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子育てしながら、お金を貯める。これまでとはちょっと違った未来の常識。

10月の衆院選。消費税増税の前に、この国の財政ってどうなの?

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 今の子どもたち、そしてこれから生まれてくる子どもたちの教育環境って、どうなるんでしょうね。

 今月の28日に臨時国会を召集し、そこで衆議院を解散、10月に安倍政権の政策についての民意が問われる衆議院議員選挙。

 争点のひとつになるだろうと言われているのが「幼児教育・保育の早期無償化」です。

 ず~っと何年も保育や幼児教育についての議論がなされていますが、年金などの社会保障制度と同様、遅いよって思います。

 確かに、高齢化社会の拡大で社会保障費が増え続け、また国の借金も増加し、バブル崩壊以降のデフレ経済から抜け出せていない中で、少子化対策子育て支援などを急げと言われてもなかなか難しいとは思います。

 でも、これから始まるかもしれない子育て支援策って、どの世代の親御さんからスタートするの?

 ファイナンシャル・プランナー(FP)としてご相談者と対峙していつも思うのは、子育て資金と老後のお金についての悩みの多さです。

 教育や進学資金を貯めなきゃならないので家計に余裕がない・・・。

 老後にもらえる年金がどうなるかわからないので、年を取った後の生活が心配・・・。

 そういう声を耳にしながら、今、国の政策はこうなっていますみたいな資料を紐解いたりしますが、どう考えても団塊のジュニア世代にとってはマイナス要素の方が多いような気がしてなりません。

 団塊ジュニアは1971年~1974年に生まれた世代と言われていますが、今の年齢で表すと46歳~43歳までの層です。

 個人的にはこの世代層を10年スパンで就職氷河期世代も含めて考えていますが、そうすると年齢は今の46歳から37歳までになります。

 おおよそここら辺の層が人口動態では分厚くなっていますが、この層が老後を迎え65歳を過ぎるようになると高齢化社会がピークアウトしていくそうです。

 その前に改革していく必要があるとされているのが「社会保障制度」と「子育て支援制度」です。

 

 あれ? 団塊ジュニア世代にはなんか遅くない?

 団塊ジュニア世代が老後を迎えるころには、年金の受給額は今より減ってるし、ましてや年金の支給開始年齢なんて68歳にしようとか、70歳にしようとか議論されている始末です。

 その分、リタイアする年齢も後になり、アクティブシニアの言葉のもと、70歳までは健康で元気に働きましょうなんて掲げられています。

 その反面、国がこれから始めようとしている幼児教育や保育の無償化は、そもそも子どもたちがすでに幼児ではない世帯が多く、正直、関係ありません。

 子育てにかかるお金について、現場の声としては、今必要なんです。

 

 そう考えると、国が考えている子育て支援策は次世代につなげる未来に向けた人的投資と言えます。

 とはいっても、この世代が超高齢化社会社会保障費を背負っていくことになりますが・・・。

 

 これから国は、高齢期の国民の暮らしと子育て期の国民の暮らしのバランスをどう取っていくか、ますます岐路に立たされます。

 よく言われるのは財源の問題です。

 財務省が発行している「これからの日本のために財政を考える」では、この国のプライマリーバランス基礎的財政収支)の推移を見ることができます。

 

〔日本の収入・支出ってどうなってるの?〕

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 私たちの家計でいうと、収入よりも支出がかなり多くて、その穴埋めを借金(国債)で賄っている状況です。

 毎年、赤字家計ってことですね。

 

 それじゃ、なんでこんなふうになっちゃったの?

〔なぜ、財政が悪化したのか〕

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 歳入は毎年の収入、歳出は毎年の支出のことです。

 1990年と2017年の予算ベースでの資料ですが、歳入を見ると税収などの年間収入はほとんど変わっていません。

 一方、歳出を見ると、社会保障費が約3倍に膨れ上がり、これが歳入に占める公債金の割合を増やし、この結果、歳出の中にある国債費(償還金や利払いなど)も増えてしまった!

 プライマリーバランス基礎的財政収支)の均衡は、国債を差し引いた、歳入と歳出を同じにしようという考え方です。

 要は、借金に頼らずに収入内で支出をすべて賄おうということです。

 上の棒グラフは、それが非常に難しいということで借金の多さも問題であると指摘しています。

 だから、国の借金である国債を減らそうという議論があるんですね。

 

 でも、これって「収入」と「支出」と「純利益(収入-支出)」についてしか見てません。

 つまり、家計でいうと、「家計簿」にしか目を向けていなくて、「資産表」についてはスルーしてしまっています。

 企業の会計では、家計簿に当たる財務諸表を「損益計算書(P/L)」、資産表に当たる財務諸表を「貸借対照表(B/S)」と言います。

 国も同じなんですが、いつも財政の話題になると、この貸借対照表(B/S)について言及されないんですね。

 これを見ないと、本当の国の財政はわかりません。

 資産表=貸借対照表(B/S)では、「資産」と「負債」と「純資産(資産-負債)」の関係を見ることができます。

 

〔国の貸借対照表(B/S)〕

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 左側は資産、右側が負債ですが、資産から負債を引いた純資産の金額が▲520.8兆円(2016年3月末)となっています。

 あれ?純資産も赤字!?

 やばいじゃんって思いますが、負債の中身を見てみると、公債の比率が高いようです。

 

〔各国の国債等所有者別内訳〕

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 2016年12月末の日本の国債発行額は合計で1,075兆5,072億円となっています。

 そのうち、日銀が30%、銀行等が21%、生損保等が19%、公的年金が5%、年金基金が2%、その他が2%保有し、海外が保有している日本国債の割合は10%です。

 つまり、負債の中にある国債は日本国内で借りられ、そして償還されているため、この国にとっては資産でもあります。

 ということは、この国の貸借対照表(B/S)を読むときは、資産>負債で純資産がプラスとなり、日本の財務内容は健全と見ていく必要があります。

 他の国と比べてみましょう。

 上の円グラフでは、他の国はいずれも自国の国債保有比率が日本に比べ低くなっています。

 裏を返すと、外国からお金を借りて国の運営資金にしているという意味です。

 サブプライムローン問題やリーマンショックギリシャショックのときに日本円が買われたのはこういう理由からなんですね。

 よその国ではよそからお金を借りているため、国債を売られてしまうと即刻財務内容が悪化する恐れがあります。

 でも、日本はそうではなかった。

 国内で国債のほとんどが循環しているため、国全体の財務体力がほとんど痛みませんでした。

 このようなことから、日本にはお金がないというのは正確には誤りで、むしろ、資産表=貸借対照表(B/S)は健全ですが、家計簿=損益計算書(P/L)が痛んでいるため、年間の収支であるプライマリーバランス基礎的財政収支)を改善しましょうとするのが正しい解釈と言えるでしょう。

 ということで、プライマリーバランスを少しずつ改善しながら、借金を減らしていくという当たり前の政策が採られています。

 

 その中での衆院選の争点と目されている「幼児教育・保育の早期無償化」。

 年金や介護、医療といった他の社会保障制度改革も含め、現役世代の今と老後をしっかり見据えた議論が行われることを期待します。

 極端に「借金大国だから日本は危ない」だとか、また逆に「借金はもっとしても大丈夫だ」とか、極論での議論ではなく、それこそバランスのある議論がしてほしいものです。

 10月に行われるだろうと言われている衆院選

 私たちの生活だけの話ではありませんが、生活という身近な部分からこの国の政策を手繰り寄せ、それらについて考えてみるのも面白いかもしれませんね。

 

 

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