手数料はこれです。

 毎月かかる手数料です。

 積立を行う場合と行わない場合で手数料が異なっています。

 積立を行う場合の手数料は、167円、307円、372円などと金融機関ごとに違います。

 また、積立を行わない場合の手数料は、64円、380円、204円、431円などとなっています。

 ちなみに、この表は、昇順・降順で手数料の少ない順・多い順に切り替えることができるため、この機能を使ってみてください。

 これらの手数料は、国民年金基金連合会に毎月納める「加入者手数料」である103円と、事務委託先金融機関(信託銀行)に毎月納める「信託銀行の管理手数料」である64円をベースに成り立っています。

 たとえば、イオン銀行の場合、積立を行う場合の手数料が167円となっています。

 一方、積立を行わない場合の手数料は64円です。

 つまり、国民年金基金連合会に納める「加入者手数料」103円に、「信託銀行の管理手数料」64円が加わって、積立を行う場合の手数料167円がはじき出されています。

 国民年金基金連合会に納める「加入者手数料」は103円で一定であるため、よ~く見ると、積立を行う場合の手数料にムラがあるのは「信託銀行の管理手数料」に差があるからということがわかります。

 ポイントはここだったんですね。

信託銀行の管理手数料

 これが少ない金融機関(運営管理機関)を選ぶと、結果的にiDeCoで運用する際のランニングコストが少なく済みます。

 

②元本確保型商品の利率を確認する

 先ほどの表では、積立を行う場合の手数料(加入者手数料+信託銀行の管理手数料)が167円となっている金融機関の「iDeCoサービス」は13種類ありました。

 たくさんある運営管理機関(金融機関)の中から13種類にまで絞ることができたわけですが、このうち、元本確保型の商品の利率/年について確認・検討していきます。

 たとえば、イオン銀行では「イオン銀行iDeCo定期預金5年」が元本確保型商品となっています。

 公表されている資料では、2018年7月時点での利率は0.05%/年となっています。

 これを確認する場合は、イオン銀行のサイトに飛んでくださいね。

 該当の金融商品に関する実績表が公表されているため、これで確認します。

 表中では、次に大和証券が来ています。

 これについても、元本確保型商品を確認すると「あおぞら定期(1年)」という金融商品が採用されています。

 この利率は、2018年12月時点で0.02%/年となっています。

 このような要領で、積立を行う場合の手数料が167円の金融機関について、元本確保型商品の利率を確認していくと、「みずほDC定期預金(1年)」が2018年時点で0.01%/年、「第一のつみたて年金(5年)」が2019年1月時点で0.03%/年と、わさわさ、たくさん出てきます。

 この中から最も利率の高い元本確保型商品を採用している金融機関を選びます。

 結果、2019年1月時点では、今のところ、「イオン銀行iDeCo定期預金5年」の0.05%/年が1位ですかね。

 ちなみに、イオン銀行の回し者ではありませんので、ご了承ください。

 結果、こうなっただけなので。

 

投資信託の本数を確認する

 元本確保型商品の利率ではイオン銀行が良さげということがわかりました。

 もうひとつ、運営管理機関(金融機関)選びのポイントがあります。

 それは「投資信託の本数」です。

 各金融機関ごとに投資信託の品ぞろえが整えられていますが、なるべくなら投信のラインナップが豊富なところでiDeCoを始めるのがいいです。

 なぜならば、投資信託は相場の状況によって変動するため、その都度、その都度、相場の状況次第でスウィッチング(見直し)する必要があり、より良い投信を揃えている方がそのチャンスが多くめぐってくるからです。

 ということで、先ほどの表により、各金融機関が揃えている投信の本数を比べていきます。

 本数の基準は20本以上ですかね。

 それだけあれば十分です。

 一番多いのはSBI証券で36本となっていますが、楽天証券で30本、野村證券で26本、マネックス証券で24本、イオン銀行と第一生命で23本、大和証券で21本となっています。

 ここが考えどころですが、「自分はどのようなスタンスで運用を心がけていきたいか」を改めて確認します。

 安全第一を謳っている方の場合は、先ほどお示ししたように、元本確保型商品の利回りが最も高いところを軸に金融機関を選んでいくといいと思います。

 逆に、積極的に運用していきたいという人は、投信の本数が最も多い金融機関がいいかもしれません。

 SBI証券が36本となっているので、ここで相場の状況を見ながらスウィッチングを行っていくことを想定するといいでしょう。

 ということで、今回は、安全性を重視したいという人向けにイオン銀行iDeCoを例に話を進めたいと思います。

 

