平均寿命が過去最高! 健康長寿時代における保険の見直しポイント。
新潟県の地場銀行「第四銀行」が、人生にかかるお金の目安をちょっとわかりやすく紹介しています。
実務的には、個々のご家庭をこんなふうに平均値で捉えるようなことはしません。
なぜならば、ご家庭ごとに人生が違うため、一般論で考えてしまうとライフプラン・シミュレーションの精度が落ちてしまうからです。
人間いろいろ、人生いろいろです。
平均寿命が毎年のように延びていく「健康長寿時代」。
1970年以降生まれの僕らの人生は、親世代と同じようなデータで考えても、そんなに意味はないんですね。
さて、先日、厚労省が「平成28年の簡易生命表」についてデータを公表し、男女ともに平均寿命が、またまた過去の記録を更新していることが判明しました。
男性:80.98歳
女性:87.14歳
ながっ。
戦後の復興期である昭和22年、日本人の平均寿命は「男:50.06歳」、「女:53.96歳」でした。
それが今や「男:80.98歳」、「女:87.14歳」と、いかに寿命が延びてきたのかがわかります。
同時にこんな表も公表されました。
この表は、一定の年齢時点で生きている人の割合を表しています。
たとえば、平成28年(2016年)では、男の場合、40歳時点で生きている人の割合が98.3%、65歳時点では89.1%、75歳時点では75.1%。
90歳時点では一気に減って25.6%、つまり4人に1人、95歳時点では9.1%の人がまだ生きているというふうに見ていきます。
注目したいのは平成28年(2016年)の女性の場合ですが、90歳時点でも生きている人が49.9%と約半数、95歳時点では25.2%と4人に1人がまだ生きている状況です。
すごっ!
日本人はいったい何歳まで生きるんですかね。
日本人の食生活や健康志向、医療技術の進展など、長寿になる理由はいろいろありますが、厚労省が発表した「平成28年の簡易生命表」では、死因が平均寿命にどのような影響を与えているのかについてのデータも公表しています。
この棒グラフは、前の年の平均寿命と比べ、その年の平均寿命が長くなっている、もしくは、短くなっている理由が何なのかを知ろうとするものです。
グラフでは、日本人の死因のうち、三大疾病である「悪性新生物」・「心疾患」・「脳血管疾患」の寄与年数が高くなっています。
これは、三大疾病の治療を行った結果、前年と比較して寿命が延びていることを表していますが、医療技術の進歩がいかに平均寿命を延ばしているのかがわかります。
健康長寿時代とは、人生100年を生きる時代と定義づけられています。
このように見ていくと、「90歳ぐらいまで生きるのは、そのうち普通になるのかな」なんて思います。
ということは、ライフプランの考え方も延長させていく必要があるでしょうし、特に保険の入り方も、多少ですが、見直す必要があるかもしれません。
長生きがリスクであるかどうかは別として、一般的に、退職後に必要な保障は、
①病気やケガのリスクに備える「医療保険(三大疾病保障も含む)」
②葬儀費用を準備するための「少額の死亡保険」
③がんのリスクに備える「がん保険」
④寝たきりなどの介護状態に備える「介護保険」
⑤老後の住替え費用を準備するための「貯蓄性の保険」
などが考えられます。
①の「医療保険(三大疾病保障も含む)」と③の「がん保険」、④の「介護保険」は、直接、健康上の長生きにかかわってくるので、その必要性は増してくるでしょう。
これらの加入期間は「一生涯」がおすすめです。
いくつかの保険では、保障期間が何歳までと限定されているものがあります。
もし、これらの保険について、保障期間に定めのある保険に入っている場合は、保障の見直しを検討していくようにしましょう。
②の「少額の死亡保険」は葬儀費用を確保するために活用しますが、お葬式代を現金・預金で賄うと考えている方はそれほど必要ないかもしれません。
ただ、長寿であることを前提に考えると、長く生きる分生活費がかかってくるため、安心という意味で入っておくと、万一のことがあった場合、ご家族に金銭的な迷惑がかからないという利点があります。
⑤の「貯蓄性の保険」は、いわゆる“住替え”や“空き家対策”などに活用するためのものです。
退職後は、その後の人生を、どこで、どのように暮らすのか、また、財産を息子・娘にどのように移転していくのかを現実的に考えるようになります。
このための対策費をどのように準備すべきかというのがこの保険の目的と言えますが、健康長寿時代、長生きに備えるための新たな保障ニーズとして注目されてくるでしょう。
普段、意識して目にすることはほとんどありませんが、たまに見てみると、別の視点でこれからどうすべきかのヒントを私たちに与えてくれます。
民間の保険だけでなく、公的な年金や健康保険などの保険料の算定基礎にも活用されているので、私たちの生活には結構身近なデータでもあるんです。
これからを考える際の、ちょっとした参考として活用してみてくださいね。
◎保険の見直しのご相談は