FP OFFICE 海援隊|1970年以降生まれの「ライフ&マネー塾」

これからの時代、変わりゆく常識を少しだけ早くキャッチし、人生に活かしてみる。

陰りゆくマイホーム神話。生まれ変わる住宅政策。

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 先の衆院選の結果を受けて第4次安倍内閣が発足。

 安定政権のいいところは、国家戦略にもとづいたいろんな施策が実現される可能性が高まること。

 つまり、生活面での見通しが立てやすくなるってことだ。

ざっくりいうと、

・新しい住宅政策の内容は?

・政策転換の背景

・住宅の資産価値についての考え方

・FPがこれの相談業務を担う⁉

 

これから始まる住宅政策ってなに?

 今、注目してるのは、これから既存住宅(中古住宅)市場の環境整備が進んでいくこと。

 すでに行程表にもとづいて少しずつ進められてるんだけど、将来、この国の住まいの考え方はこんなふうになることが予想される。

ライフステージに合わせて住み替える

 

 どういうこと?

 これは国交省から出てる「中古住宅市場活性化・空き家活用促進・住み替え円滑化に向けた取組について」からの抜粋ね。

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 前にもこのブログで書いたんだけど、要は、既存住宅(中古住宅)を軸にして、新婚期⇒子育て期⇒退職期⇒終活期とライフステージの変化に合わせて住み替えていくって方法

 

なんで住宅政策が変わったの?

 超高齢化・少子化社会で人口が減っていくのを国は想定していて、その中で既存住宅を資源として有効活用する必要が出てきた。

 そもそも論でいうと、新築のマイホームを高額な住宅ローンを組んで提供するっていう従来の住宅政策では、昔と比べ生涯収入が減ってる若年層からしてみれば、それだけで生活が苦しかったり、老後のお金が貯まりにくかったりって問題があるじゃん?

 実際、実務的にはこういうご家庭は珍しくない。

 それなら、今ある住宅を安く市場で売買できる枠組みを作り、リノベーションしてオシャレに工夫して長く住んでもらう方が何かとこの国の将来には良いって判断をしたんだよね。

 空き家問題の解決にもつながりやすくなるし、子育て世帯の家計への助けにもなるし、何よりも終活期にあるご老人が持ち家を貸して高齢者住宅に移り住むことをうながすことができるため介護問題の緩和につながる可能性もある。

 都市計画でいえば、郊外への拡大路線から市街地への集約路線に転換してるから、全国的に進んでいくコンパクトシティ化にも貢献できるってことで、これからは新築住宅よりも既存住宅の需要が増えていくって考えられてる。

 

住宅の資産価値を上げるってどういうこと?

 だいたいさ、マイホームっていうのは一旦建物を買ってしまうと、その瞬間から資産価値が目減りしていく。

 使うんだから当たり前なんだけど、日本では一回買ったらそれで終わりって発想だから、住宅って単純に高額な消耗品って扱いなんだよね。

 だから、マイホームの購入の基本は、今でもそうだけど「消費」って発想で買う必要があって、なのに「資産」だと思って買っちゃう人が多いのが実情。

 これがバブル崩壊後でも根強く残っている意味不明なマイホーム神話。

 まぁ、土地部分を見れば資産性は担保されるから完全に間違いじゃないんだけど、建物部分は単なる消耗品だから、お金だけの視点で考えると従来の住宅政策のもとでマイホームを買ってしまうと家計にとっては負債以外の何物でもない。

 こういうのを改めましょっていうのが、これから進んでいく新しい住宅政策。

 理屈でいうとこんなイメージになる。

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 従来の住宅政策のもとでは、たとえば築20年~25年でマイホームの資産価値はおおむねゼロになる。

 これは一戸建ての場合ね。

 ちなみにマンションはもう少し資産価値が残る。

 一戸建てだろうが、マンションだろうが、これを改めて本来あるべき住宅の価値にもとづいて評価していこうっていうのが新しい住宅政策にもとづいた価値評価だ。

 方法としては、リフォームやリノベーションを施したり、耐震補強したりと、適切な修繕を行いながら長く使うことで資産価値を保っていこうって考え方ね。

 やっとかよ、遅いよって思ったりするけど、リノベーション住宅は実をいうと少しずつ浸透してきてて、個人的には新築よりもリノベ住宅の方が魅力を感じる。

 

誰がこの相談業務を担うの?

 手前みそだけど、ファイナンシャル・プランナー(FP)がこの相談業務に対応することになった。

 この前、そのための研修に駆り出されたんだけど枠組みはこうだ。

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 何分、新しい施策だからどうなるか不明確な点も多いけど、おおよそで考えるとFPに求められてることは、マイホームの購入から出口戦略までをしっかりと考えてあげること。

 ポイントは長期のライフプランシミュレーションにもとづいた資金計画づくりってところだね。

 一番難しいことは、国の住宅政策の転換と国民の住宅観念の変化にまだまだズレがあるため、この調整を図るのに時間がかかる点。

 でも、先週からご相談対応させてもらってる40代のご夫婦にこの話をしたら、今住んでる家について老後どうするか考えておく必要があるわって言われて、あながち国の方向性は間違ってないんだなって実感した。

 

 兎にも角にも、安定政権の継続で国の政策はまたグッと進むことになる。

 やっぱりしっかりとした政権が続かないと、自分たちの暮らしについては見通しを立てにくい。

 自民党政権自体に問題点がないと言えばウソになるけど、暮らしを中心に考えれば、今回の選挙結果は1970年以降生まれの俺らにとっては良しと言えるかもしれない。

 

 今住んでるマイホーム、これから買おうと思ってるマイホーム。

 出口戦略をどうすべきかとか、有効活用するにはどうしたらいいの?とか、そんなのあったら、ちょっと一緒に考えてみよ。

 

 

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