選挙を追うのはもうやめた。国際情勢の前提と日本の国家戦略が見えないと、ぶっちゃけ自分たちの暮らしはようわからん。
最近、選挙ネタ書くの多いけど、なんか、今の選挙って、ホントよくわかんない。
とりあえず、政党云々、公約云々の話はいったんストップして、自分なりの考えをまとめてみます。
基本に立ち返る。
ざっくりいうと、
・たぶんこれが今の国際情勢
・国際情勢から見た日本の国家戦略と戦術
・自分たちはどう考えていけばいいの?
国際情勢の前提と日本のすごさ
やっぱ国際情勢だよなぁ。
これがわかんないと、これからの日本がどうなるかが見えない。
国際情勢の中で日本がどういう戦略を描いているのか想定したうえで国内政治って決まってくるから、ここを起点にちょっと考えてみる。
たぶん21世紀がどんな時代なのかってことなんだろうけど、たぶん中国なんだよね。
中国が世界の覇権を握ろうとする世紀が今世紀の特徴。
そこにユーラシア大陸を東西に横断してるロシアの上下左右の動きが連動して、西はヨーロッパ、中央は中央アジアとアラブ地域、東は極東アジアと東南アジアに影響を及ぼしながら、それを日・米・英でいかに食い止めるかの戦いのような気がする。
大陸国家VS海洋国家のせめぎ合い。
すっげーダイナミズムを感じるんだけど、世界史で漢とか唐とかモンゴルの時代みたいに東西でつながって躍動的に動いていくってイメージ。
北朝鮮をめぐる問題はこういうダイナミックな動きの中での局地戦にすぎなくて、朝鮮半島の人たちには気の毒だけど、中国の力が増せば増すほど朝鮮半島はその外側の地域との緩衝地帯になりやすい。
で、まさにこれから北朝鮮の扱いをどうしようかって米中で話し合いが持たれようとしてるところ。
日本ってやっぱすごくて、選挙では公約云々であ~だ、こ~だって話がされてるけど、こういう国際情勢を見極めながら国際政治を制約がありつつも乗り越えようとしてる。
制約っていうのは、軍事的プレゼンスを取れない状態のことで、つまりは憲法上の制約なんだけど、手かせ・足かせをはめられた状態で国家戦略を構築してるんだからすごい。
レベル高すぎ。
日本の国家戦略と国家戦術
国際情勢の動きから見ると、日本の国家戦略は原則、世界、特に東アジアの平和と安定を維持し、国益を守るみたいなところだと思う。
もしこうなら、日本としては、①国益をいかに守るか、②その裏付けとしての経済力をどう高めるか、③その担い手をどう育てるか、この3つが国家戦術になると思う。
だから、憲法論議をいいかげんに前に進めようってことなんだろうし、デフレから脱却し経済成長を意地でも遂げようってことなんだろうし、人口減少に対してどのような手を打てばいいか、打てる手をすべて打っていこうってことなんだと思う。
要は、防衛力と経済力と人材っていう最も基本的な部分に手を突っ込み、国家戦略にもとづいて戦術を組み立ててるってことなんだけど、ここら辺のことが選挙をめぐって具体的に話の中に出てこないのが不思議。
まぁ、ややこしすぎて伝えきれないよね。
こういう国際情勢の変化にもとづいた国家の戦略と戦術さえわかったら、あとは結構いろんな施策がつながるのがわかる。
たとえば、プライマリーバランス(基礎的財政収支)を均衡させようっていうのは、国際公約になってるらしいけど、極東アジアの不安定化ってところで考えれば、国際公約は守る必要はなく、自国の利益(ここでは国防)を見据えて歳出を増やしていくのは必要。
国債を発行したら後の世代にその付けが回るっていう論調もあるけど、国家っていうのは家計とはお金の考え方が根本的に違うし、ましてや中国の覇権っていうリスクが極東地域で高まってる状況ではなおさらお金の工面をもっと現実的に議論する必要がある。
消費税の増税について言えば、これは考えようがあって、増税するとGDP(国内総生産)は落ち込む、つまり経済力が下がる。
逆に増税しなければ経済成長のスピードが上がり、デフレからの脱却が早まる可能性が高まるけど、社会保障への手当てが遅れる。
消費税についても国際情勢の変化を軸に考えると、おそらく後者が正解で、その代わり、いいかげんに社会保障制度そのものの仕組みをしっかりと議論しようってすればいいだけのような気がする。
それとか、生産性の向上。
生産性の向上は、基本的には3つのパターンで考えられてる。
ひとつ目は技術革新、もうひとつは働き方改革、そして最後に人づくり革命、これは人的投資ね。
理論上はたぶん合ってるんだと思うけど、この結果、実を言うと、実体経済はそれほど潤わず、潤うのはお金の上流域にある金融部門と中流域にあるIT系産業を始めとする新分野。
下流域の旧来型産業は構造上、お金が沸き上がるキャパやスピードがこれら2部門と比べ劣るため、特に世界的に当たり前になった金融政策や生産性革命の流れではトリクルダウンされにくい。
でも、国家戦略上は経済成長を遂げさせお金を生み出せばいいわけだから、国としては実体経済も大事なんだけど、資産市場を潤わす方が効率的にお金が入りやすくなる。
つまり、経済の上流と中流でお金を好循環させ、経済成長を牽引していくって戦術は国家戦略上間違いとは言えない。
むしろ正しいかもしれない。
こう考えると、国の政策ってやっぱ理解されにくいんだよね。
国際情勢自体が複雑に絡み合ってて、地球規模で国同士がタッグを組んで自国の利益のために相撲を取ってるみたいなもんだから、一局が崩れるとそこからほころびが出やすくなる。
そうさせないために日本という国家は踏ん張ってるって自分には映るんだけど・・・。
じゃあ、この状況を自分たちはどう考える?