 次の検討課題は、(2)どの金融商品を選ぶかです。

(2)金融商品を選ぶ順序

 ①元本確保型商品は決まりました

 投資信託を選ぶ

  〇短期・中期・長期の相場観を読み込む

  〇ラインナップされている投信の運用実績を確認する

 ここからは正直、難しいです。

 言葉がわからない、考え方がわからないという方が続出すると思います。

 でも、話を進めます。

 

〇短期・中期・長期の相場観を読み込む

 どういうことかというと、相場の方向感を知っておくという意味です。

 下のチャートは日経平均株価指数ですが、これをもとに方向感についての考え方を養います。

f:id:fp-office-kaientai:20190115124537p:plain

 株式市場のバブルが崩壊したのが1989年12月29日です。

 あれから30年。

 米ソの冷戦が終わり、アメリカの一極覇権主義が陰りを見せ、中国をはじめとする新興国が台頭、群雄割拠の混沌とした世界情勢の中で、現在、米中の対立が構造化してきています。

 そんな中、翻弄されてきた日本の株式市場の姿がこのチャートです。

 マーケットの出来事でいうと、株式市場のバブルから始まり、ITバブル、通貨危機サブプライムローン問題、リーマンショック、そしてアベノミクス相場と、日経平均株価指数は一時の底値から回復し、昨年、バブル期の高値である38,915.00円の約半分ぐらいまで値を戻しました。

 しかし、アメリカの利上げや米中の貿易摩擦などにより株価は乱高下し、今年に入ってからも急落は起こっています。

 ここにきて、アメリカの中央銀行が利上げをしないと発表したことで、マーケットには安心感が戻っていますが、米中の対立が深まり、これが安全保障上の問題にまで発展してきているため、大局としては、世界情勢が新たなステージに入ったと判断する向きもあります。

 米中の対立、グローバリズムVS反グローバリズム財政出動と緊縮財政・・・。

 日・米・欧・中・露+他の新興国産油国などが互いの国益や地域間の優位性をめぐり、協調や争いなどを繰り返しているのが現状です。

 こういうのがマーケットの大局観ですが、自分なりに時代の趨勢について想像を巡らせておくことが必要です。

〇短期的にマーケットはどうなるか

〇中期的には?

〇長期的には?

 そこで、短期・中期・長期の目安を考えておきます。

 短期は1年未満、中期は1年以上3年未満、長期は3年以上5年未満、それ以上になると超長期ぐらいに考えておいてください。

 時代の潮流は、歴史を遡ると10年~15年で変化している気がします。

 イデオロギーなのか、技術革新なのか、それともマネーの膨張なのか。

 超長期的には、このようなものが時代を変えていきます。

 ものすごく長い目で見ると、第4次産業革命がこれからの時代、メインストリームになっていくことが考えられますが、大きな視点で見ると、この流れに沿って世界のマネーは動いていくでしょう。

 しかし、同時に新たな覇権争いとそれを逸らすための国際協調路線が敷かれやすくなります。

 第4次産業革命の時代は、覇権争いと国際協調の対立構造も浮き彫りになってきやすいと考えられるため、相場は混沌としていくかもしれません。

 相場の混沌とは、方向感が定まらない、乱高下を繰り返すといった意味ですが、どこかのタイミングでマネーが大きく動き、かつ、急激に動くことが予想されるため、確定拠出年金などで長期的に運用せざるを得ない場合、長期保有のリスクが増大します。

 長期投資の弱点はここですが、長く持ち続ける場合、リスクへの対応力が必然的に落ちていきます。

 これを緩和するために、短期、中期的には、選んだ投資信託の衣替え、つまり、「スウィッチング」を行っていく必要があります。

f:id:fp-office-kaientai:20190115124537p:plain

 2018年秋以降の部分を見てください。

 相場の方向性が、それまでの上昇局面とは真逆の方向に動いています。

 この期間は1年に満ちていません。

 リーマンショック後の底値から2018年の高値までは約10年かかりました。

 この間は上昇局面だったため、ある意味、細かいスウィッチングは必要なかったかもしれません。

 しかし、短期、中期的に相場形成が変化している今のような局面では、投資信託の持ち高を細かく調整していく必要が出ています。

 ということで、どの投資信託を選ぶかは、今後しばらく、次の点がポイントになります。

最長でも1年単位で評価・見直しの判断を行うことが必要なため、過去の実績としては、直近1年の運用成績を基準に投信を選ぶようにする。

 

