FP OFFICE 海援隊|1970年以降生まれと語るお金の話

子育てしながら、お金を貯める。これまでとはちょっと違った未来の常識。

子育て世帯、かなり使える5つの税制。

「教育資金の贈与」の画像検索結果

 以前、マイホームの購入に際し、ライフプランの資金シミュレーションのご依頼があったご相談者様から、先日、子どもの教育資金について「ご主人のお父さんがお孫さんに学資保険をかける」というお話をうかがったので、学資保険の現状と「教育資金の贈与」について簡単に説明させていただきました。

 ここ2、3年ぐらいの傾向でしょうか。

 「おじいちゃん・おばあちゃんが、お孫さんに学資保険をかけるのはいかがでしょうか」という保険会社からの提案が流行っているような気がします。

 高齢者世帯はお金を持っている。

 その子どもたちである子育て世帯は、子どもにお金がかかるし、老後のお金も貯める必要があるしで、比較的家計に余裕がない。

 ならば、おじいちゃんやおばあちゃんにお金を使ってもらおう!

 このような発想で「おじいちゃん・おばあちゃんに学資保険はいかがですか」営業をやっているんだと思いますが、これも時代の流れなのかもしれません。

 確かに国も、高齢者世帯から子育て・若者世帯に資金や資産を移転する政策をいろいろと行っています。

 ただ、ファイナンシャル・プランナー(以下、FP)としては、「だからと言って、保険会社が学資保険を勧めるのはいかがなものか・・・」と思ってしまいます。

 このブログでも何度かお話させていただいていますが、学資保険を始めとする貯蓄性のある保険は、この4月より多くの保険会社で利率が下がっているか、保険料が上がっているか、つまり、実質的な運用利回りが下がっています

 中には、払い込んだ保険料の総額よりも、戻ってくる満期保険金の額の方が少なくなっているものもあり、保険を使うとお金が貯まりやすいという魅力が、ほぼなくなってているのが実情です。

 このような理由から「教育資金の贈与」についてお話をさせていただいたわけですが、子育て世帯にとって重要なのは「子育て資金を貯めながら、老後のお金も貯める」こと。

 別の言い方をすると、

ここ近年、よりお金が貯まりにくい環境になっているので、将来に向けさまざまな方法を総動員して、効率的に家計を運営していく

ことがとても重要になっています。

 家計運営の基本的な考え方である

①収入を増やす

②支出を減らす

③資産を増やす

④負債を減らす

ことで、純利益(①-②)を増やし、純資産(③-④)を増やすことを基礎に置きながら、子育て世帯としてできうる限りの家計防衛を図っていく必要があります。

 そこで今、FPとして考えていることが、

税制をしっかりと活用し、家計運営の効率化を図る

には、どのようにすべきかということです。

 今回は、注目すべき制度をご紹介し、祖父母からの資金移転も含め、ライフプラン(生活設計)上、長期的なスパンで見た家計の効率化策をお伝えしていきたいと思います。

〔マイホームを購入するとき〕

①住宅ローン税制(住宅借入金等特別控除)

 マイホームを購入するうえで、すでに当たり前に活用されている「住宅借入金等特別控除(いわゆる住宅ローン控除)」。

 ポイントは、一定の要件のもと、年末の住宅ローン残高に合わせて、一定の期間、その年の所得税額から住宅ローン控除がされるので、家計にとっては、結果的に所得税を払わなくても良い状態になる可能性があることです。

 ちなみに平成26年4月1日から平成31年6月30日までにマイホームを購入した場合、10年間に渡り、年末の住宅ローン残高に0.1%を乗じた金額を住宅ローン控除として毎年の所得税額から引けるようになっています。

 これは、結果的に支払うべき所得税が浮く可能性があるため、家計にとっては非常に助かる税制と言えます。

 

②住宅取得等資金の贈与をを受けた場合の非課税制度

 親がお金を持っているという世帯におススメの制度。

 たとえば親が大企業に勤めていて、退職後の生活は公的年金だけでなく企業年金個人年金保険などからの収入で賄え、また、退職金も多く、貯蓄額もある程度貯まっているといった、ドラマに出てくるような日本人の老後の暮らしを絵に描いたような比較的裕福なご家庭の場合。