こういうのがこの国の現代のプログラム設定っていうなら、自分たち1970年以降生まれは何を考え、どう行動すればいいかが自ずと見えてくる。
FP事務所をやってるから話題は暮らしとお金になっちゃうけど、方向性としては、①実体経済は上向きにくい、②増税、③社会保障費を消費税で捻出しようとするから社会保険料増、この3つのパターンが容易に描ける。
ってことは、経済の上流と中流域にいなければ家計の安泰は図りづらい。
多くの人が収入に占める支出の割合が高まり、お金を貯めるのに四苦八苦する。
お金が貯まりにくい世の中を前提にしてるから、金融庁は資産運用を資産形成という言葉に変え、そんなに怖がる必要はないよって言ってくるし、また厚労省は確定拠出年金制度を構築し自分の老後はなるべく自分でやってくださいねってしてる。
教育だってそう。
英語とプログラミングを学校で教えていくってことになってて、英語については国際社会で通用する、つまり、世界に出てお金が稼げる人材育成でしょ?
プログラミング教育なんて、小さいうちからITに馴染ませて利益をより生み出しやすいシステムを構築せよってことだから、これについても国家戦略に合致してる。
賛否は置いておいてね。
こんなふうに考えていくと、確実に言えることは、これまでの常識がホント変わってきてるってことで、それを見越したうえで暮らしやら子育てやら老後のことを考えていく必要があるってことなんだと思う。
ここまで考える人ってあんまいないと思うけど、そうさせてもらえてるのは日本が平和だから。
世界史にはひとつの法則があって、混沌と安定(平和)が入れ替わり立ち替わりでやってくる。
21世紀は、それまでの安定期から混沌期に入っていくってよく言われてるけど、こういう負のパラダイムシフトが起こっていく時代ではリスクを当たり前に受け止めていく必要がある。
自分たちは平和とか、安定した時代に慣れ切ってるから、リスクに対しては一様に抵抗感があるかもしれないけど、時代がこの流れに入っている以上、リスクを許容し、いかに御していくか、自己の能力を高めていくことが重要なんだと思う。
その最たる例が情報なんだけど、たぶん、これからの教育で重要視されるのはやっぱり考える力なんだよね。
考える力っていうか、想像力。
小手先で想像力を養うのは難しくて、だから根本的にゆとり教育は失敗したって言えるんだけど、大人になって想像力を身につけようって言ったところで脳の衰えがあるから難しい。
でも、子どもたちはこれからそんなふうに育っていくんだと思う。
ただ、大人が想像力の重要性を認識していればの話だけど。
科目でいうと国語とか、算数とか、美術・音楽とかかな。
会社のあり方も変わってくるんだと思う。
会社勤めは総合職が当たり前な部分もあるけど、なんでもこなせますって人材よりも、想像力があり、なおかつ専門性が高い人材が重宝がられると思う。
国の教育政策を見ると次の時代に合ったエリートを育てようってなってきてるし、自分たちが子どものころや若かったころの教育方針とはまるで違ったものになってきてるような気がする。
こういうのも、結局、国家戦略の中に位置づけられてるんだよね。
だからこそ、雰囲気に流されるような生き方とか、みんながそうだからみたいな決め方は逆にリスキーなんだけど、結構これって伝わりにくい。
それだけ自分たちは前世紀の価値観により頭の中が固定化されてるってことで、1970年以降生まれの自分らはこれからどこまで柔軟に時代と向き合えるのか。
最近思うんだよね。
自分は40代だけど、30代とか20代の子たちって、やっぱ頭の中が柔らかい。
時代の求めることを本能でキャッチしてるような気がするんだけど、年を取っても頭の中のプログラムを書き換えるってできるんだろうか。
もちろん大事なものは持ち続けながらってことだけど。