 というように考えて、「iDeCoナビ」のイオン銀行のページから、投信のラインナップを個別に見ていきましょう。

 どこを見るかはここです。

〇DIAM DC 国内株式インデックスファンド

f:id:fp-office-kaientai:20190115132120p:plain

 イオン銀行の運用商品のラインナップの一番初めに来るのが「DIAM DC 国内株インデックスファンド」です。

 ここをクリックすると、このような「過去の実績」をグラフ化したものが現れます。

 青線がこのファンドの利益、赤線が定期預金の利息です。

 5年(長期)、3年(中期)では、利益が大きくプラスになっていますね。

 でも、直近1年(短期)ではマイナスになっています。

 これは、5年、3年前までは利益が出ていたが、直近1年間では利益が出なくなっていることの現れです。

 相場の潮目が変わっているため、中・長期の過去の実績をもとに投信を選んでしまうと、期待とは逆の方向に行く可能性が高くなっています。

 繰り返しになりますが、相場の方向性が変わったため、より機動力の高いスウィッチングを行うために、最低でも1年程度のスパンで投資銘柄の選定を行っていく必要があります。

 このようなことから、投信の過去実績は1年の成績を基準に見ていき、これがプラスになっている投信を選んでいくようにします。

 この要領で先ほどの投信「DIAM DC 国内株インデックスファンド」を見ると、過去1年の実績が-2,545円となっているため、即却下ということになります。

 

 続けて、表の2番目にある「ひふみ年金」についても見ていきましょう。

〇ひふみ年金

f:id:fp-office-kaientai:20190115133558p:plain

 これは新し目のファンドですかね。

 過去の実績が1年分しかありません。

 値は-4,577円。

 これも即却下です。

 

 さらに続けて、その下の「フィデリティ・日本成長株・ファンド」。

〇フィデリティ・日本成長株・ファンド

f:id:fp-office-kaientai:20190115133924p:plain

 こちらの値もマイナスで、-5,979円です。

 これもダメかぁ・・・。

 

 それじゃ、これは。

〇たわらノーロード国内債券

f:id:fp-office-kaientai:20190115134153p:plain

 国内の債券型ファンドのため、株式市場が悪いときのリスクヘッジとしては、一応、機能しているようです。

 過去1年の実績は-1円で済んでいますね。

 ということは、債券型の投資信託がいいのか?と思います。

 もう少し見ていきましょう。

〇たわらノーロード先進国債

f:id:fp-office-kaientai:20190115134533p:plain

 案の定、債券はリスクヘッジになっています。

 国内の債券よりも成績が良くなっているのは、アメリカの国債が日本の国債よりも人気があるってことですね。

 為替差損があるにもかかわらず、直近1年の相場環境の中、この数値を出しているのは、やはりマーケットのプレイヤーがリスクオフ、つまり、守りに入っていることを表しています。

 

 もうちょっと見ていきます。

〇たわらノーロード国内リート

f:id:fp-office-kaientai:20190115135104p:plain

 4,324円の上昇ということで、直近1年の実績としては優秀です。

 マネーは、株式市場から離れると、避難するために国債市場に流れ込みますが、ここ1年の傾向としては、実需としての不動産市場にも流れているようです。

 

 ついでに「たわらノーロード先進国リート」も同じような動きを示しています。

〇たわらノーロード先進国リート

f:id:fp-office-kaientai:20190115135509p:plain

 こちらは3,303円のプラスです。

 リート(REIT)は「不動産投資信託」のことですが、REITを活用する場合、相場的には、株価のさらなる急落・大暴落が起こってしまうと、不動産市場からもマネーが逃げていくことになります。

 株式マネー→不動産マネー→国債マネー→金マネーのような順路でマネーの大移動が起こる傾向があるため、いくら実需といえども安心できないということは認識しておくようにしましょう。

 

 ということで、イオン銀行の投信ラインナップの中では、直近の短期局面では、「たわらノーロード国内リート」と「たわらノーロード国内債券」か、「たわらノーロード先進国債権」の組み合わせがいいと思います。

 自分なら、しばらくこれで行っておいて、3月ぐらいにいったん評価し、スウィッチングの必要があれば見直すぐらいのスタンスで考えますかね。

 

 あとは、iDeCoを始めるときの事務手続きを踏むだけです。

 金融機関を選んで書類のやり取りをしてみましょう。

 

 資産運用は難しいものです。

 なんだか、簡単にみたいなのが流行っていますが、そもそも簡単にできるなら、みんなやってますよね。

 実際の運用はプロがしてくれるといいつつも、その判断は、結局、自分で決めることになるため、相場観を始め、金融・経済についてある程度学んでいく必要があります。

 やりながら学ぶのが一番いいと思いますが、挫折しない程度でがんばっていきましょう。

 FP事務所としては、極力、寄り添いますが、何か質問などあれば、お気軽に声をかけてくださいね。

 

FP OFFICE 海援隊 Webサイト

fpofficekaientai.wixsite.com