FP OFFICE 海援隊|1970年以降生まれの「ライフ&マネー塾」

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保育士は誰でもできる仕事って、どういう意味?

「保育士」の画像検索結果

 なんかホリエモンツイッターで「保育士は誰でもできる仕事」って言っちゃって炎上してるみたい。

 言わんとしてることは、要は「保育の仕組みを変えた方がいいんじゃない?」ってことだと思うんだけどね。

ざっくりいうと、

ツイッターへの感想

・保育の問題ってなんで出てきてるの?

・この問題の本質とこれから

 

ホリエモンツイッターについての感想

 ちなみにうちの彼女は保育士。

 保育士と結婚してってのが目の前に控えてくると、この話は他人事とも思えない。

 まぁ、いろいろ現場の話とか聞くことは多いけど、印象としては少なくとも誰でもできる仕事じゃないような気がする。

 だってさ、企業内保育、園内保育、病児・病後児保育っつって、保育ひとつとってもいくつか種類があるようで、最近よく話題に上がってくるのが病児・病後児保育

 お子さんが急に病気にかかりました。

 でも、お母さんは働かなきゃいけない。

 子どもを家でひとりにすることはできない。

 だから病児保育をしてくれる園に預かってもらおう。

 そこで働いてる保育士ってさ、看護師と一緒に病気と向き合ってるんだぜ?

 結構、誰でもできることじゃないでしょ?

 

 ホリエモンが言ってる誰でもできる仕事っていうのは、表面的に見える保育士の仕事で、たとえば子どもをあやすとか、読み聞かせするとか、一緒に子どもと給食を食べるとか、指導要領を書くとか、保護者との対応をするとか、運動会の準備をするとか、結構、数えたら切りがない職務についてなんだと思う。

 確かに職務内容で改善すべき箇所はあるでしょ。

 保護者への連絡帳や保育の指導案を書いたり、行事ごとで絵を描いたり、工作したりってのは、ある程度パソコン作業で賄えるじゃんって思うけど、子どもへの温かみを大切にするって意味があるから心理的に抵抗があるみたい。

 

保育問題の時代的な背景

 改善できるところは改善すればいいと思うけど、この「保育士は誰にでもできる仕事」ってのは、本質的には保育制度の枠組みについての問題のような気がする。

 保育ってお金つけないで来たんだよね。

 この国の場合。

 今みたいに共働きが当たり前じゃなかった時代、離婚者数も少なかった時代、夫が働いて妻が子育てしてって考え方が主流だった。

 自分が子どものときもそうだったけど、幼児期はどちらかというと保育園に通う子どもよりも幼稚園に通う方が多かったよね。

 保育をめぐる問題って当時もたぶんあったはずで、それが表に出にくかっただけ。

 保育を必要とする家庭数が少なければ、今みたいに待機児童の問題なんてほぼなかったと思う。

 だから、国の政策としては優先順位が低かった。

 

 社会は全部つながってるわけで、FP的な視点でいえば、バブル経済が崩壊しデフレに突入、人々の平均年収が減り、夫婦で働かなきゃならない家計状況のご家庭が増えた。

 これだけで子育ての環境って変わるよね。

 たくさんの人が小さい子どもを幼稚園ではなく保育園に預ける必要性が出てきて、待機児童の問題に発展した。

 他にもあるよね。

 たとえば核家族の問題。

 核家族はこの国が経済的に発展する中で出てきた現象だけど、国の住宅政策がそうだったからしかたない。

 ご主人が働いて奥さんが子育てするって価値観が当たり前の時代なら、核家族でも子育ての環境はある程度機能してたんだろうけど、共働き社会では核家族だと子育てって結構大変だと思う。

 だから、近居・同居するご家庭が増え、国も1億総活躍プランの中で近居・同居に向けた政策を実行してる。

 それとか、働き方の問題ね。

 かつては旦那さんが会社でモーレツに働いて奥さんが子どもの面倒を見るって価値観だったから、会社としても、やれ残業だ、やれ休日出勤だとかで旦那さんをこき使えてたわけだけど、今じゃそうはいかない。

 むしろ女性がより働くようになったおかげで会社の社員・従業員に対する扱いが変わってきた。

 それでも、仕事と家庭の時間を両立させるのは大変。

 だから、働き方を少しずつ変えよってなってるんだよね。

 

この問題の核とこれから

 保育ってさ、基本、福祉政策じゃん?

 福祉政策ってことは、そもそも論でいうと利益を追求するもんじゃない。

 だから、国とか自治体が面倒を見て予算をつけていくってなってる。

 ここなんだよ、問題は。

 年金・医療・介護も福祉。

 超高齢化社会で高齢者への手当てが必要だから、子育ての方には十分なお金を回しにくいって現状がここにある。

 いろいろ情報を手繰っていくと、傾向としては高齢者に回すお金を少しずつ減らして子育て世代をケアする税金の使い方に変えていこうとしてるみたいだけど足りてないよね。

 

 たぶんね、経済的な問題が本当は根底にあって、豊かになりたいのか、それともほどほどでいいのか、はたまた貧しくてもいいのか、最終的には人々の暮らしやお金をめぐる価値観がどうなるかに帰着する気がする。

 解決策でいうなら福祉国家を目指す必要があると思うけど、世の中に出回るお金をより再分配しやすい経済的な枠組みを整えることがポイントなんじゃないかな。

 でもね、これ、税金と社会保険料が増えることにつながる。

 健康長寿社会、そして人口減少化社会。

 人口のリバランスが完了するまで、この問題、本質的には解決しないでしょ。

 ってことは、目先、園内で働き方の改善っていうか、職務内容の変更・見直しをする程度の努力しかできないってことだと思う。

 私立保育園で、むっちゃ保育料が高いですって園なら別だけど・・・。

 

 この問題、考えたら切りがないので、ここらへんでやめときます。

 

 

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