FP OFFICE 海援隊|1970年以降生まれの「ライフ&マネー塾」

これからの時代、変わりゆく常識を少しだけ早くキャッチし、人生に活かしてみる。

お金は、いくらあったらいいのか。その基準は自分にある。

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 お金は、いくらあったらいいのか。

 個人的には、物欲も、金銭欲もあまりなく、職業柄なのか、頭の中にある程度のデータが入ってしまっているため、お金の本質的な価値を上手く見出せません。

 どの程度のお金があれば、人は満足するのでしょうか。

 実際にいろいろな人に会っていると、家族構成やライフステージにもよりますが、毎月10万円台で暮らしている人もいれば、毎月80万円ものお金を使っている人もいます。

 少し極端な例ですが、いずれも共通することは、金銭的な不満を抱えていることです。

 前者の場合、慎ましい生活をしていると思えますが、後者の場合、逆に何にお金を使っているの?と不思議に思ったりもします。

 

 お金が欲しいという欲望は何から生まれるのか。

 通常、お金は生活をしていくために必要な「交換」手段であり、「価値保蔵」手段です。

 だから、生活以外に特段の目的がなければ、本来、ほどほどのお金があればいいはずです。

 でも、なぜ、人はお金を必要以上に欲しがるのか。

 仕事をしながら観察していると、たぶん心理的な何かがそうさせてるんだろうなと思うときがあります。

 〇今の生活に満たされていない何か

 〇将来の暮らしに安心できない何か

 お金はいくらあったらいいかの本質的な答えは、おそらくこのふたつにあり、本来、相対的な尺度で答えを見出すことはできません。

 むしろ絶対的な原因が心の中にあり、それらを探って始めて、ほどほどの生活ができるぐらいのお金があればいいという結論に達するんだと思います。

 特に大きな目的がないという条件のもとでの話ですが。

 

 そんなことをたまに考えながら仕事をしています。

 とはいうものの、一般的には、1970年以降生まれの私たちは、子育てしながら老後のお金を貯めるという現実的な課題に直面しています。

 実務的に傾向として感じることは、今の生活においては、①住宅ローンの返済が重くなっている、②子育てにお金をかけすぎている、将来の暮らしにおいては、③退職後の収入のイメージができていないといった問題を抱えていることです。

 こんなことを言うと元も子もないですが、客観的に考えると、①については、将来のお金を予測せずに背伸びし過ぎた結果であること、②については、教育の本来の目的軸が不明確なまま周りに流されてしまっていること、③については、勤めている会社の就業規則をしっかりと読んでいないことに尽きるような気がします。

 それでも人生は進んでいきますが、お金は単なる手段に過ぎないため、今の生活を満たそうとするなら、将来の暮らしに安心をもたらしたいなら、その原因が何かを突き止め、どのように課題を克服していけばいいかを考えていけば済む話です。

 

 でも、それがなかなか難しい。

 だから、こんなことを言うと元も子もないということなんですが、過ぎたことを考えても仕方がないので、最後に、定年退職後の収入を予測するポイントについてお伝えしていきたいと思います。

就業規則を読んでみましょう。

 このひと言につきます。

 就業規則にはどのようなことが書かれているかというと、労働時間や賃金、退職などに関することです。

 ここで重要なのが賃金です。

 会社員にとって、収入の基礎となるのは賃金です。

 この賃金が、厚生年金を決め、企業年金を決め、企業型の確定拠出年金を決め、そして退職金の額を決めています。

 さらに言うならば、将来におけるこれらの受取額如何で、退職後、働くかどうかも決まってくるため、就業規則を読むことはつまり、老後の収入の目処を予測する最適なツールといえます。

 そのうえで、公的年金がいくらもらえるかが知りたいなら、日本年金機構が運営しているねんきんネットにより試算を行い、また、企業年金確定拠出年金の見込み額を知りたいなら、それらを管理・運営している金融機関に問い合わせをし、さらに退職金の額を知りたいなら、退職金規定にもとづき見込み額を会社に聞くようにすれば、ある程度正確な老後の収入の予測を立てることができます。

 

 収入のメドがついたら、毎月どのぐらいの支出がかかるかを予測する必要があります。

 あとは退職時点で貯蓄がいくら残るかのお話です。

 

 お金はいくらあったらいいのか。

 お金は単なる数字なので、必要な金額を求める場合、必ず明確な根拠を見出すことができます。

 でも、これをせずに、人はお金が欲しいと不満を訴え、不安を感じます。

 だからこそ、頑張ろうとするのかもしれません。

 こう考えると、結構、人生、面白いもんですね。

 

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