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資産運用が好きな自分が、不動産投資に興味がわかない理由。

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 今回のタイトル『資産運用が好きな自分が、不動産投資に興味がわかない理由』。

 それは、まとまったお金がないからですっ!

 答えが一行で終わっちゃいました。

 これじゃあ、ブログとしては成り立たないので、もうちょっとその理由をちゃんと書いていきます。

 なんでも、アベノミクスが始まってから分譲マンションを対象とした不動産投資が流行っているそうです。

 不動産業者や資産家の人たちならまだしも、収入の水準がミドルアッパー層(年収だと600万円以上ぐらいでしょうか)に位置する会社員や公務員の人たちにも人気だとか。

 

 なんでだろうって思いません?

 自分としては、資産運用はどちらかというと好きな方ですが、不動産投資にはあんまり興味がわきません。

 

 近頃の不動産投資は、おおよそこんな感じの内容です。

①東京都23区内にある投資用のマンションが対象。

②物件は新築も中古もある。

③価格は1,000万円台~3,000万円台のものが多い。

④手元に資金が足りないので、銀行などの金融機関から長期の住宅ローンを借入れ、買う。

⑤住宅ローンを組むときは団体信用生命保険に入る。

⑥購入後は誰かに貸す。

⑦そして、家賃収入を得ながら、なるべく早めに繰上げ返済をし、完済する。

⑧完済後は、売却して利益を得ようとするか、老後の生活資金を補うため、継続して家賃収入を得ていく。

 方法論としてはわかりやすいですよね。

 分譲マンションを買って誰かに貸すか、買った後、売却するかです。

 

 付き合いのある不動産投資会社の人が言ってました。

会社員や公務員の場合、投資するマンションの戸数はだいたい1、2件ぐらい

 

 ここなんですよ、引っかかるのは。

 

 ちょっとここで、投資の意味について考えます。

 よく「投資はギャンブルだ」なんて言われます。

 不確実性に賭けるという意味では確かにそうなんですけど、細かく見ると違います。

 どちらかというと「投機」がギャンブルですね。

 

 この違いは何かというと、運用の「期間」にあります。

投資=運用期間が長い

投機=運用期間が短い

 また、運用の「目的」にも違いがあります。

投資=一定の目的のためにお金を増やす

投機=遊びに興じる

 そして、「お金の分け方」でも違いがあります。

投資=何箇所かに分ける傾向がある

投機=1箇所に投じる傾向がある

 資産運用が好きな人にとっては、この分類はそれほど意味がないんですが、そうでない人にとっては、これが「投資」と「投機」の基本的な違いであるとご理解ください。

 まとめると、こんな感じです。

投資は、ある目的のために、長期で分散して行うもの。

投機は、刹那的なお金儲けが目的で、1点買いのリスクを楽しむもの。

 たとえば、確定拠出年金投資信託を買う場合、自分や家族の老後の生活資金を補うために運用しますよね。

 しかも、投資信託に組み入れられている投資対象はいくつもあります。

 だから、長期分散投資なんて言われます。

 一方、パチンコなどのギャンブルは、そのときにちょっと遊びでお金が増えてくれればいいなぐらいの感覚なので、目的のない機会にお金を投じるいう意味で投機とされます。

 

 それでは、先ほどの「会社員や公務員の場合、投資するマンションの戸数はだいたい1、2件ぐらい」という不動産投資はどうでしょうか。

 期間は長いです。

 目的は老後の生活資金を補うため。

 ここまではいいんですが、投資対象を分譲マンション1点買いにしてしまっているので、お金を分けていません。

つまり、分散投資をしていない。

 投資は、あくまでも「目的を持って・長期で・お金を分散させる」ことが基本なので、不動産投資自体が悪いというよりも、買い方が悪いと言えます。

 もし買うなら、1部屋ではなく複数の部屋を買う、しかも、同じ棟で部屋を分けるのではなく別の棟に部屋を分散させる、また、同じ地域の物件を対象にするのではなく別の地域(他の都道府県や外国)に分けて買うといった方法で分散させることが大切です。

 これができるのは、初めからたくさんお金を持っている人たちです。

 だから、自分としてはあまり興味がわきません。

 借金までしてやりたいものでもないし、それ以前にこんな買い方できません。

 

 もうひとつ、不動産投資に興味がわかない理由。

構造上、借金の完済まではマイナス運用。

 不動産投資をする場合、一般的に住宅ローンを組んで分譲マンションなどの投資用物件を購入します。

 損益計算書(P/L)と貸借対照表(B/S)で考えると、このような関係になります。

資産⇒物件の評価額

負債⇒住宅ローンの残債

支出⇒住宅ローンの月々の返済額(元本や利息)

収入⇒家賃・売却益

 これに対し、国債投資信託、外貨、株式、REIT(不動産投信)、金などでポートフォリオを組み、分散投資をする場合、損益計算書(P/L)と貸借対照表(B/S)の中では次のようになります。

資産⇒各有価証券など

負債⇒なし

支出⇒各有価証券などの購入費用

収入⇒売却益・配当金・利子

 違いは「負債」です。

 

 不動産投資では、一般的に借入れを行っているため、元本に利息を付けて返さなければなりません。

 ということは、初めからマイナスを被りながらのスタートです。

 損益計算書(P/L)の中では、このマイナス分(元本分と利息分)を、家賃から得られる収入で繰上げ返済しながら払い終え、予定している損益分岐点に達した後、初めて収益が得られるようになります。

 その代わり、住宅ローンを払い終えた後は、購入した物件は資産として残ります。

 ただ、マンションなので、経過年数に合わせて老朽化していくため、通常、資産価値は目減りします。

 貸借対照表(B/S)上では、物件価格が上がり続けるような好景気にならない限り、純資産の減少が確定しちゃってるんですね。

 そして、資産価値が目減りした物件を売ったときに、その売却代金を計上し、初めて本当に不動産投資をやって良かったかどうかが判明します。

 

 一方、有価証券などの分散投資の場合、一般的には借入れは行いません。

 負債がないので、マーケットの変動に合わせていつでも自由に売買できます。

 よく指摘されることですが、不動産投資と有価証券などを主体とした分散投資では、

流動性

が着目されます。

 流動性とは、いつでも買いたいときに買え、売りたいときに売れる取り引きの自由度のことです。

 売買の機動性と言ってもいいかもしれません。

 資産運用や資産形成では、これが最も重要で、流動性が高ければ高いほど景気の変動に上手く対応しやすくなります。

 

 不動産投資でも、有価証券などを組み合わせた分散投資でも、老後の生活資金を貯めることを目的にした場合、多少の違いはあれ、ある程度の利回りを追求できる可能性はあります。

 ただ、重要なのは「流動性」です。

 不動産投資の弱点である流動性の低さをカバーするために、有価証券などと組み合わせ分散投資をすると、長期の運用がより効果的にしやすくなります。

 

 だから、分譲マンションの1戸買い投資には興味がわかないんです。

 預貯金も、国債も、保険も、投資信託も、株式も、外貨も、REIT(不動産投信)も、金も、そしてマンションの不動産投資も、全部合わせて分散投資

 この基本的な考え方がなく、不動産投資の1点買いは、これからのご時世、どうなんでしょ。

 不動産投資で大事なのは、物件探しも含めて買い方なんですよね。

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