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株価急落でわかったふたつのこと。IT化された資産運用とどう向き合うべきか。

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 仮想通貨、フィンテック、投資ロボ、そしてアルゴリズム

 人知を超えた資産運用の先に何があるのか。

ざっくりいうと、

①アメリカの歳出増についての見方

②株価急落でわかったふたつのこと

③IT化における資産運用のポイント

④最後に

 今回は、株式市場の急落で見えてきたものについて書いていきたいと思います。

 

アメリカの歳出増、どう見る?

 とその前に、新しい情報が出てきたので紹介しておきます。

www.nikkei.com

 この記事の読み方は、仮にこの案が議会を通過した場合、

ネガティブ面)

大型減税と歳出増で政府債務がさらに膨張し、世界市場の動揺を招いた米長期金利にも一段の上昇圧力がかかる。

ポジティブ面)

政府機関の一部閉鎖といったリスクは当面回避できる。米法案の成否は与野党の勢力が拮抗する上院が握っており、膠着していた予算問題は上院指導部の合意で大きく前進する。 

のふたつです。

 資産運用では、常に「ポジティブ」な受け止め方と「ネガティブ」な受け止め方の対決があって、どちらに軍配が上がるかでその後の方向性が左右されます。

 この記事の場合、歳出が増えれば、ネガティブな受け止め方では「歳出が増えるため、国の財政規律が崩れ、国債が売られる」ポジティブな受け止め方では「毎年のように政府を困らせている予算執行がスムーズに行きやすくなるため、国の財政に対する安心感が広がり、国債が買われる」という連想が生まれます。

 前者の場合、長期金利が上昇しやすく、後者の場合、長期金利が下落しやすくなります。

 金利の上昇・下落は景気の段階により株式市場の受け止め方が異なります。

 これについては、こちらの記事でご確認ください。

fp-office-kaientai.hatenablog.com

 ここら辺の話は地政学的にも考えておく必要がありますが、アメリカの国防費の引き上げが想定しているのは、ロシアを軸にした中国とイランへの対抗策です。

 この枠内にこのニュースの意味が隠されています。

 

株価急落でわかったふたつのこと

 さて、本題に移ります。

 アメリカの株式市場に端を発した株価の急落でわかったことです。

 すでに株式市場ではアルゴリズム取引が当たり前になっています。

 証券取引所は、その昔、「場立ち」と呼ばれる人たちによって売り注文と買い注文のマッチングが行われていました。

 それが今やコンピューターの普及により、アルゴリズムという数学的な手段を駆使し、機械で行われるようになっています。

 この効果は、高速で売買が成立していくため、売買の成立漏れという無駄が格段に減ったことです。

わかったこと①

取引のスピードが早すぎるため、相場の転換点ではひとつの方向に急速に株価が動きやすくなった。 

 昔、人がやっていたことが人知を超えて行われるようになったため、人によるコントロールが効きにくくなり、その分、相場の転換点ではリスクが増大している可能性があります。

 

 もうひとつ、わかったことは「膨張しているマネーがコントロール不能になっている」点です。

 これは正式に確認されたという意味ですが、

わかったこと②

相場の上昇スピードが極端に早くなると、相場転換後の反動がより一層深くなる。

ことです。

 この理屈は、アクセルをふかして猛スピードで加速すると、ブレーキを踏んでもなかなか止まれないのと似ています。

 

 以上、ふたつの点から、金融政策が主流となっている経済政策のもとでは、IT化により極端な環境が生まれやすくなり、この場合、リスクへの対応がかつてと比べ難しくなっている可能性があると感じています。

 

IT化における資産運用のポイント

 この結果、これまで考えられてきた資産運用のセオリーを修正する必要があるという結論に達しました。

長期投資によるリスク対応力が弱まっているため、相場の行き過ぎを予知した場合、なるべく早い時点で利益確定を行う。

 ポイントは深追いしないことです。

 これまでは深追いした結果、相場が転換点に達し下落しても、その衝撃をある程度納得のいく形で自分でコントロールできました。

 しかし、相場転換後の衝撃が異常なまでに大きく、人知を超えてしまっているため、ここで売買の判断を下すことは避け、転換点に至るはるか前に投資判断をしていく必要があります。

 視点を変えると、長期投資に依存する株式の保有は、かつてに比べリスクを被りやすくなっているということです。

 このため、相場に方向感を持ち、中期投資により深追いをしないトレードがより一層求められるようになってきます。

 

 フィンテックや投資ロボが昨今注目を集めています。

 資産運用におけるこれらの利点は「簡単」に取引ができるところです。

 手続きも楽で、投資判断も簡単に下せるようになっています。

 だから、時間がない人でも気楽に資産運用できるというのが売りになっています。

 FP事務所としても、自分で運用経験を積むことでマネーリテラシーが向上していくため、フィンテックや投資ロボを推奨したいと考えていました。

 しかし、今回の株式市場の急落を受けて、資産運用におけるIT化が一般的になることは技術的にまだ時期尚早と考えるに至りました。

 そうは言っても、時代は第4次産業革命に否が応でも進んでいきます。

 この過程で様々な問題が発生するのは必定ですが、資産運用においてはフィンテックや投資ロボの活用方法をこのようにすれば、ある程度問題が解決すると考えています。

相場の方向感が定まっている局面(上昇局面や下落局面などの平時)でファインテックや投資ロボを活用する。

相場の転換点に至る前の早い段階で利益確定を行い、手仕舞い、もしくは、スウィッチングを行う。

③長期投資ではなく、中期投資での運用を心がけ、株式などの長期保有は避ける

 

最後に

 産業革命以来、機械が人の領域に入り込むことで近現代という文明は成立してきました。

 蒸気機関しかり、電気しかり、自動車しかりです。

 これらは長い歴史を経て人類との共存を実現し、ともに発展してきました。

 しかし、IT革命後、文明はヒトとモノという二元的な領域に留まらず、情報やお金、時間などといった三次元・四次元の領域にまで進出するようになっています。

 ここでの問題は、見えないことです。

 見えないということは、人間の感覚で捉えらえないということです。

 このリスクに人類がどのように叡智を絞っていくのか。

 いたるところでこのような努力が図られていますが、IT化のスピードが早すぎるため、この問題を解決するまでの間にかなりの開きが出ているように感じます。

 現代の向こうにあるのは常に未来ですが、これから私たちの感覚はIT化とどのように向き合っていくことになるのでしょうか。

 今回の株式市場の急落劇は、私たちにこのような問題を映し出しているような気がします。

 

 

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