お金が貯められる人はシミュレーションの意味を知っている。
毎月いくらお金を貯めれば、何年後にいくら貯まるのか。
現在、顧客対応の効率化を図るため各種計算シートを作成しています。
こういうシートを作成していると、貯めたお金で何をするかってやっぱり大切なんだなと改めて思います。
お金を貯める目的は人それぞれですが、ご相談で多いのが老後の生活資金です。
定期預金を組んだり、保険を使って積み立てたり、確定拠出年金で運用したりと方法は様々です。
老後のお金を貯めて何をしますか?
やっぱり目的がないとお金を貯めていても楽しくありません。
個人的には、東京オリンピック後、人口減少に伴う不動産価格の下落が予想されているので、数年後に土地を購入するために毎月いくらぐらい貯蓄・運用に回そうかと検討しているところです。
今回は、お金を貯めたいならシミュレーションにもとづいて計画を立てるのが重要ということだけ伝わればいいかなと思っています。
とりあえず利用者数が増えている確定拠出年金をテーマに、金融商品ごとの貯蓄効率を見比べてみましょう。
◎個人型確定拠出年金「積立定期」運用シミュレーション
ちょっと見づらいため、グラフの画像をクリックして拡大しながらご覧ください。
積立の効果を知る場合、複利計算を用います。
複利計算は、簡単にいうと、元本と利息が雪だるま式に増えていく積立方法です。
積立定期の場合、三菱東京UFJ銀行では「5年定期」があり、年利は2017年9月時点で0.010%となっています。
毎月1万円、この定期預金で貯蓄していくと、今から20年後、元本とその利息は合計で240万2,281円になります。
20年間運用して利息が2,281円しかつかないかぁ。
自分なら、老後のお金を貯める方法としては、即却下です。
確定拠出年金なので拠出した金額が所得控除の対処となるため節税効果はあります。
でも、金利が低すぎるため手数料を差し引くと節税分ぐらいしか期待できない・・・。
残念。
次に同銀行の積立保険について見ていきます。
◎個人型確定拠出年金「積立保険」運用シミュレーション
明治安田生命の利率保証年金という商品です。
個人年金保険ですね。
年0.170%での運用となっているため、前述した定期預金よりも金利は高いです。
同じく毎月1万円ずつ掛けた場合、20年後、元本とその利息を足した額は243万9,158円となります。
これだけ長く預けて約4万円しか増えてない・・・。
これだとネット銀行の定期預金の方が利率が高いので、保険機能を考えなければ正直スズメの涙ほどの利息です。
ただし、前述の定期預金と同じく確定拠出年金制度の対象商品であるため、掛け金は全額所得控除できるようになっています。
これも節税効果があるぐらいしかメリットはありません。
最後に投資信託で運用する場合はどうでしょうか。
投資信託は、たとえば株式型の場合、いくつもの会社の株式に分散投資されパッケージ化されているため、商品によってローリスク・ミドルリスク・ハイリスクとリスクの度合いをある程度コントロールできるようになっています。
ただし、経済環境などの変化により基準価額(投資信託の値段)が変動するので、投資教育などを通じ自分でも少し勉強していく必要があります。
ここでは毎年平均で2.00%の運用利回りがあると仮定してシミュレーションしてみました。
同じく毎月1万円を拠出した場合、20年後の元利合計額は291万5,684円となっています。
利息だけで51万5,684円なのでお金を活かしたって感じがしますね。
値下がりのリスクがあるため利回りも変動しますが、リスク(不確実性)を取れるお金なら3つの中では投資信託が1番投資効率がいいと思います。
これも掛け金は所得控除の対象となるので節税効果はあります。
万一リスクを被った場合、節税効果分を使い損失を相殺していくイメージで運用していくといいかもしれません。
やっぱりお金を貯めるなら、数パーセントの利回りがどうしても必要です。
自分ならまずこれを選びますね。
何かをしたいからお金を貯めて夢をつかむ。
お金は単にそのための方法・手段にすぎません。
シミュレーションは、無理のない現実的な金額でお金を貯めていく際の有効なアプローチです。
お金のことはだいたい計算で成り立つって言われるのはそういうことなんですね。