 息子・娘さんご夫婦がマイホームを買うときに、親が資金援助をしてあげると、一定の条件のもと、贈与税が非課税になるという制度です。

 平成28年1月1日から平成32年3月31日までの間で、省エネ住宅を購入した場合、1,200万円までが非課税、省エネ住宅以外の住宅の場合は、700万円までが非課税となっています。

 親から資金援助を受けてマイホームが買えるので、このような方の場合、生涯における出費が抑制でき、その分、子どもに回せるお金や自分たちの老後のために貯めるお金が増えます。

 これを活用しなかった場合と比べると、家計的には、収入増⇒支出減⇒資産増⇒負債減につながりやすいので、家計防衛の効果が高いと言えます。

 

〔結婚・子育て・教育資金を準備するとき〕

①父母などから結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度

 これも高齢者世帯から子育て世帯に財産を移転するための制度です。

 ポイントは、少子化対策の一環になっているため、結婚と子育て(養育や保育)と子どもの教育・進学資金の援助が目的になっていることです。

 平成27年4月1日から平成31年3月31日までの間に、一定の条件のもと、親が子に結婚・子育て資金を贈与した場合、1,000万円まで贈与税が非課税になります。

 かなり今風の制度ですが、資金援助を受けられる若者世帯や子育て世帯にとっては、これを活用することで、結婚後や子育て期間中の家計が潤うので、こちらも活用しなかった場合と比べると、結果的に、収入増⇒支出減⇒資産増⇒負債減につながりやすくなります。

 

②祖父母などから教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度

 これも①と同じく、高齢者世帯から子育て世帯に財産を移転するための制度です。

 ポイントは、おじいちゃん・おばあちゃんから教育資金を贈与してもらうと、贈与税が非課税になる点です。

 平成25年4月1日から平成31年3月31日までの間に、一定の要件のもと教育資金が贈与されると、1,500万円まで贈与税が非課税になります。

 これは①に比べ、対象が子どもの教育資金に限定されている反面、非課税枠が1,500万円と多くなっているため、子育ての真っ最中で、かつ、進学資金の準備を進めたいという世帯にとってはありがたい制度かもしれません。

 こちらも①と同様、家計防衛の効果が高いと言えます。

 

 ①、②ともに一括贈与となっていますが、実を言うと、一括でなくても初めは200万円、次の年は150万円といった分割贈与ができるようになっているので、この制度を活用すると、わざわざおじいちゃん・おばあちゃんがお孫さんのために元本割れしている学資保険に入る必要がなくなります。

 むしろ、銀行や信託銀行、証券会社に専用の口座を開設することで、預金や運用を行い、利子や配当を得ながら節税を行うことができるので、これからの時代、こちらの方がお得感は高くなります。

 ただし、口座内でお金が余ってしまうと贈与税がかかってくるので、その点だけ気をつけるようにしてください。

 

〔老後の生活資金を準備するとき〕

確定拠出年金制度(企業型・個人型)

  今年の1月から、自営業の方も、会社員・公務員の配偶者の方でも、一定の条件のもと、確定拠出年金制度を利用することができるようになりました。

 すでにご活用の方もいるかもしれませんが、これは、税制を活用しながら、老後の生活資金を貯めるための制度です。

 特徴は、掛金が全額所得控除の対象となり、また、預入・運用期間中は利子や配当、売却益(キャピタルゲイン)に対して非課税、受取時は、年金として受け取る場合、公的年金等控除退職金として受け取る場合は退職所得控除の適用が受けられるため、老後の生活資金を貯めるための従来の金融商品個人年金保険や貯蓄性の保険など)に比べると、異様なまでに節税効果が上がる制度です。

 特に、掛金の全額が所得控除の対象になるため、家計防衛がしやすく、より効果的にお金が貯まりやすい仕組みになっています。

 

 このように見ていくと、ライフステージに合わせて国が税の軽減制度をちゃんと用意してくれているのがよくわかります。

 でも、制度の内容によっては、教えてもらわないと一生知らないで終わるものもあるかもしれません。

 冒頭の学資保険のように、保険会社の人に言われてというのはごく一般的な話ですが、金融機関の営業社員では教えてくれない、普通に利用価値の高い制度があるのも事実です。

 ここ数年、アベノミクスの中で矢継ぎ早に新しい制度や従来の制度改正が行われています。

 今後も少しアンテナを貼り、使える情報はなるべく活用できるようにしていきましょう。

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