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子育てしながら、お金を貯める。これまでとはちょっと違った未来の常識。

子育て支援策って経済政策ってなってるけど、その行き着く先にはジレンマがある。

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 これはママさんたち、現実問題としてどう考えてんだろ。

 今回は、今調整されてる「子育て支援」について。

ざっくりいうと、

野村総研の試算ではこんなことを言っている

・女性の就業率目標を達成したい!

・だから、待機児童をゼロにする!

・消費税を上げて子育て支援に回すんだ!

子育て支援策と経済政策にはジレンマがある

 

野村総研の試算によると

 野村総研のレポートは「空き家にしないために。野村総研のレポートから見るマイホームの出口戦略」でも言及したんだけど、毎度のごとく話題を呼ぶ。

 まずは野村総研が2017年5月29日にリリースした試算から。

 「2020年までに新たに整備が必要な保育の受け皿は88.6万人分」

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 今回のレポートでは、政府が掲げている「女性の就業率目標」を紐解きながら、保育の受け皿がどれぐらい必要なのかが試算されている。

 

女性の就業率目標ってなに?

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 政府は、今、女性の就業率を上げようと躍起になっている。

 なんで?

 人口減少で労働力が不足すると経済成長が鈍る恐れがあるから。

 経済を成長させるために1億総活躍プランを実行に移してるんだけど、女性も漏れなくもっと働いてくださいってことを本気でやろうとしてるんだね。

 で、2012年の「25歳~44歳までの女性の就業率」が、育児をしている女性:52.4%、育児をしていない女性:79.0%になったんだけど、これを2020年時点でそれぞれ73.0%と79.0%にすることで、女性全体の就業率を77.0%に引き上げようとしている。

 育児をしていない女性には、おそらく独身女性や子育てが終わった女性も含まれるんだろうけど、この人たちが働いてる率が高いのはわかる。

 でもさ、育児をしていて働いている女性の割合が2012年時点で52.4%なのに、これをあと3年で73.0%に引き上げるって、相当高い目標のような気がするんだけど、実際どうなるんだろうね。

 

 経済成長を鈍化させないために、子育て中で働いていないお母さん方のうち、あと2割ぐらいはぜひ働いてくださいっ。

 保育の受け皿を88.6万人分増やして、働いてもらいやすい環境を整えますから~。

 

待機児童ゼロって達成できるの?

 で、この記事。

www.nikkei.com

 政府は2020年の年度末までに待機児童ゼロを目標に掲げてるんだけど、日経新聞の調査によると、都市部で達成可能って回答した自治体は半分なんだって。

 役場の職員が都市部で保育士免許を持ってる人の囲い込みをしてるって言ってたけど、こういうことなんだね。

 つったところで無理じゃん、これ。

 目標が実体とかけ離れすぎてる。

 ハードルを下げて達成時期をずらすことになるだろうけど、消費税率の引き上げ、2019年10月でほぼ確定じゃんっとも思った。

 

子育て支援にかかる消費税の使い道

 そしたら案の定、消費税を8.0%から10.0%に引き上げた場合の使い道を今議論してる真っ最中。

www.nikkei.com

 人づくり革命。

 その柱のひとつが教育の無償化だ。

 消費税の増収分の一部を使って実現する構えで、それが2020年度。

 時間の整合性はピッタリ合った。

 日経新聞によると、検討内容は以下のとおり。

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 小さいお子さんを持つご家庭では、こんなふうに調整されるらしい。

①0歳~2歳児の保育所

 住民税非課税世帯は無料

②3歳~5歳の認可保育所

 全世帯が無料

③3歳~5歳の幼稚園

 全世帯が平均料金(月額2万5,700円)での利用に

 ※高額な料金を払う私立幼稚園は対象にはしない方針

 ポイントは②「3歳~5歳の認可保育所」だけど、全世帯が無料で保育園を利用できるようになるっぽい。

 

子育て支援策と経済政策のジレンマ

 さて、ここで問題ですっ。

 保育や幼児教育の無償化(≒実質無償化)が先走って、待機児童ゼロが実現できるでしょうか。

 ここがジレンマだよね。

 子育て世帯の経済的な負担を軽減するって目的は実現しやすくなるけど、反面、物理的な受け皿がきちんと確保されない限り、お母さん方にとってはお子さんを預けようがなく、結果、経済的な負担の軽減に結び付かなくなる恐れがある。

 同時に保育所の運営に予算を回す方向なので、待機児童の問題を少しは解消できるかもしれない。

 でも、子育て中のお母さん方にもっと働いてもらいたいっていう就業率の目標達成には結び付きにくいだろうなぁ。

 結果、この部分では経済成長をそれほど見込めず、ピジョンみたいな子育て企業の株価が上がって終わるってところか。

 なるほどね。

 

 子育て支援策により保育園や幼稚園の無償化(≒実質無償化)が実現するってことは、家計にとっては事実上、保育費や教育費の負担減になるから、家計に占める支出の割合が減る。

 

 ただ、問題は、支出が減った分のお金の使われ方なんだけど、どちらかというと消費に回らず貯蓄に回りやすい。

 よく言われることだけど、経済政策で考えるなら、この点をどう改善するかだよね。

 保育・教育に支援をしてもお金が支出に回りにくい理由は、進学資金の問題があるからだし、もっと先に老後の生活への不安があるから。

 どうしても、後のことを考えて守りに入ってしまう。

 ましてや、今の子育て世帯やこれから子育てをしていくだろう世帯にとっては、なおさらその傾向は強い。

 ってことは、人づくり革命っていう「人的投資」には、人材が育った後の経済成長の絵図が必要になる。

 それが、第4次産業革命後の社会ってことなんだろうけど、ここには好景気を肌で感じられる温もりはおそらくあまりなく、むしろ技術革新によりいろいろなものが省けるようになったおかげで、余暇が生まれやすい社会が現れる。

 働き方改革も最終着地点はここなんだよね。

 この近未来が経済成長の絵図というならば、本来、人の求める精神的な豊かさを享受しやすくなるという点ではプラスに働くけど、物質的な経済世界ではより成長する産業とより衰退する産業が2極化することになると思う。

 こう考えると、就業率の上昇とか、保育や教育などへの資金援助っていうのはやっぱり本質的じゃないのかもしれない。

 人知を超えたその先の未来はきっとより豊かになる。

 でも、人知を超えすぎてしまうと、人は生きづらい。

 この前、プレステのVRを体験し、現実世界と非現実世界の境目を見た。

 この境目を超えようとしてるのが第4次産業革命のように思えて仕方ないんだけど、人づくり革命っていうのはホントのところ、どうなんだろ。

 一度立ち止まって、人間と技術の最適な関係っていうのを見つめてみるのも必要なんじゃないかって思う。

 そうじゃないと、たぶん、教育はこれからもどんどん加熱するだろうし、その反面、人間性がより失われやすくなる社会が加速する。

 ってことは、経済的には、持てる者と持てない者の格差がおそらく今よりも拡大するんだろうなぁ。

 さて、こう考えると、人の生き方というのはつまり、いかにして人と向き合える人格を形成するか、ここに尽きる。

 これがあって初めて温もりを感じ、これがあって初めて感性が磨かれ、これがあって初めて考える力が身に付く。

 この延長線上に教育の意味がある。

 たぶん、ここだな。

 第4次産業革命時代で生きていける高付加価値な人材は。

 

 ってことで、子育て支援策からだいぶ話が脱線しちゃったけど、方向性はある程度見えたからこれで良しっ。

 

 子育て資金、教育資金、進学資金。

 なんか気になることとかあったら、いつでもどぞ。

 

 

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